はじめに

スカール(ウロコ)コラーゲンは細胞をつくる母体

魚には動物にはないウロコがあります。生命の母といわれる海や河に住む多くの魚のウロコには消化、吸収性に優れたコラーゲンがたっぷり含まれていることは、既に下関水産大学校の浜田盛承教授らの研究で明らかにされています。 私は未利用資源としてのウロコの研究を進める中で、幸運にもある種の比較的硬い魚のウロコは、コラーゲンとキチン質の複合体であることを発見しました。 ちょうど、大木のキチン質(分子量/300万)につたが絡むように3つ編み状のコラーゲン繊維(分子量/30万)がまつわりついている状態が推定されます。 これらの複合体を最新のトリメガパスカル・触媒法で処理をすることにより、低分子化して消化、吸収性のよい水溶性複合体として製造したものが、いわゆ完全無臭のスカール(ウロコ)コラーゲンです。 したがって、このスカール(ウロコ)コラーゲンは、コラーゲン分解物(コラーゲンペプチド)以外にも、ウロコだけがもっているキチン質分解物 (オリゴ糖やグルコサミン)を含む優れものといえます。 私たちの細胞の栄養や情報を支える土壌をマトリックスといいますが、この主役はコラーゲン、多糖(グルコサミノグリカン、/コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸など)、糖タンパクです。 スカール(ウロコ)コラーゲンはいながらにして、これらの土壌となるマトリックス成分をもち合わせている複合体であり、またとない大自然の恵み、乙姫様の贈り物と言えるでしょう。

コラーゲンは健康美をつくる

私たちの体は60とも70兆ともいわれる多くの細胞からできています。 これらの細胞を元気に生き生きと育てる土壌の役目をしている母体をマトリックスといいます。 これらの母体の中心的な物質がコラーゲンであり、つぶ状の細胞と細胞の間を埋め尽くしています。 母体を構成しているコラーゲンが不足すると、細胞への栄養や情報の供給が悪くなり、その結果、細胞が弱って病気になりやすくなってしまいます。 細胞を元気にする母体の組成は、コラーゲンの常識
1.1 ゲン以外にも図1に示すように、多糖や糖タンパク、 またそれらの結合体であるプロテオグリカンなどから構成されています。

コラーゲンは体のあらゆる細胞を元気付ける母体であり、したがって、図2に示したように、このコラーゲンが不足すると、体のあちらこちらに異変が生じることになります。逆に消化、吸収性のよい低分子化コラーゲンを摂取することにより、体の多くの故障を治すことが可能になると言えます。 実際、スカール(ウロコ)コラーゲンは単なるコラーゲン分解物以外にも多糖であるキチン質分解物を含み、また抽出過程でこれらが反応して生成する糖タンパクなどの複合体となっている可能性の高い、理想的な細胞を元気付ける土壌ということができるでしょう。 昔から私たち日本人はタンパク質が足りないといわれてきましたが、実はその中でもコラーゲンが足りなかったということが正しいように思います。



コラーゲンの種類

動物コラーゲンと魚のフィッシュコラーゲンは、それぞれの骨、軟骨、皮を原料として得られます。魚だけがウロコをもっているので、特別にスカール(ウロコ)コラーゲンを採ることができます。 さて、表1に示すようにいずれもその構成アミノ酸はほとんど同じですが、コラーゲン繊維の3つ編み構造を保つためのヒドロキシプロリンの量が動物では1つの繊維(1000)中、120位あるのに対して、スカール(ウロコ)コラーゲンではほぼ半分の60と少ない、というちがいがあります。このことは、動物コラーゲンはほどけにくく、したがって食べたり飲んだりしても消化、吸収性に劣るといえます。 しかし、ほどけにくいことは固まりやすい性質でも有り、食品のゲル化剤として利用できるという特典があります。 一方、スカール(ウロコ)コラーゲンは本質的にヒドロキシプロリンの量が少なく、このことは3つ編み構造はほどけやすく、したがって消化、吸収性に優れているといえます。 また、特に含硫アミノ酸の一種であるメチオニンが異状に多く、このことが元気の元になっていると考えられます。 このように、動物と魚由来コラーゲンでは、3つ編みのほどけやすさにちがいが見られますが、この原因はそれぞれの体温が動物では37038℃、魚では809℃と住んでいる環境によって異なることに起因していると考えられます。

