全部おいしい

「購入したミカンの全部がおいしい。ひとつとして外れはなかったですよ」と感想をいただけるのが理想です。自然のものなので、ミカンの食味にばらつきはあって当然です。従って、工業製品のように同質のものを出荷するのは無理ですが、ばらつきを小さくすることはできます。

食味を均一にするには、摘果という作業がまず重要になります。 ミカンの果実がどのような枝についているか、その状態で収穫時の食味はほぼ予想することができます。条件の悪い果実を小さいうちに間引き、おいしくなるものだけを育てていきます。樹が集める養分を無駄にすることもなくなるので、全体の食味を向上することにも役立つ作業です。

次は収穫時の作業です。

同じ品種のミカンであっても、畑が違えば食べ頃の時期も違います。同じ畑でも樹が違えば食べ頃は微妙に違ってきます。そこで大事なのが、樹ごとに食べ頃を見極めることになります。 収穫時期になった畑の樹から1本に1個のミカンを試食することで判断し、順次食べ頃のミカンを収穫していきます。同じ樹の中でも外側と内側では成熟の度合いが異なりますから、外側からまず収穫することになります。

こうして出荷するミカンの食味を整えていくわけです。 日照量や降雨量に過不足のない年であれば、「全部おいしい」と感じていただくのも難しいことではありません。それは、摘果や収穫時の判断の精度が十分であるからだと思います。 しかし、気候条件が著しく悪いとなれば、残念ですが「全部おいしいとは言えない」ということも起こってしまいます。そんな時は出荷自体を差し控えることにもなります。