「100年掛けて大きくなった木には、家具になっても100年以上生き続けて欲しい」
野中木工所ではそんな想いを持って、約半世紀に渡り、熟練の家具職人が一品一品を大切に作り続けました。
野中木工所は昭和32年6月、創業致しました。創業した野中正義(現会長) は17歳の頃、家具職人を志して、伊万里から大川に移り弟子入りを果たします。当時、職人として認められるまで10年以上かかる時代に4年間の早さで弟子を卒業し、職人として認められ、4年間職人として努めました。その後、25歳の若さで創業し、一本立て洋服箪笥の製作を開始します。創業後も職人としての腕を磨き続け、昭和35年頃より婚礼家具の製作にかかるようになり、その品質の良さから家具業界で婚礼メーカーとして、好評を得るようになっていきます。
長年、大川の高級婚礼家具メーカーとして実績を作ってまいりましたが、平成7年頃よりリビングボードのデザインコンペの入賞などを皮切りにダイニング、リビング家具等、様々な家具の製作を始めるようになってきました。
デザインもカントリー、モダン、和、北欧など、様々なデザインを製作し、トータルシリーズ「commode house」等を展開してきました。
平成14年、二代目社長となり 、現代に求められるボーダーレスな観点の新しい発想の家具製品を開発しながらも、昔から大事にしている職人気質な作り手のこだわりを大事にして、大量生産では出来ない、隅々まで行き届いた完成度の高い「作品」を作り続けています。
近代の産業発展の課題である環境問題に、野中木工所は 独自の概念を持って取り組んでいます。消費者の立場として環境問題を捉えたとき、エアコンの温度を下げすぎない、TVを付けっ放しにしない、など、無駄な電気を使わない事を心がけていく事が思い浮びますが、ものを作るという立場上、地球の資源を使うことを避けては通れません。 野中木工所はその答えとして「資源の有効活用」を考えます。
当たり前の事ですが、そこに「価値」を与えることを考え、今まで捨てられていた余った材料、色が揃わないからと撥ねられる木材、整った木目を好む時代に避けられていた節の入った木材…全て今までは価値がないと決められていた材料でしたが、環境への意識からか、時代の流れによって、価値が変わりつつあります。
全て価値を決めていくのは人間です。野中木工所では、これらの材料に価値を作り出すことによって材料を有効活用していくことに挑戦しています。 また、生産するときに有害なものを選ばないことも大事です。人体・環境に悪影響を与える塗料・工材を避け、良いものだけを使う。生産する時点で、注意して選ぶだけでも環境に与える負荷は大きく違ってきます。
このような価値観を持って、野中木工所では、環境汚染・人体への悪影響の抑止に取り組んでいます。
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1983年「como」シリーズ
ヨーロピアン・アンティークチーフにした、「como」シリーズ。ユーラシアンチークならではの美しい柾目と職人の手作業で仕上げた滑らかな曲面、装飾は芸術作品のよう。
(現在廃盤)
1994年「napoli」シリーズ
ヨーロピアン・アンティークのデザインを基調に製作した初のトータルシリーズ。オーク材をアンティークカラーでオイルフィニッシュした暖かみのある質感。アンティークなフォルムが落ち着きます。
(現在一部廃盤)