職人の手仕事によって、革製品をつくる土屋鞄。分野は同じでなくとも、ものをつくることや製品に対する想いに対して共感することに、日々たくさん出会います。ものづくりにまつわる日本各地の出来事や、古くから伝わる日本の美意識、お話をうかがってみたいと心惹かれる方についてなど。今日のコラムでは、土屋鞄のスタッフが共感し、多くの方と共有したい話題についてお届けします。

ギフトカタログの箔押し

表紙のアクセントに。きらりと光沢を放つ「箔押し」加工の様子。


THURSDAY, 30 OCTOBER, 2014

10月も後半にさしかかり、いよいよXmasシーズンが到来します。土屋鞄の2014年Xmasギフトカタログの表紙を彩る赤と金色には、Xmasの心弾む気持ちを込めました。
金色部分には、「箔押し」加工を施しています。どのように加工されているのか、いろんな想像を膨らませながら、現場を見学してきました。

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箔押しは、熱を加えた凸版で箔をプレスし、紙に転写させる技法。今回箔を押す表紙用の紙は、ストライプ状の細かな凹凸があります。そのため、プレスの際に穴が開いてしまう可能性があり、力加減が難しいとのこと。
根気がいる作業は、最初にやってきます。デザインを転写した銅版をねじで台に固定する作業です。パソコンで操作して位置をぱっと決めるのかなと思いきや、ひとの手によって銅版の位置を微調整をしていくとのこと。実際に紙に何度も試しながら、ぴったりの位置にくるよう調整します。
「位置をあわせるのに、3時間くらいはかかりますね。位置がずれたり文字が潰れていないか、とにかくひとの目での確認が大事なんです」

ギフトカタログの箔押し


ギフトカタログの箔押し


今回のデザインは、細い文字や細かい図柄にも箔を押すため、難易度が高め。そのため、見た目ではわかりませんが、今回は2種類の箔を使用しています。
「特に“カチンコ”の部分は、硬い箔だとプレスしたときにうまく剥離しないので、柔らかい箔を使用しています」

ギフトカタログの箔押し


ギフトカタログの箔押し


ギフトカタログの箔押し


機械を通って出てきた紙を見ると、しっかりと押された箔がきれいに光沢を放っていました。


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取材先:斉藤商会(埼玉県戸田市)

取材日:2014年9月
掲載:2014年10月30日

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