NEW DAYS NEW FACE 01社長の器以上に、会社は大きくならないんです。 嶋田 順一さん / シマダ器械 代表取締役


会社に居て楽しいと、あなたは感じたことがありますか。バイオ関連製品を扱う商社の代表を務める嶋田順一さん。これからやりたいことはなんですか?という質問に「ここで働いている人に、この会社に居て良かったなと思ってもらうことです」との答え。それは最終的な夢でもあるという。
夢を実現させるために嶋田さんが一番重要だと考えているのは「環境」。「役職につく人たちというのは、働く人たちに働きやすい環境を提案できるかどうか、それが重要なんじゃないかな」と嶋田さんは語る。「環境整備」の目的は主に2つある。1つ目は、社員全員に会社に居て楽しいと思ってもらうこと。

まず1つ目を実現させるために行っているのは、目に見えて何かが変わったとわかるようにすることだそうだ。例えば会社全体の利益が上がったら、事務所の内装を綺麗にするとか、新しい設備を取り入れるなど。利益が上がったという事実がどういう結果をもたらすのか、それをわかりやすい形で実感できるからこそ、個々の気持ちも上向きになり、社員全体の生産性も上がるのだ。

そして2つ目の目的は、会社としてみんなで同じ方向を見られるようにすること。同じ環境という言葉でもこちらで重要になるのは、状況をいかに作り出すか。 「全員野球」と嶋田さんは言う。「うちの会社の大きなスローガンに全員野球というのがあります。これは利益は全員で出しましょう、という考え方です。経理などの間接部門だとしても、みんなが利益に直接貢献する。小さな会社なのでそれが望ましい。そのために少しずつこの考え方を定着させ、今では社員全員の習慣になっています」。 「自分には関係ない」ではなく、全員が積極的に関わってくれる状況を作り出すこと。それをしっかり構築することで、居心地の良い環境が作れると考えているという。
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「会社は社長の器以上には大きくならない」。そう語る嶋田さんの考えがとても印象的だった。嶋田さんの会社は元々お父さんが経営しており、引き継いだものだ。「僕の代で会社は伸びました。でもね、それは僕の器が大きかったわけではなく、僕の器に能力がある人の器がさらに加わって、大きくなったんです。例えば自分より年齢が下の人にでもわからないことは聞いて、知識を増やしたりできるかどうか。どれだけ他人に任せられるかが、重要だと思っています」。

人が働くということ。そこには山ほど困難がある。終わりなどなく、ずっとずっと変化し、考え続けなければならないことだ。 何かの縁で自分の側で働くことになった人たちに、一体何を提案することができるか。嶋田さんはずっと考えるのだろう。軽快に話してくださるその声の奥には、責任ある立場だからこそ持つことのできる重みが、滲み出ていた。

株式会社シマダ器械
遺伝子解析関連機器・試薬・消耗材商社。常に最先端のものを取り扱っている。
http://www.shimada-ins.jp/



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