石窯工房しゃんぴによん 北海道産小麦100%でつくる無添加ラスク&パン


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北海道麦との出会い

28年前、パンの修行時代に初めて国産小麦と外国麦の根本的違い、ポストハーベスト(収穫後の輸送段階での害虫駆除剤散布)で安全性を考えさせられました。
以来自分がパンをお客様に提供する、自分の家族に食べさせるパンは国産小麦に拘りを抱くようになりました。今では国産小麦でパンを提供する店も増えましたが当時ではまたまだ皆無で極少数のパン店でしかも一部のパンでしかありませんでした。
自分が店をオープンしたならば必ず全品のパンを国産小麦でお客様に提供するぞとの思いが強かったのがスタートです。
しかし実際はオープン当初は失敗の繰り返しです。北海道麦に出会うまでの数年間は特に失敗の繰り替えしでした。地場の静岡県産農林61号に始まり、岩手県産南部地粉等数々の国産麦でのパン作り。しかし自分を満足させるパンにまで至らないのが現状でした。外国麦と国内麦の違いですが、米不足の時にタイ米等の外国のお米を食べた方も多いと思います。日本の米との違い(私自身が日本の米の旨味を再認識)をかなりの方が感じたと思いますが、外国米を日本の米と同等、それ以上に美味しくしようとするとかなりの苦労が生じます。同様に日本の麦は本来うどん向きの粉、外国麦のパンに負けない国内麦でのパン作りはかなりの困難ありますが、北海道麦の春撒き小麦ですと高蛋白粉ですので可能となります。当時は北海道春撒き小麦では「ハルユタカ」の前の「ハルヒカリ」の時代。またまだ北海道麦が本州にしっかり流通していない時でした。北海道の製粉会社に当時「ハルヒカリ」を問い合わせても高い送料の問題で断念していました。しかし、国産麦、北海道麦をとことん調べ石川県金沢市の某会社との出会いが夢の北海道麦との本格的スタートとなりました。某会社は小麦をグルテン、でん粉に分離してグルテンを提供している会社です。金沢の伝統の麩を作る店にグルテンを提供している会社です。某会社が国産のグルテン作りに北海道より直接北海道麦を本州に入れた当初に某会社との出会いがあったのです。時代は「ハルヒカリ」の時代から「ハルユタカ」の時代に代わっていました。某会社の流通経路に乗り本格的に北海道麦の確保でのパン作りがスタートできたのです。オープンから4〜5年後の1990年、某会社の流通経路に乗り北海道の製粉会社 「横山製粉」と出会い北海道麦(ハルユタカ)を供給してもらう。念願の店のすべてのパンを国内産小麦粉100で製造・販売のスタート。
当初は国産小麦への拘りは安心、安全が一番でしたが、20年近く北海道麦一筋でパン作りをしているうちに安心、安全は当たり前で本来の麦の品種の違いによるパンの旨味に気持ちはとりつかれていきました。北海道麦をこよなく愛する目覚めです。




小麦粉の形で小麦に日頃接していると本来農作物だと言うことを忘れがちにさせられますが、本来はお米、野菜などと一緒の農作物です。
品種が変れば味は違います。収穫年の気候で味も変ります。よく私は日本人の主食がご飯ですからお米に例えてお話するのですが、コシヒカリ、ササニシキ、等々で味はかなり違いがあると言うことを感じていると思いますが、小麦も一緒です。小麦も単一の品種でかなりの違いがあり、品種に拘る理由です。
小麦の旨味についてですが、日頃の経験からバター、牛乳なと゛入らないリーンな生地を仕込んでる最中に生地自体を口に含み口の中で飴のように転がしておきます。デンプンが溶けグルテンだけ残り最後には吐き出し捨てますが、口の中で麦本来の旨味を感じます。現在使用の品種「春よ恋」抜群の旨味を感じる品種です。どのような旨味かと言いますともち米と同じ旨味です。これぞ日本の麦と言う旨味です。
ご飯を炊くには美味しいお米が命です。パンの骨格をなすものは小麦です。小手先だけのパン作りより小麦本来の旨味を感じとって食べていただけるパンを本来のパンと私は考えています。
「春よ恋」ですが、「ハルユタカ」の後継品種で抜群の品種だと私は感じています。