表1.動物とスカール(ウロコ)コラーゲンのアミノ酸組成のちがい

ところで、私はフィッシュコラーゲンのうち、スカール(ウロコ)コラーゲンはキチン質を芯とした、いわばコラーゲン・キチン質複合体からなっている特殊な素材であることを見つけました。 このことが、後述するように、スカール(ウロコ)コラーゲンの他にはない優れた特徴となるわけです。 表2にそれぞれのちがいをまとめてみました。

表2.動物とお魚コラーゲンのちがい

ウロコは真皮の成分が変化してできたものですが、その組成のほぼ半分は皮と同じコラーゲンというタンパク質繊維の長い糸が3つ編みに絡まっていて、水に溶けず体の内部を保護しています。 また、残りの半分は私たちの骨や歯の成分と同じハイドロキシアパタイトから成っていて、ほど良い強度を与え、体の保護をしています。

図3.コラーゲン・キチン質複合体のモデル

ところで、ウロコの成分は従来からコラーゲンとハイドロキシアパタイトであるとして知られていましたが、ある種の比較的硬いウロコは、コラーゲンとキチン質(キチン・キトサン)の複合体であることが見い出されました。図3に示すような構造が推定されます。 ただし、ここでいう比較的硬いウロコとは、魚体から人為的に剥ぎとらなければ採れないウロコのことをいいます。 そして、これらの複合体に含まれるキチン質はカニやエビのα-タイプとちがい、イカの背骨と同じ消化、吸収性に優れたβ-キチン質であることもわかっています。 しかし、どちらもとことん分解してしまうと最小単位のグルコサミンという粒になってしまい、まったく同じ性質になります。大きな巨大分子の幹(分子量は300万)であるβ-キチン質にコラーゲン(分子量30万)がつたのように絡まった状態が推定されます。 キチン質は従来から、カニやエビあるいはキノコなどの繊維成分として見い出され、食物繊維として整腸剤、ダイエット剤、またその低分子体はオリゴ糖やグルコサミンとして抗腫瘍性、低コレステロール、関節炎治癒などの効能があるとして主に錠剤タイプで市販されています。

図4に示したように、カニやエビのα-キチン質に比べ、ウロコはイカの背骨と同じくβ-キチン質からできています。これらの共通点は脱カルシウム、脱タンパク処理をしたときに透明体が得られることで確認されます。 β-キチン質は、N-アセチルグルコサン(キチン)やグルコサミン(キトサン)の分子(図中の円)がα-キチン質の交互に連結しているのに対して、同じ側にあるため、立体構造的に不安定となり、このことが連結がほどけやすい原因となり、したがって消化、吸収性に優れることになるわけです。

図4.α-(カニ・エビ)、β-(イカ・ウロコ)キチン質のちがい

★肥満を解消するしくみ

キトサンには脂肪と脂肪を分解する消化液である胆汁酸とを同時に吸着して、体外に排泄する働きがあります。その結果、肥満を解消する効果があるのです。


★便秘を解消するしくみ
腸内の善玉菌がキトサンを食べて増え、悪玉菌を減らすことによって、腸の本来の働きを元気付けます。 また、キトサンは脂肪を分解する胆汁酸が放出する腸壁を傷つけ、腸炎や便秘を招く分泌物を出しにくくし、またこれらの有害物を吸収して体外へ排泄し、腸炎や便秘、さらにはダイエット効果に優れます。

β-キチン質は、野菜と一緒に食べることにより、それらに含まれる酵素の作用で、キトサンに変わりやすくなり、吸収効率が一層アップするといわれています。最近、この特性を利用して図5に示すように、脂肪を分解する胆汁酸(肝臓で体内コレステロールから作られる)や脂肪そのものを吸着、排泄することから、コレステロール値の正常化、あるいはダイエット食材として市販されています。

