スエードとヌバックの違いとは？
起毛皮革あれこれ。

スエード、ヌバック、ベロア、バックスキン・・・いろいろあります起毛皮革。 それぞれの違いをご存知でしょうか？
そもそも「革」「皮革」とは、動物の「皮膚」をなめしたもので、体毛を取り除いたもの。体毛があるものは「毛皮」と呼ばれます。
起毛皮革の毛とは、もともとの動物の体毛ではなく、 皮革の繊維をやすりなどで起毛加工し、毛羽立たせたものです。
この起毛加工をする革の「面」によって、起毛皮革の名称が違ってきます。

●スエード/ベロアとは

スエード（スウェード、suede）はスウェーデン発祥の皮革。 その名のとおりスウェーデンが語源でもあります。
スエードとは、牛や羊の皮革の「裏側（内側、肉面）」を起毛加工したものです。
肉面からの方が毛足を長く加工することができ、ヌバックに比べ柔らかいのが特徴です。
特に毛足が長いものはベロアと呼ばれます。

●ヌバックとは

ヌバック（Nubuck）は、Nu（New、新しい）Buck（雄鹿）が語源とされています。
本来は鹿の「表側（銀面、外側）」を起毛加工したものですが、 牛や羊など全般でも、皮革の「表側（銀面、外側）」を起毛加工したものは ヌバックと呼ばれています。
外側からの方が毛足は短いながら革を厚めに加工することができ、 また、キメ細かい加工をすることができます。
オイル加工したものはオイルヌバックとも呼ばれ、 丈夫で傷が目立たないため、アウトドアシューズなどにも使われています。
>>オイルドレザーのケアはこちら

●バックスキンとは

バックスキンはBuck(雄鹿) Skin（皮革）が語源です。
海外では単に鹿革や、馬の河原毛（黄色っぽい毛、亜麻色の毛）のことを指しますが、日本では起毛皮革全般やスエードのことをバックスキンと呼ぶことがあります。 Back Skinは誤りで、「裏面を加工した起毛皮革」と誤解されがちです。

オイルドレザーを除き、基本的にどの起毛皮革も、ケアの方法は変わりません。
起毛皮革もスムースレザー同様天然皮革ですので、栄養分が必要で、定期的なケアが必要です。

スエードやヌバックの靴を長く履くには？
寿命を延ばすお手入れの基本3つ。

1.履いたらブラッシングを

日常のお手入れでブラッシングを心がけましょう。
普段ほこりや汚れを払い落としていれば、ブラッシングだけで十分ケアにでき、寿命もうんと延びます。

2.栄養が抜けてきたら
　栄養補給＆色抜けには補色も

スエードやヌバックなどの起毛革もスムースレザー同様、天然皮革ですので、栄養分が必要です。
素材に栄養を与えることで、柔軟性や潤いを保ち、その美しくシルキーな毛並みの上質感を保ちます。
また、ケアをすることで汚れをつきにくくし、防水力が増します。
スエード専用スプレーでは補色もできますので、色抜けにも対応できます。

3.防水スプレーで雨や汚れを防ごう

起毛皮革は栄養が足らないと汚れや雨を弾くことができず、 雨シミなどになってしまいがち。
そのため “スエードなど起毛革は雨に弱い”というある種の定説まであります。
しかし、防水スプレーできちんとケア、防水加工をすれば、起毛で表面張力が働き、雨などの水滴が革の内部に染み込みにくくなります。雨が多いはずのイギリスで、耐久性も求められるカントリーシューズの代表例が茶色のスエード靴であることが、 それを物語っています。