塗装・光沢に関して

目的

磨きの目的は車を使用することにより塗装表面に出来た細かいキズ(0.5〜10μm程度の深さ)や劣化塗膜をコンパウンドとポリッシャーを使用して研磨により取り除き平滑で均一な本来の塗膜に再生することです。

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  • 磨き処理前 磨き処理後

クリアー層が劣化した塗膜の状態では反射する像がぼけていますが、磨きを行うことにより像周辺の輪郭がはっきりとし鮮映さが増しています。

※全ての人・車に同じ効果が得られるわけではありません。


  • 磨き処理前
  • 磨き処理後

クリアー層の大部分を削るように付いた傷ですが、研磨により周辺をならすことにより傷が目立ちにくくなっています。

  • 磨き処理前

新車の塗膜においてもそのままではスプレーした粒子の粒が塗装表面に残っており緩やかなうねりのひずみがあります。これを研磨し取り除き平滑で均一な塗膜を作成することができます。
新車の塗膜でも塗面が完全に平滑でないために光の乱れが認められます。


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膜の厚さの単位

自動車塗膜とコーティング膜について理解していただくために、ここで膜の厚さの単位についてお話します。

長さの単位について

長さの単位について 詳細

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自動車塗膜

自動車塗膜はどのように構成されているのでしょうか。

自動車塗装膜と人の髪の毛

塗膜の厚みは合計でも100μm程度人の髪の毛の厚みほどしかありません。メタリック・パールカラーや最近のソリッドカラー(メタリックやパールを含まない色)では、塗膜の外側にクリアー(透明)塗装がなされています。
このクリアー塗膜は杉花粉の粒子ほどの厚さしかありません。このクリアー塗膜が外界(雨や砂埃、太陽光線)から直接の影響を受けているのです。意匠性の高い高級車ほどクリアー層の厚みが厚く、艶が深く出るように設計されています。

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光について

ものを見るためには光が必要ですが、ここで光について少しお話します。
光は電磁波の一つですが人の目に見える波長はおおよそ400〜800nmの範囲にあるもので、この光を可視光線といいます。400nmより小さい領域が紫外線、800nmより大きい領域が赤外線と呼ばれています。光は波と粒子の性質があり光子とも呼ばれています。
下の図の丸は光(光子)をイメージしたものです。

傷ついた塗面

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左の図はキズの付いた塗面を示しています。

  • 1.平面部に入射した光は正反射しますが…
  • 2.キズが大きく深い場合は、光がキズの中まで入り込み乱反射を起こします。それによりキズが見えるようになります。
  • ※図はクリアー層の上部の一部を拡大したものです。
  • ※図の●は光子をイメージしたものです。左側から入射し塗面で反射しています。
  • ※大きさが400nmより小さなものは直接人の目で見ることは出来ません(400nm=0.4μm)。

磨き処理後

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上のキズをコンパウンドとポリッシャーで磨くことにより、塗面全体に光子より小さく微細で均一な凹凸を付けることができます。
そのため、いずれの場所でも光は正反射するので目には鏡面に見えます。

  • ※図はクリアー層の上部の一部を拡大したものです。
  • ※図の●は光子をイメージしたものです。左側から入射し塗面で反射しています。
  • ※大きさが400nmより小さなものは直接人の目で見ることは出来ません(400nm=0.4μm)。

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塗膜をつくる

塗膜はなぜ傷む

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塗膜はなぜ傷むのでしょうか。

走行することや屋外にて駐車・保管することにより砂塵との衝突や酸性雨、鳥糞また直射日光による太陽光線などの影響で塗膜表面には少しずつキズがついたり劣化が進行してゆきます。
砂埃が残ったまま洗車することやクリーナーを使用することにより塗膜にキズがついてきます。
これは車を乗る限り避けられない現象で、キズがつくのが嫌なら車をガラス越しのクリーンルームに飾っておくしかありません。

これらの目に見えるキズは0.5μm以上の深さがあり、塗膜表面のクリアー層の一部を削っています。

通常のワックスやコーティング剤では

上ようにキズついたり劣化した塗膜にワックスやコーティング剤を洗車した後にかけることにより、ある程度表面を平滑にして光沢を復活させることは出来ます(ワックスやコーティング剤で形成できる被膜は0.3μm程度が限度です)。
ワックスやコーティング剤では非常に細かいキズを埋めることは可能ですがワックスでは雨や洗車で脱落してゆき容易に元の状態に戻ってしまいます。

コーティング剤ではワックスよりも長時間の耐久性が期待できますが、0.5μm以上のキズすべてを埋めることは出来ません。

プレミアムグロスでは

  • キズついたり劣化した塗膜
  • ポリッシャーで磨いた塗膜

プレミアムグロスではどのようにして光り輝く塗膜を作るのでしょうか。
このようにキズ(0.5〜10μm程度)ついたり劣化した塗膜をポリッシャーとコンパウンドを使用して削り取り人の目には見えないレベルの細かく平滑で均一な凹凸(0.3μm以下)に仕上ます。


  • 図1
  • 図2 コーティング被膜

図1

磨きを行なうことにより新車の塗膜より、さらに滑らかな塗面を得ることが出来ますがこのように目に見えない細かい平滑な凹凸が一面に広がっていることにより実質の表面積が水平面と比較すると数百倍と非常に大きくなります。このためそのまま放置すると汚れがより付着しやすくなっています。

図2

このコーティング被膜が外界との環境にさらされることにより塗膜を保護します。
この細かく目に見えない平滑な凹凸にコーティング剤を塗布することにより、コーティング剤が凹凸の中に入り込み塗膜との接着強度が極端に大きくなり耐久性が増すとともに、コーティング剤がこの目に見えない凹凸(0.3μm以下)を埋めさらに平滑なコーティング被膜が形成されます。

普段のお手入れ

  • キズついたり劣化した塗膜
  • ポリッシャーで磨いた塗膜

水道水の圧力で表面に付着した砂塵や泥を洗い流した後、シャンプーをよく泡立てて泡で包み込むように洗車を行ないます。
シャンプーの泡が塗膜表面(コーティング被膜)との接触を和らげるとともに界面活性剤がコーティング被膜に付着した油汚れ等を浮き上がらせます。

定期的にコーティング剤をかけることにより走行や洗車で脱落したコーティング被膜を補強します。
走行や洗車を繰り返すうちにどうしてもコーティング剤の塗布だけでは復活できない深いキズ(0.5〜10μm)が発生してきます。
その時は、ポリッシャーとコンパウンドを使用して磨き平滑に仕上げます。
この作業はクリアー層の厚みの範囲内で行うことが出来ます。

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