図5.β-キチン質のコレステロールなどの吸着・排泄機能

コラーゲンと食品との相乗効果

純生20%コラーゲン水溶液のパワー

スカール(ウロコ)コラーゲンの標準は20%水溶液(高圧メガパスカル・触媒法によるHydrolyzed Scale Protein)です。 お魚を煮て冷やすと固まる、いわゆる煮凝りとほぼ同じ成分と考えて下さい。 成人では、1日あたりほぼ20ml飲むことを推奨します。細胞を元気にする栄養源ですが、防腐剤など一切入れていません。 開封するまでは常温でも3ケ月は保存できますが、開封後は必ず、要冷蔵2ケ月以内にお飲みください。また、口飲みなど菌の入るようなことはしないでください。

スカール(ウロコ)コラーゲンは多めに飲んでも体内に蓄積することはなく、自然にバランスがとられ、最終的には窒素分解物として尿や汗となり、体外に排泄されますので安心です。 たとえば、コーヒーのクリープ代わり、ジュース、牛乳、またビール、お酒などのアルコール類にも味を損なうことなく良く合い、さらに飲み過ぎによる二日酔い防止効果も実際に体感することができます。

多くの病気のため多量の薬を飲まれる人には、胃の痛みやもたれ、胸やけにも効果的で、それでいて薬自体の効果に影響を与えません。

図6.スカールコラーゲンの相乗効果

納豆、乳製品で相乗効果は抜群

スカール(ウロコ)コラーゲンの長所として、他の物と一緒に飲んだり食べたりしても細胞の活性化効果は何ら変わりません。むしろ、ヨーグルトや乳酸菌飲料、また納豆などとは極めて高い相乗効果が期待される優れものです。

ヨーグルトやカルピスなどの酸乳中のの血圧降下作用が確認されていますが、スカール(ウロコ)コラーゲンはペプチドそのものであり、一緒 に飲むことにより一層の相乗効果が期待されます。
また、納豆やおからに入れると、これらのペプチドは納豆菌の作用でを作るための助けとなり、骨粗しょう症になりにくいなどの効果が知られています。

スカール(ウロコ)コラーゲンの水溶液は、飲むだけでなく塗ったりスプレーすることで、保湿性を高め、お肌を滑らかにスベスベにし、また紫外線(UV)カット効果によりお肌を直射日光から守ります(この場合、7%程度の水溶液が最適)。
スカール(ウロコ)コラーゲンは図7に示すように、紫外線の310nmに最大吸収ピークをもち、またそれ以下の素肌に最も悪いとされる中波長紫外線(UV-B)を吸収する理想的な特性をもっています。
外出時や、ゴルフ、海水浴などアウトドアースポーツに使用すると、素肌の自然な焼け具合を体感できます。

図7.スカール(ウロコ)コラーゲンの紫外線吸収曲線

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さらに、髪につけてもパーマや特殊なトリートメントなどで傷んだ髪を修復します。 写真1は、抜いた髪の毛をスカール(ウロコ)コラーゲン水溶液に一晩つける前(A)と後(B)の電子顕微鏡観察の写真です。 傷んだ髪はキュウティクルの繊維がとぎれた状態になっていて、またその間隔も広く、いわゆるコシがなくなっていますが、つけた後ではそれらはきれいに修復されています。 また、後述する臨床試験の結果から、スカール(ウロコ)コラーゲンを飲むことにより、つややかな爪や美髪にするアミノ酸として知られるトリプトファンの血中濃度が増加することも確かめられています

写真1.痛んだ毛髪のスカール(ウロコ)コラーゲンによる修復

スカール(ウロコ)コラーゲンの効能

スカール(ウロコ)コラーゲンの効能従来より、コラーゲンは健康食品、化粧品、医薬品などとして研究、開発、市販されてきました。コラーゲンは主として牛、豚、鶏などの動物を素材として製造されてきましたが、これら動物については近年、狂牛病、プリオン病などの伝染、感染性の問題からその安全性に疑問が生じてきました。 スカール(ウロコ)コラーゲンは動物由来と異なり、感染性のない安全性の高い健康食品として既に市販されています。
現在に至るまで、試飲者の「魔法の薬」ともとれる評価に対して、そのアンケート調査結果の安全性と有用性の真実を見きわめ、実証するために、以下のような条件で臨床試験を実施しました。

