ミカンの樹の枝葉の剪定(せんてい)はノコギリやハサミを使った刈り込み作業のことです。
ミカンの果実への糖の蓄積を考えると、葉っぱはたくさんある方が光合成(炭酸同化作用)により生産される糖分の総量が増えるので剪定せずに葉っぱを残しておくのが有利だと思えます。
実際、アメリカの柑橘園ではほとんど剪定を行わないそうです。作業の大部分は機械化されていると思うのですが、機械での作業に邪魔になったミカンの樹の枝だけを機械で刈り込むだけなのだとか。 栽培技術を指導する立場の権威(農学博士だったと思います)の見解からして、機械作業に邪魔な枝を取り除く以外に剪定作業の意味は全くない、と断じているそうです。
日本の柑橘栽培では、当たり前のように剪定が年中作業に組み込まれています。 苗木や幼木の段階では、ミカンの樹を理想的な形に早く育てることが剪定の主目的です。成木の段階では、毎年の収量を安定させることが主目的となります。
ミカンの果実の糖度を上げて食味をよくする、味や外見のばらつきを小さくする、病気を防ぐ、などのために剪定を行うという意味もありますが、食味の向上と均一化には摘果を上手く行うことの方が重要です。剪定作業自体はその準備に過ぎません。
主枝、亜主枝、立ち枝、横枝、春枝、夏枝、秋枝、果梗枝、予備枝、力枝、などミカンの樹の枝にはいろんな名前がついています。枝ではないけれど、単生花、総状花、直花、の違いから枝を区別することもあります。 剪定技術の指南書を読みこなそうと思えば、全ての枝を区別する必要があります。理解できていれば、作業はできるようですが、剪定の最終的な目的である「収量の安定」を図れるとは限らないのも事実で、適切に作業するには相当な熟練を要する難しい技術のようです。