CORBO. コルボ インタビュー

CORBO. 古瀬様(写真右)、
インタビュアー:店長 金山(写真左/テキスト赤色部分)

CORBO.(コルボ)が生まれるまで

—今日はよろしくお願いします。
それでは早速ですが、CORBO.の生まれた経緯をお聞かせ願えますか。

CORBO.が生まれるずっと前、僕は企業でインダストリアルデザインやプロダクトデザインの仕事に携わっていました。プロダクトっていうのはほら、例えば100円ライターでも、尊敬する人から手渡されたら、もうそれは大切なモノになったりするじゃないですか。そのコンパクトな感じがいいなと。

—凝縮されているっていう。

そうです。だから初めから革のバッグを作っていたわけではないんです。 企業では大きな組織が動くんですよ。何年使いまわしてるのかという部品の流用だとか、下請けに押し付ける様なコスト減だとか、量産も絡んできますしね。今は多少理解できますけど、当時は若かったから…。

ゼロから何かを作り上げたいと思っていたので、そのしがらみがどうも…馴染めなかった(笑)。特に時代がバブルだったので、細かいことはどうでもいいよみたいな感じがあって。できるだけ値段を高くつけたほうが売れる時代だったそうですよ。僕はその恩恵にあやかってないけど、今じゃ考えられないですよね(笑)

―考えられないですね(笑)

それで、また色々な事にトライしているうちに、ご縁があって老舗のカバン問屋に入ったんです。革のカバンてね、衝撃だったんです。何が衝撃だったかって、職人さんの存在とかもね、すごかったんです、カルチャーショックが。

30年くらい前って、ホントに四角いビジネスバッグしか無くっ て。とくに革のカバンてね、いわゆるスーツを着たサラリーマンが持つものだと思っていたんです。形も決まっていて、変える必要がないんですよ。デザインな んてあり得るのかな?と思いました。

入社すると見習いは倉庫番から始まるんですけど、休み時間に箱を開けてひとつひとつ見ていくと、革の匂いや重みになんだかドキドキしたんです。どうやって作っているんだろうと思いました。

うちのお店でもお客様からよく「これは手作りですか?」って聞かれるんですけど。当時の僕も、ある程度はオートメーションでガッチャンガッチャン作ってる んだろうというイメージを持っていたんだと思うんです(笑)。それが今では「手作り以外にどうやって作るんだろう?」と(笑)。

鞄づくりってオートメーションじゃないって事なんですよね。革カバンを作っている所に行くと、今でも職人さんが畳の上であぐらをかきながら一本一本作ってたりします。

また、当時はそういう職種に若者が行かない時代だったので、商品を製造しているメーカーさんには外国から出稼ぎに来ている人が多くて。外国人の職人さんたちに抜けられちゃうと製造できなくなるから、頭があがらない社長さんが結構いたんです。

問屋さんもお店もブランドのマークがポンと付いていれば、何でも売っちゃう買っちゃう。作っている現場側から見ると、それがどうしても納得がいかないわけです。だから正直な事を言うと当時の日本が大嫌いでした…(笑)

―(笑)

CORBO. 職人の皆様の製作風景

職人さんだけは好きだったんです。僕は会社より職人さんの所にいる方が多かったので、いろいろな所にくっついていっては、いろんな事を教わりました。でも何でこういう人たちが一番下なんだろうって思ってました。うーん、そう言うとおかしいな…、問屋さんやお店が上なんだろう…かな?

―当時職人さんの立場が低かったんですね。

そうだと思います。…見ていて違和感がありましたし、社会人初心者で知識も経験もない自分には、そういう力関係みたいなものに全く興味が持てなかったんです。そうしないと仕事が来なかったのかなぁ…?

若い頃22~23歳ぐらいの時に、そういうのをたくさん見たんです。何が起きてるんだろうって思っていました。初めてこの国は全体的に歪んでるなぁと思いました。

周囲の大人を見ていても、何がしたいのか分からなくて。その先に何があるのか全く分からない様な状況だったので…。 それで、「ここじゃないのかな」と思って日本を飛び出してしまったんです。

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職人様のお声

お名前:丸山 学 様、丸山 洋子 様(会長ご夫妻)

職人歴:42年

担当されている工程:全行程

思い入れのあるシリーズ:スレート
製作当初から、切れ目、本磨きで、私たちも古瀬さんも 「この商品を絶対に売るのだ!売れる!!」と確信を持っていました。

ものづくりで大切にされていること: 私たちのモットーにもなっています。
『使う人の立場を考えて作る』
『寸法は正確に、直線は直線に、Rは商品に合ったRを』

お客様へのメッセージ:数多い商品の中から、私たちの商品を気に入って選んで戴くために 又、少しでも多くの人に喜んで使っていただけるよう日夜、努力しております。

お名前:原口 博利 様

職人歴:20年

担当されている工程:型紙・サンプル製作・全行程

思い入れのあるシリーズ:スレート、素材とデザインが良い。

ものづくりで大切にされていること:直線は直線に、RはRに。ヘリ返し、刻み、ミシン、それぞれを丁寧に作り上げています。

お客様へのメッセージ:お客様に納得していただける財布です。

お名前:菅谷 哲司 様

職人歴:2年

担当されている工程:貼り込み・部品縫製

思い入れのあるシリーズ:スレート・キュリオス

ものづくりで大切にされていること:まず自分が欲しい、美しいと思える品を作る!という心持ち。常日頃から良い品を探し、自身に活かせるポイントを研究すること。

お客様へのメッセージ:機械では作り出せない、手作りならではの温かみを少しでも感じていただければ幸いです。

お名前:荒木 裕司 様

職人歴:4年

担当されている工程:型紙とサンプル製作補佐・全行程・修理品全般

思い入れのあるシリーズ:アルゴリトモ(リップルス)
シンプルに見えますが、作業工程がとても複雑で苦労します。しかし出来上がった商品はとても特徴的で、誰にでも愛される一品だと思います。

ものづくりで大切にされていること:お客様が大切にされ、共に成長でき、永く使っていただける様に考えて作業しています。

お客様へのメッセージ:ミシンひと目にしてもお客様が納得していただける様、強い気持ちで作業に打ち込んでおりますので 今後ともコルボ製品をよろしくお願い致します。

お名前:沼倉 静香 様

職人歴:4年

担当されている工程:縫製・全行程

思い入れのあるシリーズ:スレート・キーケース(8LC-9376)
初めて作った製品なので

ものづくりで大切にされていること:ひとつひとつの工程を大事に作ること。

お客様へのメッセージ:お客様に気持ち良く使って頂けるよう、ひとつひとつ大切に作っています。

―CORBO.様、古瀬様、職人の皆様、貴重な時間とお話をありがとうございます!