ミカンの味を評価する場合、甘さと酸っぱさだけがとかく取り上げられ、ミカンそのものの味は忘れられているようにも思います。
甘さや酸っぱさは糖度や酸度に由来し、それぞれ厳密に測定することができます。そのためミカンの食味を数値で表現するのに便利な指標となっているため重要視されてきたことに理由があるのかも知れません。
ミカンそのものの味は、旨味成分でもあるアミノ酸の組み合わせによって成り立っています。アミノ酸の量の多少はミカンの食味にも当然影響を与えるはずなのですが、その因果関係はこれまで詳しく調べられたことはないようです。そのため「このミカンは適度なアミノ酸量なのでおいしい」などと説明するのは非常に難しいことになります。
本当においしいミカンを作るには何が必要か、を考えたときに気がついたことがあるそうです。それは、化学肥料を多用するようになってから「コク」とか「まろやかさ」を感じないようになったということだそうです。それで昔ながらの有機肥料に戻したところ、ミカンの食味にコクやまろやさといったものが戻ってきたそうです。
有機肥料さえ使えばおいしいミカンを作れるわけではありません。またミカンの食味は糖度や酸度によって決まる部分が大きいもの事実であると思います。おいしいミカンは、糖度と酸度のバランスに優れているものです。しかし、それだけでは何か足りないと感じることがあるのではないでしょうか。有機肥料を使うことで、そんなあとひと味を補うことができるようになったと思えて仕方ありません。