また、ヒドロキシプロリンの一連の前駆体であるアルギニン、グルタミン酸、します。それ以降徐々に増大していくIタイプ(タウリン、トリプトファンなど)あるいは減少していくDタイプ(アルギニン、プロリンなど)の2系列のアミノ酸グループのあることがわかりました。
必須アミノ酸、たとえばロイシン、リジン、バリン、フェニィルアラニンなどに限っても、I、D両タイプが見られました。
また図9、10に示したように特にタウリン、ヒドロキシプロリンの増大がいちじるしく、他にメチオニン、スレオニン、オルニチン、プロリン、グリシン、α-アミノ酪酸、イソロイシン、トリプトファン、アルギニンなどが増加しています。
プロリンはこの期間まだ減少しているものの、これらの最初の前駆体であるオルニチンはすでに1ケ月後には増大傾向を示しています。
このことは、次のヒドロキシプロリンの再生のための準備がすでになされ始めているように考えられます。
一方、スカール(ウロコ)コラーゲンの構成アミノ酸として、タウリン、α-アミノ酪酸、オルニチン、トリプトファンなどは存在していません。
にもかかわらず、スカール(ウロコ)コラーゲンを飲むことによってタウリンやトリプトファンなどの健康作りに必要なアミノ酸が、その代謝系で生合成されているということは、大変興味のある事実だと思います。
そして、図11に示したようにもともと存在しないこれらのアミノ酸は、2週間後に最大濃度となり、1ケ月後には徐々に増大していくIタイプの構成アミノ酸の系列に分類されることもわかりました。
全体的な視点で、食物からしか摂取できないアミノ酸の和/EAA(必須アミノ酸)、食物でとらなくても体内で合成されるアミノ酸の和/NEAA(非必須アミノ酸)、分枝鎖アミノ酸の和/BCAAおよびトータルアミノ酸の和(TotalAA)のいずれについても、2週間後に最大となり、1ケ月後には徐々に増大するIタイプとして確認されました。
アミノ酸のほとんどは肝臓で代謝されますが、分枝鎖アミノ酸(BCAA)は、肝臓では代謝されずに、筋肉、脳、脂肪などで利用、代謝されることが知られています。
いずれにしてもこれらの結果から、服用されたスカール(ウロコ)コラーゲンの成分は消化管を通して消化、吸収され、細胞の活性化に利用されていることが実証されました。
このように、スカール(ウロコ)コラーゲンを飲むことによって、体内のほとんどのアミノ酸合成やその血中への放出が活発になるということは驚異としかいいようがありません。