スカールコラーゲン服用量と期間

対象ボランテアは治療を要する疾患のない、男性4例、女性15例で、19例の平均年令は32.8才です。 スカール(ウロコ)コラーゲン10%水溶液(分子量3千万)を1日30mlをフリータイムで、1回あるいは適当に分けて飲むようにしました。 服用期間は2ケ月とし、服用前、2週間後、1ケ月後、2ケ月後の計4回の採血を含む臨床検査を実施しました。 検査、評価項目は以下のようです。

質問表による自覚症状発現の有無
末消血液所見
肝機能、腎機能、膵機能、電解質及びその生化学的検査
血漿アミノ酸分析
●研究責任者
鳥取大学医学部保健学科
医博 前田 迪郎 教授

●共同研究者
(有)ルウ研究所
工博 石塚 庸三

服用にともなう末梢血液所見、肝機能、腎機能、膵機能、電解質、その他の生化学的検査の結果、服用による特異的な影響は見られず、スカール(ウロコ)コラーゲンの安全性が確認されました。スカール(ウロコ)コラーゲンは服用することで、試飲前に比べ2週間後には血中のほとんどのアミノ酸濃度を増大させる機能が認められました。 図8に示したように、2週間後には血中濃度は最大15-24%の範囲で増加しますが、その後1ケ月まではいずれも減少。

図8.必須アミノ酸の血中濃度

図9.ヒドロキシプロリン系列の血中濃度

図10.タウリン系列の血中濃度

特異的なのは、細胞や皮膚の再生にかかわるヒドロキシプロリンは2週間後に試飲前の24%も急増するものの、1ケ月後にはまったく検出されないことです。 この結果から、ヒドロキシプロリンは2週間で血中濃度が最大になった後、1ケ月以内で皮膚再生などに利用され消費、消失してしまうことが推定されます。 この結果は、スカール(ウロコ)コラーゲンを1ケ月も飲み続ければ新しい真皮の再生によるシミ、シワ、クスミなどがなくなってくる試飲者の体験を裏付けています。

図11.トータルアミノ酸などの血中濃度

また、ヒドロキシプロリンの一連の前駆体であるアルギニン、グルタミン酸、します。それ以降徐々に増大していくIタイプ(タウリン、トリプトファンなど)あるいは減少していくDタイプ(アルギニン、プロリンなど)の2系列のアミノ酸グループのあることがわかりました。
必須アミノ酸、たとえばロイシン、リジン、バリン、フェニィルアラニンなどに限っても、I、D両タイプが見られました。

また図9、10に示したように特にタウリン、ヒドロキシプロリンの増大がいちじるしく、他にメチオニン、スレオニン、オルニチン、プロリン、グリシン、α-アミノ酪酸、イソロイシン、トリプトファン、アルギニンなどが増加しています。
プロリンはこの期間まだ減少しているものの、これらの最初の前駆体であるオルニチンはすでに1ケ月後には増大傾向を示しています。
このことは、次のヒドロキシプロリンの再生のための準備がすでになされ始めているように考えられます。
一方、スカール(ウロコ)コラーゲンの構成アミノ酸として、タウリン、α-アミノ酪酸、オルニチン、トリプトファンなどは存在していません。 にもかかわらず、スカール(ウロコ)コラーゲンを飲むことによってタウリンやトリプトファンなどの健康作りに必要なアミノ酸が、その代謝系で生合成されているということは、大変興味のある事実だと思います。

そして、図11に示したようにもともと存在しないこれらのアミノ酸は、2週間後に最大濃度となり、1ケ月後には徐々に増大していくIタイプの構成アミノ酸の系列に分類されることもわかりました。
全体的な視点で、食物からしか摂取できないアミノ酸の和/EAA(必須アミノ酸)、食物でとらなくても体内で合成されるアミノ酸の和/NEAA(非必須アミノ酸)、分枝鎖アミノ酸の和/BCAAおよびトータルアミノ酸の和(TotalAA)のいずれについても、2週間後に最大となり、1ケ月後には徐々に増大するIタイプとして確認されました。
アミノ酸のほとんどは肝臓で代謝されますが、分枝鎖アミノ酸(BCAA)は、肝臓では代謝されずに、筋肉、脳、脂肪などで利用、代謝されることが知られています。

