Tove Jansson
(トーベ・ヤンソン)

トーベ・ヤンソン(1914−2001年)は、フィンランドを代表する画家で小説家。 彫刻家の父ヴィクトル・ヤンソンとグラフィックアーティストの母シグネ・ハンマルステンの間に、長女としてヘルシンキにて生まれました。ストックホルム工芸専門学校、アテネウム美術学校の絵画クラス、パリやイタリアでも美術を学び、14歳で雑誌にイラストを発表。画家として絵画作品を制作するかたわら、雑誌や新聞の挿絵、風刺画、広告イラスト、ホテルの室内装飾、ヘルシンキ市庁舎の巨大なフレスコ画(現在はヘルシンキ美術館HAMに展示)など、さまざまな仕事を精力的にこなします。 1945年、第二次世界大戦終戦の年に、最初のムーミン童話『小さなトロールと大きな洪水』を発表。1970年の『ムーミン谷の十一月』まで9冊のムーミンシリーズを執筆し、その後はムーミンが出てこない大人向けの本を12冊出版しました。

1954年からは、発行部数1200万部を誇る世界最大級のイギリス夕刊紙「イヴニング・ニューズ」で、ムーミン・コミックスの連載をスタート。トーベが1959年に手を引いた後も、共同執筆者だった実弟ラルスが引き継ぎ、1975年まで連載は続きました。

長年の創作活動により、国際アンデルセン賞(1966)、スウェーデンアカデミー賞(1972)、フィンランド国民文学賞(1963、1971、1982)などを受賞。1978年にはオーボ・アカデミー名誉博士号、1995年にはフィンランド共和国大統領から名誉教授の称号を授与されました。 トーベ・ヤンソンが文章と挿絵を手掛けた9 冊のムーミン童話と3冊の絵本は50以上の言語に翻訳され、今も全世界で愛読されています。ムーミンをテーマにしたアニメ、バレエ、オペラ、人形劇などが作られ、キャラクターグッズも大人気。なかでももっとも売れたムーミン商品は、アラビアのピンク(ラブ)マグだと言われています。