北海道には数年に一度は足を運び、製粉会社、農家、研究所を製粉会社の案内で行くのですが、平成10年に農業総合研究所を紹介され以来のお付き合いをさせていただいています。
「春よ恋」は、ホクレン農業総合研究所、長沼研究農場で開発された春まき小麦の新品種です。
私が出会った平成10年夏、当時はまだ、「春よ恋」と言う名前もついていない研究段階の「HW1号」と呼ばれた麦でした。
ホクレン農業総合研究所の農学博士 池口正二郎 先生より、「HW1号」を実際のパン屋さんでパンを作ってみてほしいと言われ、無論即 OK.の返事をしました。良い経験、良い勉強になりますから。その翌年の 2月にホクレン農業総合研究所の方が、まだ研究段階で少量しか収穫できていない「HW 1号」を製粉して持って来て下さり、早速に試作パンを焼きました。普段毎日、「ハルユタカ」のみでパンを焼いていたもので、麦の違いがすぐにわかりましたね。
食パン、フランスパン、を、「ハルユタカ」「HW 1号」で同時に仕込み、パンを作り、「HW 1号」の感想をお伝えした経験があります。
その時に、ホクレン農業総合研究所の方にお伝えした私の総合感想は次のようなものでした。
「HW 1号は、自分が今までいろいろな種類の国産小麦を使った中でもっとも硬い締まった腰をしている。できるならばもう少し伸びがほしい。しかし、パンを作るうえでの総合評価はかなり良い。早く本格的に市場に出れば是非使ってみたい。現在、ハルユタカだけでパンを作っているが大変無理な部分があるが、HW 1号のような小麦があればパン作りの巾が広がる。作る側から言わせてもらえば、ハルユタカ、HW 1号、と両方あれば有りがたい。それぞれの向いたパンが作れる。是非、がんばって市場に出る小麦にしてください。」
ホクレン農業総合研究所の方々の苦労も実際に聞いたいたものですから、当時、市場に実際出回る麦になることを心より願っていました。
試験試作をさせて頂いた麦が実際に、「春よ恋」というネーミングで市場にでることを知ったときは嬉しかったです。「春よ恋」そんな思い出が残る粉です。
今でも池口正二郎 先生とお付き合いさせていただいていますが、「春よ恋」はもち米の遺伝子が含まれているとお聞きしています。











日本の小麦
日本列島は南北に長く、気候的にも地域によりかなりの差があり、小麦栽培の条件も各々の地方により様々であり、その地方にあった品種と品質特性を持った品種が選ばれて来ています。
 古くから、麺の名産地には必ず良質の小麦が生産され、特に瀬戸内の兵庫、岡山、香川産の小麦は特定の格付けがなされ、価格的にも優遇された時代がありました。一般に、本州の小麦の用途は大半が麺用に利用され、しかも、地場消費がほとんどであり、その利用目的は自らはっきりしてきました。

北海道の小麦
北海道の麦作は歴史的にも浅く、需要の面でも本州の場合と異なり、食管法による無制限買入のもとで、消費の面で要求される品質的要素よりも、収量性の面が先行しながら近年に至っております。
 また、昭和50年頃から、米の生産調整により水田の転作が強力に進められ、転換作物として小麦の作付けが年々増大し、昭和54年以降は全国生産量の半数を生産するに至りました。
 本来、北海道に於ける小麦作付けの必要性は、本州のような水田裏作的要素と異なり、畑作における輪作体系の中の重要な作物として欠かせない役割を果たしております。必然的に北海道小麦の生産過程は、道東の畑作に始まり、時代の変化と共に道央の水田地帯と広がってきた経過があります。
 昭和50年台に入り、全国生産量の50%を超える道産小麦は、必然的に需要の面からの品質改善を強く要望され、官民一体の努力により、新品種の育成と生産者の意識改革が進んでおります。

北海道産小麦の品種
現在、道内で栽培されている小麦の品種は、秋播き小麦では、ホクシン、ホロシリコムギ、タクネコムギ、きたもえ、があり、春播き小麦では、ハルユタカ、はるひので、春よ恋が栽培されております。

北海道産小麦の経緯
昭和58年頃までの道産小麦は、品質的に多くの難点を持ち、製粉業界の不評をかってまいりました。その後、新しい奨励品種として秋播き小麦のチホクコムギが開発されて、今までの道産小麦にない製麺特性を持った品種が出来ました。更に、平成6年からは、チホクコムギよりも耐雪性が強く、強稈早生種のホクシンの作付けが始まり、平成9年作付け面積では、チホクコムギよりも多くなり、平成13年には北海道産小麦全品種の90%近くにまで増えてきております。また、平成3年より発生が確認された小麦縞萎縮病がホクシンの作付け面積増大により道央部を中心に被害が広がってきたため、小麦縞萎縮病抵抗性を有し穂発芽にも強い「きたもえ」が奨励品種として、
開発されました。
春播き小麦については、ハルユタカが昭和60年頃から作付けされてきましたが、1等麦出荷比率が年次により差はあるものの、20%を下回っている状況が続きました。そのためか、作付け面積は年々減少傾向となり、その後継品種として、はるひので・春よ恋が奨励品種になり、今後、ハルユタカに代わって作付け面積が増加していくと思われます。



