商品撮影からちょっと離れて考えてみて下さい。 記念写真やスナップなどを撮影する場合、画面の中には、いろいろな明るさ(色の 濃さ)のものが写っているはずです。 そういった場合に、明る過ぎるところがあったり、暗過ぎたりしないよう、全体の 明るさのバランスが整うよう自動調整する機能が、カメラには備わっているのです。
また、屋外で太陽の直射光の下で撮影したときと、日陰やくもりの日に撮影したと きとでも、画像の明るさは同じような結果になるはずです。 撮影環境の明るさが変わっても、結果の明るさにばらつきが出ないよう、自動調整 しているからです。
太陽直射光 日陰で撮影 被写体の明るさにはほとんど差が出ない。 一般的な撮影においては、非常に優れた、ありがたい機能です。 さて、それでは、商品撮影に戻って考えてみます。 商品を撮影する場合、画面の中に色々な明るさ(色の濃さ)のものが写るような状 況はほとんどないと言えます。 最も極端な例を上げるなら、白い背景の上に白い商品。または、黒い背景の上に黒 い商品。
太陽直射光 日陰で撮影 被写体の明るさにはほとんど差が出ない。
白い紙の上に白い箱 黒い紙の上に黒いペン
ご覧のとおり、オートのままでで撮影すると、白くも(明るくも)黒くも(暗くも) なく、中間の明るさ、色でいうと「グレー」の仕上がりになってしまうのです。 なぜこのようになるのかというと。 1)白い紙の上に白い箱 画面の中、ほとんどを最も明るい色である「白」が占めています。 こういう場合、デジカメは、「白い」ではなく、「明るい」と判断し てしまうのです。 画面全体に明るい色の占める割合が多いほどに、「明る過ぎるから、 暗く写るようにしてあげよう」と、自動調整してしまいます。 2)黒い紙の上に黒いペン 画面の中、ほとんどを最も暗い色である「黒」が占めています。 こういう場合、デジカメは、「黒い」ではなく、「暗い」と判断して しまうのです。 画面全体に暗い色の占める割合が多いほどに、「暗過ぎるから、明る く写るようにしてあげよう」と、自動調整してしまいます。 その結果、どちらも、「グレー」になってしまうということです。 画面の中の、明るい色の量、暗い色の量によって、画像の明るさを自動調整してし まうのですから、照明を強くしたりして明るく照らしたところで、結果にはほとん ど影響しないということになります。
『露出補正』『EV補正』『明るさ』 デジカメのメーカーにより、名称が違ったりするのが厄介ですが、普通は【露出補 正】と呼びます。 この機能を使うことで、画像の明るさ(または暗さ)が調整できるのです。 デジカメが前述したような構造になっていることを、カメラメーカーは十分に承知 しているので、ほとんどの機種に、この【露出補正】機能が備わっています。 【露出補正】の数値を変えることで、画像は明るくも暗くもできるようになってい るのです。 表示のされ方や設定方法は様々となり、 このように、モニターに目盛が表示される機種や、 このように、数値を選ぶ機種などがあります。 数値の幅は、−2〜+2、あるいは、−1.5〜+1.5、の範囲で調整でき、 0.3、もしくは、0.5、単位で、分割されています。 プラスの数値を大きくするほどに、画像は明るくなり、 マイナスの数値を大きくすると、画像は暗くなります。 0(ゼロ)にすると、「オート」と同様の状態であることになります。 露出補正の操作方法については、残念なことにデジカメの機種によって、バラバラ です。 ボタンひとつで簡単に調整できるものもあれば、メニュー画面から何度も段階を経 て、露出補正画面にたどり着く機種もあります。 いずれにしても、商品撮影において、【露出補正】は必須です。 露出補正ができなければ、画像を明るくすることが不可能な状況さえあります。 なんとしてでも、操作方法をマスターする必要があります。 では、露出補正をして、 白の上の白、黒の上の黒、をそれぞれ撮影してみると、
このように、モニターに目盛が表示される機種や、 このように、数値を選ぶ機種などがあります。
このように、【露出補正】をすることによって初めて「白は白」「黒は黒」に撮影 することができるのです。 繰り返しになりますが、撮影環境が暗かろうが、明るかろうが、【露出補正】をし ないことには、画像全体を明るくも暗くもできないと、覚えておいて下さい。
露出補正をすることで、商品そのものの「色の濃淡」も変化 します。 淡い色、渋い色、などがうまく撮影できないときなど、露出 補正を調整することで、実物に近づけることも可能です。
商品撮影に欠かせない【露出補正】。 となると、いかに簡単に調整ができるかが重要です。 デジカメを買い換えるときには、露出補正が簡単に調整 できるかどうかを必ずチェックするようにしましょう。
このコーナー内のページの移動は、こちらからどうぞ *赤文字で表示されているのが現在のページです。 1.撮影を始める前に/使用目的の整理・再現能力の限界 2.商品撮影に必要なデジタルカメラの操作 1.基本設定/フラッシュは発光禁止・マクロ設定・画質モード 2.基本操作/ズーム操作/露出補正/ホワイトバランス/フォーカスロック 3.撮影/準備しておくもの・基本セッティング・仕上がりをイメージする 4.「商品撮影」作業の流れ