シリンダー・鍵(キー)のお手入れ方法(暫定版)
玄関錠や車など、鍵は身近で必要不可欠な存在です。
でも使っているうちに
「鍵が回らない」「なんだか動きが重い」
といった、ほんの違和感から始まるトラブルもつきものです。
でも、ほんのちょっとお手入れをすることで劇的に改善する場合もあります。
鍵のことでストレスを感じている方は一度お試しください。
冬場の凍結トラブルを追加しました。
       
鍵穴の抜き差しがスムーズじゃない
鍵の回転が重い、ひっかかる、回らない
■まず試してみよう
合鍵(子鍵)を差し込む前に、子鍵と鍵穴の掃除を試してみましょう。
子鍵は歯ブラシなどで表面と刻み部分(山、谷になっている部分)を丁寧に磨きます。
鍵穴は掃除機などでホコリや汚れを吸い取ります。
どちらもを水を使わず乾燥した状態で掃除してください。
これだけで症状が改善する場合もありますが、まだ動きが悪ければ注油をしてみましょう。

実際に注油してみる (`・ω・´)
■鍵穴用潤滑剤を使う
キタカジで取り扱いしている鍵穴専用潤滑スプレー3069を注油し、鍵を鍵穴に挿入して数回抜き差ししてください。
この商品は吹いた瞬間は液体状ですが、乾燥すると粉状(パウダー)に変わるのでホコリなどを吸いつけず、重力で垂れないので長期間鍵穴に残ります。
ただパウダーでも油には違いないので、服につくとなかなか落ちませんから余分な汚れはキレイに拭きとってください。
■潤滑剤がなかった!!
スプレーないよ!! でも急いでるよ!! という場合の応急処置として、子鍵の全ての刻み部分(山、谷になっている部分)を鉛筆の黒芯でなぞるように黒く塗ってから鍵穴に挿入して数回抜き差しして動作を確認します。
まだスムーズでない場合は何度か繰り返してみてください。

鍵の形が凹に穴が開いているタイプ、細長い溝が走っているタイプは、その凹みや側面をグリグリ塗って下さい。
これは黒鉛(グラファイト)が潤滑剤の代わりとなるためで、4B等のB番号の大きい鉛筆(黒鉛含有率が高い)を使うと良いそうです。(Wikipediaより一部抜粋)
これでスムーズに動くようになれば鍵穴の油が切れています。
ただしあくまで応急処置なので、これで鍵が回るようになったら鍵穴用潤滑剤を注油して下さい
鉛筆を使い続けると芯が減るのは勿論、黒く汚れてしまいます。
なにより面倒くさいです。
注油の際、これは絶対にやっちゃダメ!! (´・ω・`)
■動きが悪いならグリスだぜ!
…というのは 絶 対 に やってはいけません!!
鍵穴に市販のCRCやクレ5-56、グリスなどは注油しないでください。使った直後はスムーズに動いても油分(水分)が埃を吸い付けて動きが悪くなります。
潤滑油の成分によってはすでに鍵穴内にあった潤滑剤を溶かしてしまうこともあるそうです。

粘性の高いグリスは使えば使うほど鍵穴の中に詰まってしまい、動きが大変悪くなってしまいます。ホコリやゴミなどが入るとくっついてしまい取れなくなることも。
鍵穴は思った以上に精密にできているので、最悪、鍵が回らなくなってシリンダー交換になっちゃう可能性が…。(´・ω・`)

注油したら鍵がスムーズに回るようになった!! (・∀・)
■原因は「鍵穴の油切れ」です!
注油で鍵がスムーズに回るようになったのなら「鍵穴の油切れ」が原因なので、鍵穴専用潤滑スプレー3069をこまめに注油するようにしてください。使用状況にもよりますが、数ヶ月に1回「シュッシュ」程度でも製品寿命が伸びるんですよ。
かと言って使いすぎるのも動きが悪くなるので「あ、ちょっと動きが鈍いかな?」と思った時に、入れ過ぎないように注油して下さい。
       
注油したよ!!
でもひっかかるよ、回らないよ!! (´・ω・`)

■しっかり注油したのにまだおかしい…
という場合は大きく分けて3つの原因が考えられます。
●原因(1) 使っている鍵が摩耗している
●原因(2) 摩耗した鍵から作ったコピー(合鍵)を使っている
●原因(3) その他

原因を考えてみる
■原因(1) 使っている鍵が摩耗している
まず大切なことを一つ。
「鍵は消耗品です!!」
鍵は使っているうちにどんどんすり減っていきます。お手持ちの車の鍵などを見ると、角が丸くなってたりしませんか?
 