北海道産小麦の主要品種品質比

○春播き小麦
・ハルユタカ




昭和47年に道立北見農試において、北見春47号として育成が始まりました。
育成目標としては短強稈、良質、多収穫があげられます。昭和60年3月に北海道の奨励品種となり、ハルユタカと名付けられました。ハルユタカとは春播きで収穫量の多いことを意味しています。育種のねらいとして、麺適正を備えた春播き小麦ということでしたが、実際には高たん白であるため製パン適正があり、大いに期待されるものとなりました。


・春よ恋



ハルユタカの後継品種として、平成12年より生産が始まりました。ホクレン農業総合研究所にてHW1号として育成されたものです。
春よ恋は、多収でうどんこ病及び赤かび病抵抗性を持ち、低アミロになりにくく、製パン性に優れた品種として期待されるものとなりました。



・はるひので



ハルユタカの後継品種として、平成12年より生産が始まりました。北見農試にて北見春59号として育成されたものです。
はるひのでは、赤かび病・穂発芽に対する抵抗性を改良し、更に多収で製パン性にも優れ、春播き小麦の収量、品質の向上が期待できる品種です。



○秋播き小麦
・チホクコムギ



昭和44年に北見農試で育種が始まり、昭和52年に北海道の奨励品種となり、昭和56年11月にチホクコムギとして登録され、本格的な生産が始まりました。
チホクとは当時の国鉄池北線(北見と十勝の池田を結ぶ)にちなみ名付けられた名前です。粉質は粉状質で澱粉粒子が細かく軽く、冴えた白さが特徴で麺にした場合の色、粘弾性が優れており良好な評価となっています。菓子用としては、軽い粉質を活かして、きめ細かい口溶けの良いものに仕上がる特色を有していました。



・ホクシン



チホクコムギの後継品種として、平成6年より生産が始まりました。
製麺適正はチホクコムギ並みに優れています。強いてチホクコムギとの違いを評価すると、粉色はやや黄色味が冴え、麺にした場合粘弾性はあるがやや硬さのある食感となります。また、ドウにした時の弾性がチホクコムギよりもあるため、製パン用原料として考えた場合、優位性があります。



・ホロシリコムギ



昭和49年に北見農試で作られ、チホクコムギの登場以前は本州の農林61号を上回る作付けがなされていました。名前は日高山系の高峰幌尻岳にちなんで付けられています。
粉質は準硬質な性質でたん白量はほどほどですが、グルテンはしなやかさに欠けるため、麺にしては弾力感がなくボキボキした食感になります。パン用としてはたん白量が少なくしかも伸びが良くありません。いずれの用途も特色に欠けるために増量用として使われることが多いようです。



・タイセツコムギ



平成2年に奨励品種に決定されました。
チホクコムギの改良型として育成され、上川地区を中心に生産されております。製麺適正は色調の点でチホクコムギよりも優れているため、実需者の評価は高くなされています。耐倒伏性がやや劣る欠点があるため、奨励地帯が上川地区に限定されており、作付け面積は横ばいとなっていましたが、平成11年頃から、除々に減少傾向となっています。



・きたもえ



小麦縞萎縮病耐性の向上を目標として、北見農試にて北見72号として育成されたものであり、平成12年より生産がはじまりました。
きたもえは北海道で育成された品種として初めて小麦縞宿病抵抗性を有し、穂発芽にも強く、また、麺の色相が優れている品種として、期待されていますが、食感において粘弾性が劣る評価がされています。
めん用道産小麦がホクシンに切り替わり、その粘弾性がチホクコムギよりも劣ると評価されている中で、今回のきたもえは更に粘弾性が劣っているとされています。きたもえは北海道の道央部を中心に広がった小麦縞萎縮病への対応策として奨励が決定されましたが、広範囲での栽培は控え、小麦縞萎縮病発生地域限定の栽培に留めて欲しいとの意見がでています。



・キタノカオリ



昭和63年、北海道農業試験場において、ホロシリコムギの耐うどんこ病抵抗性強化を目標として人工交配を行なってきたもので、平成12年に種苗登録品種として出願受理されました。
粉色はかなり黄色味を帯びており、粉質は準硬質で、ホロシリコムギに類似した品質特性を有しますが、たん白量が多く、秋播き小麦としては異例の製パン性に優れた品種として、期待されています。




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