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自然エネルギー利用発電の特徴と楽しみ方(2ページ目)

5.システムの要、バッテリー(蓄電池)

発電機によって発電した電力を貯めておき(蓄電・充電)、その貯めた電力を必要に応じて引き出して使うために、バッテリー(蓄電池)を用います。通常は、バッテリーとして鉛蓄電池が用いられます。これは、自動車などに使用されるカー・バッテリーと同様の形式のもので、鉛の電極と希硫酸電解液から構成されており、一般的に広く用いられているバッテリーのタイプです。
鉛蓄電池のバッテリー電圧は、通常6セル構成のDC12V仕様であるため、自動車においても、また、自然エネルギー発電システムにおいても、DC12V系や、12Vの倍数であるDC24V系やDC48V系のシステムとなります。
自動車の場合、エンジン始動後はオルタネータ(発電機)によってほぼ必要十分量の発電が得られますので、バッテリー(蓄電された電力)が必要とされるのは、エンジン始動時の瞬間(クランキング時)のみであり、負荷が大きくてオルタネータの発電量だけで賄いきれないごく短時間においてのみ、バッテリーに蓄電された電力が消費されますので、バッテリーは常にほぼ満充電された状態で運用されます。このように、充電と放電が同時進行しているようなバッテリー運用方法を「フロート利用」と呼びます。自動車のようなフロート利用においては、バッテリーが常にほぼ満充電された状態での運用が前提であるため、自動車用バッテリーに求められる性能のうち、もっとも重要視されるのは、エンジン始動時の瞬間的な大容量の放電性能(クランキング性能)のみとなります。
一方、自然エネルギー発電システムの場合、発電と放電のタイミングにズレ(時差)があるのが普通であり、例えば太陽光発電により日中発電してバッテリーに充電・蓄電しておいた電力を夜間照明用電源などとして使う場合や、晴天が続く期間に蓄電しておいた電力によって、曇天や荒天が何日間も続く期間の電力を賄う場合もあります。このように、充電と放電に時差があり、充電と放電を周期的に繰り返すバッテリー運用方法を「サイクル利用」と呼んで、自動車などのフロート利用とは区別しています。
鉛蓄電池は、放電する度合い(=放電深度)が大きいほど、受けるダメージが大きく、寿命期間が低下しますので、放電深度が大きくなるサイクル用途向けには、サイクル用途向け専用のバッテリーを用います。サイクル用途向けのバッテリーのことを「サイクル・サービス・バッテリー」や「ディープ・サイクル・バッテリー」などと呼んでいます。

6.蓄電池は「信頼のおけるディープサイクルバッテリー」を

バッテリーの負担が大きくなる自然エネルギー発電システムにおいては、信頼のおけるディープサイクルバッテリーを使用するのが一般的です。
自動車用のバッテリーも同じ鉛蓄電池ですので、同様に使えないことはありませんが、信頼のおけるディープサイクルバッテリーと比較して、以下のような多くのデメリットがあります。

1.深放電(=放電深度が大きい)してしまうと、ダメージが非常に大きい。
(→自然エネルギー発電システムでは、深放電を強いられる機会が多い。)

2.繰り返しの充放電操作によるダメージが大きい。
(→自然エネルギー発電システムは、充電と放電を繰り返すサイクル利用である。)

3.放電した状態が続くことによるダメージが大きい。
(→通常数日〜数週間分の蓄電池容量を装備するため、迅速な充電ができず放電状態期間が長く続く)

4.内部抵抗が大きめのものが多く、充放電ロスや不効率な運用状態が生じやすい。
(→内部抵抗が大きいため、ロスも大きく、充電時の電圧上昇、放電時の電圧降下の程度も大きい。)

自然エネルギー発電システムに、自動車用のバッテリーを用いることは、上記1〜3の欠点があるため、放電深度を浅く保ち続けるような運用方法が強いられますので、実際に利用できる有効容量が小さく、すなわち計画容量の数倍の容量の大きなバッテリーが必要になり、また、4の理由からも、せっかくの発電機の能力を活かしきれない運用となりますので、結果的に得策であるとは言えないのが実情です。
ただし、例えば非常用電源システムなどのように普段は電力をほとんど消費せず、通常は満充電状態として運用する場合や、個人的な趣味利用を目的としておりバッテリーの充電状態にあわせて使用電力量を適切に調整して運用する(できる)場合のように、バッテリーへのダメージを小さく抑えられるような場合には、安価な自動車用バッテリーも大いに活用すべきであると言えます。

また、「ディープサイクルバッテリー」と名乗るだけの性能を有していないディープサイクルバッテリーモドキも市場に何種類か出回っており、消費者の混乱を招く要因になっている実情もあります。(これらの多くは、キャンピングカー用品店や釣具店などで多く見受けられますので、購入時には注意しましょう。)

バッテリーの性能や仕様、価格は、千差万別であり、目的や状況に応じて適切なバッテリーを選択することが大切であることと(正しい知識を有するプロにお任せ)、信頼のおける製品を選ぶこと(やたら安価な隣国製品は特に要注意)、信頼のおける販売者から購入すること(バッテリーは、在庫品を持たない)が、消費者としての正しく賢い選択です。

*「バッテリーは、生もの」と呼ばれています。数ヶ月間も在庫しているような店頭販売にはご注意。

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