抱き枕とは、抱きつきながら眠ることができる枕で、主に1mほどの長さがある大きなものです。
「抱き枕」と「枕」は、同じ枕という名前ではありますが、根本的に用途は異なります。
枕は、就寝時に布団と頭の隙間を埋める寝具であるのに対し、抱き枕は、就寝時に枕や寝姿勢をサポートする補助寝具として主に使われています。
抱きつきながら眠ることにより、「安心感」を得られると言われています。
人は生まれる前、お母さんのお腹のなかで過ごします。このときの姿勢を胎児姿勢といって、何かを抱き抱えているかのように丸くなった姿勢になっています。
抱き枕を使用することで胎児姿勢を自然に保ち、無意識に母親のお腹の中にいた頃のような「守られている安心感」を感じ、ぐっすり眠れるとも言われています。
横向き寝をサポートする抱き枕
妊婦さんをサポートする抱き枕
鼾(いびき)を軽減するための抱き枕
抱き枕は、その名の通り、抱きつきながら使う枕です。
しかし、抱き枕は常に抱きついている必要はありません。
「無意識」の世界に身を任せ、自分が使いやすいように自然に使えばいいのです。
抱き枕は、寝姿勢によって、適切な形や素材が異なります。
寝姿勢別に適切な抱き枕をご紹介させていただきます。
また、形や素材などについても詳しくご説明させていただきますので、しっかり勉強してみましょう!
「仰向け寝」上を向いて眠る
「横向き寝」横を向いて眠る
「うつぶせ寝」下を向いて眠る
「胎児姿勢寝」横になって丸まって眠る
楕円形・ロング枕タイプ
円筒形・円柱形タイプ
流線形・人形(ヒトガタ)タイプ
三日月形・バナナ形タイプ
L字形・9字形タイプ
キャラクター形・動物形タイプ
特徴 わた状の人工繊維。わたのような素材で、クッション性があり、枕やクッションの定番素材です。ふんわりとした感覚で、柔らかめの枕が好みの方におすすめです。 |
良いところ ふわふわと柔らかく、ボリューム感もあります。またクッション性に優れ、軽量・安価な素材として重宝されています。 |
悪いところ 使用しているうちに、弾力性が失われ、ボリューム感がなくなってきます。またホコリなども溜まりやすい素材です。 |
水洗い 水洗いはできません。ただし、一部商品は水洗いができるよう、特殊加工をしています。 |
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特徴 羽根素材は、水鳥の羽根を採取して、洗浄・消臭を施した天然素材です。独特のふんわり感、高級感があります。ふんわり柔らかい寝心地です。 |
良いところ 通気性も良く、吸湿・保温・発散性に優れているので、冬は温かく、夏は涼しいという天然素材ならではの利点があります。 |
悪いところ 安価なものは、羽根素材独特の臭いがあるものもあります。また、羽根に骨があるため、枕の中から素材がでてきてしまったりすることがあります。 |
水洗い 水洗いはできません。 |
特徴 まるでマシュマロのようなスポンジ状の素材です。ゆっくり沈み、ゆっくり戻る、独特の触り心地でいま人気になっています。元々は、NASAのスペースシャトルの宇宙飛行士のために開発されました。 |
良いところ 柔軟性に優れており、利用する方の体型や寝姿勢に合わせて形状を変えるので、フィット感があります。また体圧分散効果もあり、負担を軽減させます。 |
悪いところ 寒くなると硬くなる特性があります。逆に夏などは熱がこもりやすく、ムレやすいという難点があります。最近ではこれらを改良した素材も登場しています。 |
水洗い 水洗いはできません。 |
特徴 スノー低反発素材は、ウレタンを細かく粉砕した素材です。まるで雪のようなスノー低反発は、その素材を握ると、ギュッと小さくまとまり、そしてゆっくりと元の大きさに復元するユニークな素材です。 |
良いところ ウレタン素材の特徴であるモチモチ感を出しながら、羽根枕のようなふんわり包み込まれるようなフィット感を実現しました。低反発素材に比べて、通気性もあります。 |
悪いところ 素材がかたよってしまったり、くっついてしまい、スノーのようなサラサラ感が徐々に失われます。寒いと硬くなってしまう素材です。また、初期はウレタン素材独特の臭いがします。 |
水洗い 水洗いはできません。 |
特徴 超極小の発砲ビーズ素材。発泡スチロールを小さく粒にしたような素材です。独特の触り心地で、クッションや癒し系グッズでも幅広く使われています。 |
良いところ なんと言っても、独特の触り心地。ビーズが不思議な感触を生み出します。また、超極小なため柔軟に変形します。 |
悪いところ 一部改良されたものもありますが、熱がこもりやすい素材です。流動性があることにより、安定感がないと感じる方もいます。 |
水洗い 水洗いはできません。ただし、一部商品では水洗いが可能です。 |
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抱き枕の硬さは形状や中素材によって様々ですが、硬さによって下記のような特徴があります。
硬め