鍵は精密な構造をしているため、摩耗した鍵を使い続けると回りにくくなり、ひどければ全く回らなくなることもあります。
無理に回そうとすると鍵が曲がったり折れたり等破損の恐れがあります。
「鍵って鉄やステンレスでできてるのに?」
と思いますが、「てこの原理」を使えば鉄でもステンレスでも簡単に曲りますし、折れます。女性や子供の力でも、折れます。
もちろん鍵にも懐にも大ダメージで心も折れます
同じ理由で、曲がっていたりヒビが入っている鍵は早急に合鍵を用意したほうが無難です。鉄などは曲がり癖がついてしまうともうダメです。今は大丈夫でもいずれ呆気なく折れてしまいます。
急いでいる時や焦っている時ほど折ってしまいます。
マーフィーさんはいつも貴方を見ているんですよ?(※)
ちなみにトヨタ社のランクルやセルシオ、クラウンなどで使われている内溝キー、厚みもあって一見丈夫そうですが鍵穴の中でぽっきり折れていたことがあるので過信は禁物です!
(※)マーフィーの法則ってご存じですか?
■原因(2) 摩耗した鍵から作ったコピー(合鍵)を使っている
「合鍵製作」はあくまで「コピー」なので印刷のコピーと同じく繰り返すと精度が落ちて回りにくくなります
また、「鍵が回りにくくなってきた」から合鍵を作っても摩耗した形のままコピーされるので意味がありません
合鍵を作る時は新しい状態からコピーするのが望ましいので、オリジナルの子鍵はなるべく使わないように置いておき、それから作成した合鍵を使うようにしましょう。
そんなの面倒くさい?
あとで大枚はたいて深夜に鍵屋さんを呼ぶ事態を考えれば、数百円払って未然に防いだほうが家計にも精神的にも優しいんですよ。
マーフィーさんはいつでも貴方のそばにいるんですから。(※)
(※)マーフィーの法則って(略
■原因(3) その他の原因
鍵穴ではなくドア自体に不具合がある場合もあります
開き戸はラッチボルト (ノブを回すと出たり引っ込んだりするツメ。ラッチとも) とデッドボルト (カンヌキ) が、ドア枠側のストライク (穴) とずれている場合。
引戸は、手前と奥の鍵の位置がずれている場合などです。
扉を軽く持ち上げたり傾けたら鍵が回る、という場合はこの位置がずれている可能性が高いです。が、こればかりは鍵に油を注したりしても直しようがないので、お近くの鍵屋さんか大家さんに連絡してください。
下手に分解などすると戻せなくなることもあるので、くれぐれもご注意下さい。
(´・ω・`)

(3)はともかく、(1)や(2)でも
鍵交換するしかないの…? (´;ω;`)




メーカーから取り寄せるという
方法があります!!(・∀・)

メーカー手配が可能な鍵であれば純正キーの取寄せが可能です。メーカー純正品なので精度も高く、合鍵で起こりがちな上記のトラブルもありません。
キタカジでは美和ロック(MIWAの刻印がある鍵)を取り扱いしています。
またYKKやトステム(TOSTEM)などでも美和ロックの鍵が使われているので、その手配も可能です!
純正キーでも調子が悪い場合はシリンダー本体の問題と考えられますので、シリンダー交換もオススメです。
(建てつけの問題も考えられますので必ずご確認下さい)
よくわかんない? という方はお気軽にご相談ください♪
お問い合せはこちらからどうぞ
オマケ(1)
寒くなったら鍵が回らなくなった!!
■気温が下がった時(0℃以下)に鍵が回りにくい、回らない。
鍵穴またはケース(錠前本体)が凍結している恐れがあります。鍵は風雨に直接さらされることも多く、雨や雪が入り込んで凍ってしまうこともよくあります。
こんな時は慌てず騒がず解氷剤を試してみます
鍵穴にノズルを差し込み、十分に吹き込んでから鍵が回るかどうか確認してください。
回るようになればとりあえず大丈夫ですが、念のため解氷剤が抜けきった後に鍵穴専用潤滑剤を注油しておいたほうが良いですね。
解氷剤を使っても回らない、回りにくい場合は以下の原因が考えられます。
●鍵穴でなくケースが凍っている

ドアのすき間から錠前内部に浸水して凍る、温度差による湿気がドア内部にたまって錠前に付着して凍る等の原因が考えられます。どちらも日中気温の高い時に水が入り込むのが原因のため、それを防止することが大切です。
または鍵穴以外にも、ラッチやデッドボルトのすき間から鍵内部に鍵用潤滑剤を十分吹き付けることで簡易的な凍結防止にもなります。
万が一凍ってしまった場合は、ドライヤー等でケースの金属部分をあたためることで解かします。
問題は外出時など閉めだされた時ですが、この場合は無理をせずお近くの鍵屋さんを呼んだほうが間違いありません
●凍結以外が原因
潤滑剤が足りなくなって動作が鈍い、動作しない場合。
または内部部品の破損などで動かなくなった場合があります。
凍結時期と重なると判断が難しいですが、この場合も素直にお近くの鍵屋さんを呼んだほうが間違いありません
どの場合でも絶対にやってはいけないのが強引に鍵を回すことで、焦ってガチャガチャやってる内に簡単に折れてしまい事態を悪化させてしまいます。ですので、余程の自信がない限りは専門家に任せたほうが余計な出費がかからず短時間で解決する(かも知れない)ので強くオススメします。
なお、凍結が原因かどうかの判断材料の一つとして「鍵穴(錠前)自体のトラブルの場合、必ず前兆がある」というものがあります。
寒くなる前にも「ん?」と違和感がある場合は故障やトラブルの前兆なので、放置せず鍵屋さんに見てもらったほうがトラブルを未然に防止することができますよ。