いずれにしてもこれらの結果から、服用されたスカール(ウロコ)コラーゲンの成分は消化管を通して消化、吸収され、細胞の活性化に利用されていることが実証されました。
このように、スカール(ウロコ)コラーゲンを飲むことによって、体内のほとんどのアミノ酸合成やその血中への放出が活発になるということは驚異としかいいようがありません。

 

図12.プロリンからヒドロキシプロリンができる過程

タウリン:牛の胆汁、貝、イカ、タコ、カキなどの軟体動物の肉エキスの主成分(通常、元気の元とか疲労回復効果があるとして認められている)で含硫黄アミノ酸の一種です。NH2-CH2-CH2-SO3H

さて、スカール(ウロコ)コラーゲンには含まれていないタウリンがどのようにして体内で作られるのか、興味があるところです。
動物由来に比べてスカール(ウロコ)コラーゲンは、含硫アミノ酸であるメチオニンを506倍含んでいます。しかし、この硫黄がタウリンの生合成に使われるとは考えにくいのです。その理由はこのメチオニン自体も2週間後には増加しているからです。
食物から摂取された硫黄を利用して体内に貯えられていたタウリンが血中に放出されると考えるのが自然でしょうが、詳しいことは今後の研究に待たれます。

ところで、服用2週間後に著しく増加するタウリンは海のミルクともいわれる牡蠣には多量に含まれている成分であり、以下のような効能が知られています。 タウリンの効能は、肝臓疾患の回復、血中コレステロールの低下、心臓疾患の予防、精力増強、神経系修復などがあげられます。 肝臓病の多くはアルコールの飲み過ぎからきていますが、メチオニンやタウリンの含硫黄アミノ酸はアルコールの解毒作用をはじめ、慢性肝炎、ウイルス性肝炎などの肝疾患にも効果が認められています。 また、皮下のメラニン色素を分解する作用もあり、美白効果も抜群です。 さらに、タウリンの血中コレステロールの低下作用は、中性脂肪の上昇を押さえ、血管の劣化や動脈硬化も防ぎます。 血液をサラサラにすることで、狭心症、心臓病、脳血栓、脳硬塞なども予防します。 実際、これらの裏付けとしてスカール(ウロコ)コラーゲンのいままで千人以上の試飲者の調査結果の傾向をみると、疲れにくくなった、二日酔いしなくなった、良く眠れるようになった、肌が白くなってきた、コレステロール値、血圧、血糖値などの内臓医療データが好転してきたなどの回答とよく符号し、大変興味のある結果だと思います。 オルニチン:スカール(ウロコ)コラーゲンの成分アミノ酸としては見い出されていませんが、オルニチンサイクル(高等物における尿素生成に関する一連の反応回路)生体内代謝により、アルギニン、グルタミン酸、プロリン、ヒドロキシプロリンになります。 チロシジン、グラミシジンSなどの抗生物質のアミノ酸として存在しています。 NH2-CH2-CH2-CH2-CH-COOHヒドロキシプロリン:コラーゲンを特徴付けるヒドロキシプロリンはプロリンから作られることがわっています。 プロリンからヒドロキシプロリンが生合成されるメカニズムを見てみましょう。 プロリンのヒドロキシル化反応は、図13に示したようにプロリンが必要に応じてタンパク質の糸であるペプチド鎖に組み込まれた後で起こることがわかっています。専門的には翻訳後、修飾と言うことになります。 コラーゲンはビタミンC(アスコルビン酸)と一緒にとると吸収がよいといわれています。 しかし、皮膚や肌の成分になるためのヒドロキシプロリンを作るには、それ以外にも酸素、鉄、α-ケトグルタル酸、さらにはプロリルヒドロキシラーゼという酵素の素材がそろって、はじめて生合成されるといえます。 ヒドロキシプロリンは、細胞の再生、素肌の再生、創傷効果などがあるとして知られています。参考までに図12にスカール(ウロコ)コラーゲン水溶液を用いたチャイニーズマウス(CHO)の細胞増殖曲線を示しました。 5%水溶液でも細胞増殖効果があることが確認されています。

