直射日光の味出しパワー

4つのコース
レザーエイジングダービーとは?

「どうしたら、いい革の味が出るのか?」……そんな、革好き永遠の命題を実験で検証する企画が「レザーエイジング・ダービー」です。ヌメ革のキーケースに4つの味出し方法を試し、その結果をご報告しています。
今回実験する方法は、革を「焼く」ために行う「日光浴」。果たして、どのような味が出たのでしょうか?

キーケース

実験サンプルに使うのは……
「Naturaヌメ革 キーケース」

最も素朴なエイジングが楽しめるヌメ革で仕立てたシンプルなキーケース。革初心者にもお薦めです。

直射日光

馬
直射日光のパワーで、革はどれだけ「焼ける」のか?

「日光浴コース」のファースト・トライアルは、野外で革に直接太陽光線をぶつける「直射日光」という実験。赤外線や紫外線がたっぷり含まれる日光をダイレクトに浴び、高温にもさらされるという過酷な条件で、革はどのような変化を見せるのでしょうか?

実験したのは、よく晴れた2日間。直射日光が当たる場所に置き、日差しの強い午前10時から午後4時までの6時間、じっくり太陽光線を浴びさせました。途中、3時間経過した時点でひっくり返して表裏均等に日光を照射。キーケースの下には白い紙を敷いて、日光の照り返しも活用できるよう工夫をしました。これを1セットとして、2回行いました。



効果は一目瞭然! 蓋を開いてみると、日焼けの痕がくっきり。目に見えて色が濃くなり、はっきりとエイジングしていることが確認できました。但しこれは人間の日焼けのように、メラニン色素の働きによるものではありません。赤外線や紫外線などにより、ヌメ革に含まれるタンニン成分が酸化したためと思われます。

他にも、直射日光で温度が高くなり、革の中に含まれているオイルが表面に染み出て空気に触れ、変色した可能性もありそうです。結論としては、かなり「エイジング効果有り」と言えるでしょう。但し、長時間の直射日光によって革が高温になり、乾燥しすぎて表面がややカサカサに。直射日光での味出しには、注意が必要です。

※直射日光にさらすと革が乾燥しすぎるので、試した時は後で必ずオイルを塗ってくださいね。

3番目の味出し方法、「水拭き」コースの1回目の実験をお届けします。コアな革好きの間で、味出しの裏技と言われている「水拭き」は、本当に効果があるのか? 実験のご報告を、楽しみにお待ちください!