■恵まれた気候で発生
大分県の気候は、内陸型気候・準日本海型気候・山地型気候・内陸型気候・南海型気候に分けられますが、海岸から1,791mの高山まで変化に富んだ地形で、昔からしいたけが自然に発生できる気候であったと考えられます。常緑広葉樹の暖帯林からブナやミズナラの温帯林はしいたけ菌糸が原木内に伸長し、子実体[しじつたい]が生長するのに適した場所を県内各地域に作り出しています。また、大分県の山間部はいろんなきのこが自生するきのこの宝庫でもあります。
■原木で栽培
大分県椎茸農協で取り扱う乾しいたけはすべて原木栽培のものです。 特にクヌギからは良質、肉厚、香りがいいものが多く発生します。
大分県では以前からしいたけの原木用にクヌギ林の造成に力を入れてきました。現在では 県内に47,000haのクヌギ林があり、全国一のクヌギ原木を有しています。
■伝統の技術で栽培(主な技術)
●裸地伏せの技術
原木の伐跡地に伏せ込む方法で、日光と日陰で気温の変化を作り、空気の流れを起こすとともに、降雨を利用してしいたけ菌糸が原木にまん延する条件を作り出します。
●乾燥技術
乾燥前のしいたけに含まれた水分量により乾燥温度と風量を変えることで、甲(傘の表面)の色を褐色でつやがあるしいたけに、褶[おさ](傘の裏のひだ)は黄金色に輝いたしいたけを 作り、さらに芳醇な香りを醸し出します。 |