図14.スカール(ウロコ)低分子化処理コラーゲン中に含まれるグルコサミン

コラーゲンの3つ編み構造を解きほぐし、その糸を2つか3つ位に切った状態のものをゼラチンといいます。 動物由来のゼラチンは分子量が405万程度で凝固性がありますが、さらに小さく切って、3千02万程度にしたものは凝固性がなく、また消化、吸収性も向上します。 これらをコラーゲンペプチドといいます。 スカール(ウロコ)コラーゲンは分子量3千01万4千程度で非凝固性ですので、ペプチドに相当します。 スカール(ウロコ)コラーゲンの効能は、大別して3系列あるといえるでしょう。

(A) ヒドロキシプロリン系列皮膚の基底層を支える真皮層のコラーゲン合成を促進し、表皮の代謝が活性化される、いわゆる皮膚のターンオーバー化現象として知られています。 細胞増殖や皮膚の再生の主役はヒドロキシプロリンなのですが、この代謝系にはヒドロキシプロリンを作るためのグリシン、オルニチン、アルギニン、グルタミン酸、プロリンなどのアミノ酸が関係していて、実際スカール(ウロコ)コラーゲンを飲むと2週間後にはこれらのアミノ酸の血中濃度が増加し、素肌の滑らかさやしっとり感などが体感できます。 コラーゲンペプチドのアミノ酸の1/3を占めるグリシンは皮膚の保湿性の指標である角質層水分含有量を高めることが知られています。

(B) タウリン系列コラーゲンペプチドの代謝による含硫黄アミノ酸であるメチオニンやタウリンの生合成は既に述べましたように、肝臓や心臓病などを予防し、消化管粘膜保護作用、昇圧物質アンジオテンシン変換酵素阻害作用、骨粗しょう症治癒など、私たちを疲れを知らない元気な体に作り変えてくれます。

(C) キチン質の分解物グルコサミンの作用忘れてならないのは、スカール(ウロコ)コラーゲンは単純なコラーゲンではなく、コラーゲン・キチン質複合体ということです。 キチン質の最終分解物をグルコサミンといいますが、スカール(ウロコ)低分子化処理コラーゲン水溶液には図13に示したようにグルコサミンが入っていることがHPLC(高速液体クロマト)により確認されています。 魚種によって異なりますが、キチン質の状態でコラーゲンのほぼ10%程度の割合で含まれています。

 細胞をいきいき活性化するには、細胞を支えるその土壌に栄養を与える必要がありますが、コラーゲンだけではどうしても不足なのです。 アミノ糖であるグルコサミンやオリゴ糖(グルコサミンが506ケつながったもの)などがあると鬼に金棒です。 アミノ糖を含むスカール(ウロコ)コラーゲンの特徴は、コレステロールの正常化、抗腫瘍性をはじめ、ひざや腰痛、肩凝りなどの関節痛にいちじるしい効果が見られることです。 その原因は他の多くの市販商品と異なり、その成分がコラーゲン・キチン質複合体であることに他なりません。 一例として、スカール(ウロコ)コラーゲンを1ケ月近く20030程度服用した胃孔壁付近に潰瘍のある患者さんの服用前後の内視鏡観察による該当部位を写真2に示しました。

見事に腫瘍が跡形もなく消えていることがわかります。 これらの効能はコラーゲンペプチドとキチン質分解物複合体の相乗効果の賜物と考えられます。 その他、複合体の特徴を生かして、従来の動物ゼラチンを利用したカプセルに代わり、スカール(ウロコ)コラーゲンの固形体を各種医薬品のカプセルとして使うことで、単なる容器機能から栄養機能、生体調製機能材料としても期待されます。 また、高齢化により今後多発すると推定される、床擦れによる患部の修復剤などへの利用も検討すべき課題だと考えられます。

写真2.スカール(ウロコ)コラーゲンを服用して1ヶ月足らずで胃壁の潰瘍が消失した患者の内視鏡写真