プリザーブドフラワーとは、本物の花(生花)の水分を保存料と交換させ見た目が変わらないように加工されたお花で、本物のお花を使用しているため造花ではありません。
保存料といっても食用の着色料などを使用しているため食べても害はありません。
海外では Preserved flowers の他に、Flower preservation や Floral preservation という言葉が使われています。
製造方法
新鮮な生花を脱水作用がある脱色液に漬ける → 花を取り出す → 潤滑液入り着色液に漬ける → 花を取り出す → 乾燥 → 検品して問題がなければ商品になります。液は1度使うと品質が落ちてしまい、何度も利用することはできません。
1991年にフランスのヴェルモント社が特許保存技術を発表して、フローラルデザイナーたちが利用したことにより広まりましたが、薬局でグリセリンを購入して、グリセリンを吸わせて製作する趣味は、昭和期から行われていました。
長所
- 水を与必要がなく、イベント等に向いています。生花のようにすぐに枯れてしまう、しおれてしまうということがないので、ストレスなく飾れます。
- 生きた植物と比べても遜色のない、瑞々しい質感と柔らかさがあります。
- 軽い。
- 保存環境が良ければ長い間きれいな状態で飾れます。3~10年程度。
- 花粉アレルギーの心配が無く、病院でのお見舞いの花として利用できます。
- ウェディングブーケとして利用した場合、長い間そのまま飾って楽しめます。
短所
- 複雑な加工をしていることで、販売価格が高くなります。
- 湿気に弱い。
- 強い紫外線が当たると、少しずつ退色しますが、他の木製品や紙、布地でも退色しますので、プリザーブドフラワー固有の短所というわけではないようです。
- 布等に長期に接していると、花の染料が色移りします。同様に、色が濃い花と、色が薄い花が長期に接していると、薄い色のほうに色移りします。
- 種類や、色は年々増えてはいますが、プリザーブドフラワーに加工するには向かない花もありますので、生花の種類の多さにはかないません。
生花・ドライフラワー・プリザーブドフラワー・アーティフィシャルフラワー(造花)といろいろな種類のお花がありますが、その長所、短所を見極めて、生活の中でお花を楽しんでいただけるように、アレンジしていきたいと思っています。