主に寝姿勢をサポートする抱き枕として使われることが多く、ぎっしり詰め込んだポリエステルわた素材や低反発ウレタン素材が利用されます。
柔らかめの場合、側生地は伸び縮みしない綿生地や厚めの生地を使用し、硬さを作り出しています。
柔らかめ
主にリラックスや癒し系の抱き枕として使われることが多く、超極小ビーズ素材や
羽根素材が利用されます。
また柔らかめでも、寝姿勢をサポートする目的のものもあります。
柔らかめの場合、側生地は伸び縮みのするニットや綿生地を使用し、柔軟性を作り出しています。
抱きついて使うため、通気性は重要になります。
夏場の注意点
特に夏場に抱きついて眠ると、暑苦しく感じてしまい、リラックスできない状態になってしまいます。
抱き枕の素材上、どの素材でも熱はこもりやすくなっています。
しかしながら、生地やカバーを工夫することにより、熱を逃がす対策がされている場合が多く、夏場でも涼しくひんやり使えるものもあります。
籐や竹素材の抱き枕は、通気性が良く夏場は人気です。
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冬場の注意点
冬場であれば、抱きつくことにより熱を溜め込め、ポカポカ暖かく眠ることができますが、あまり大きすぎる抱き枕を使用すると、かけ布団からはみ出てしまい、逆に冷気が布団内に侵入してしまうことがあります。
抱きついて使う分、香りは気になります。
抱き枕本体に香りを付けたり、またアロマポケットを付け香りを楽しめる抱き枕もあります。お好みの香り袋を使ったり、香水をかけたりして、利用するのもいいかもしれません。
なお、中素材によっては、嫌な香りがすることがあります。
羽根素材であれば、独特の羽根の臭いがします。また低反発ウレタン素材も化学薬品のような臭いがすることがあります。ただし、これらの臭いは時間が経つにつれ、徐々に抜けていきます。
抱き枕の場合、寿命という考えはあまりありません。
壊れるまで、破損するまで使えるということですが、抱き枕の使い方によっては、かなり負担がかかります。
全体重がかかったり、また折り曲げたり、想定以上の負担がかかることがあります。そのため、中素材が出てきてしまったり、縫製の糸がほつれてしまったりすることがあります。
また、使用しているうちにどうしてもボリューム感は無くなっていってしまいます。これはどのような商品でも同じですが、へたれてきてしまい、ペッチャンコになってしまうこともあります。
抱きついて使うため、常に清潔にしておく必要があります。
抱き枕本体が水洗いできるようであれば、定期的に水洗いをするようにしましょう。
また抱き枕カバーが取り外しできる場合は、できるだけ頻繁に水洗いをするようにしましょう。
抱き枕カバーの洗い替え用も予め用意しておくことをオススメします。
もし水洗いできない抱き枕の場合は、取扱説明書に則ったメンテナンスを確実に行うようにしましょう。
低反発ウレタン素材の場合は、できるだけ陰干しを、
羽根素材やポリエステルわた素材の場合は、できるだけ天日干しをするようにしましょう。
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価格は、2,000円~25,000円と幅広くなっています。
国別で見ると、やはり中国製が安く、日本製が高くなっています。
素材別で見ると、ポリエステルわた、
羽根、超極小ビーズ、低反発ウレタンの順で価格が高くなっていきます。
形状別で見ると、楕円(だえん)形・ロング枕タイプ、三日月形・バナナ形タイプ、円筒形・円柱形タイプ、流線形・人形(ヒトガタ)タイプ、キャラクター形・動物形タイプ、L字形・9字形タイプの順で価格が高くなっていきます。
なお、上記の価格順はあくまで目安です。商品によっては前後左右することがありますので、あらかじめご理解・ご了承の程よろしくお願いします。
一般的には、商品ごとに専用の抱き枕カバーが用意されています。
抱き枕は、形状やサイズが特殊なため、市販のカバーで代用することができない場合が多くなっています。
専用カバー以外を購入してしまうと、形状やサイズが合わないため、使えないこともありますので、購入時は注意が必要です。
購入店で、抱き枕と一緒に洗い替え用・追加用をご購入することをオススメします。
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抱き枕カバーとしては、上記の替えカバーのようなものだけでなく、アニメやキャラクター、萌え系などのプリントされた抱き枕カバーも存在します。
というよりは、こちらの方が主流であり、「抱き枕カバー」としては、こちらの方が一般的に多く使われています。
アニメやキャラクター、萌え系、アイドル等が印刷・プリントされた抱き枕カバーを別売の抱き枕中身に装着し、等身大抱き枕として楽しむというものです。
最近では、生地へのプリント技術も進歩し、転写式プリント以外にも大型インクジェットによるプリントなど品質も日々進化していっています。
このような抱き枕カバーが、市場や技術を牽引しているのも事実です。