液晶テレビの保護パネル「レクアガード」のページでも軽く触れましたが、
このページでは、
反射防止膜について更に詳しく説明させていだだきます。
反射防止膜(ARコート:ARとは、Anti-Reflectionの略称です)が付いた液晶テレビの保護パネルは、
一般的な液晶テレビの保護パネルに比べ、
テレビそのものの画質を損なわないよう、保護パネルの反射を抑えることが出来ます。
薄膜をパネル表面にコーティングすることで、散乱による反射防止をうたうノングレアとは違い、
反射防止膜は、実際に反射率を下げることが出来るのが特長です。
一般的なグレア(光沢)品、反射防止膜がついたレクアガード、一般的なノングレア品との間に
実際にどのくらいの違いがあるものなのか、繰り返しにはなりますが、下の画面見本をご覧下さい。
※写真そのものは実際に日中に撮影しております。(上記画像は、テレビの雰囲気を出すため、枠をつけています)
比べてみてお判りいただけるかと思いますが、反射防止膜がついている「
レクアガード」以外の
一般的なグレア(光沢)品、一般的なノングレア品は白ボケしてしまっています。
この「レクアガード」が綺麗に見える理由、
それが透過率(反射率)の違いなのです。
数値で比べてみても違いは歴然です。
表面に凸凹を微細につけたノングレア品は、反射光を散乱させて視覚的に反射が軽減しているように
感じられますが、
反射防止膜付きでない以上、一般的な光沢(グレア)品、ノングレア品に関わらず、
保護パネルの透過率(反射率)は、全て同じで、数値上は違いは出ないのです。
「レクアガード」(透過率97%以上)とそれ以外の保護パネル(透過率92%以下)の見え味の違いは、
数字上では大した違いではないと感じられるかもしれません。
しかし、上の写真の白ボケ具合をご覧いただければ、違いの大きさは一目瞭然ですよね?
テレビ自体への反射による映り込みは防ぐことはできません。「レクアガード」が防ぐことが出来るのは、
保護パネルへの反射なのです。
テレビだけの状態と比べて、前面にパネルを1枚設置するため、必ず反射は増えてしまいます。
保護パネルの設置で増えてしまう保護パネル自身の反射をどれだけ抑えることが出来るかが、
「レクアガード」についている反射防止膜の役目なのです。
そのため、「レクアガード」の購入を検討されているお客様でキズ防止が不要で、
反射による映り込みだけを防ぎたい場合、保護パネルは必要ないかもしれません。
ここまでは、液晶テレビの保護パネル「レクアガード」のページにも
記載させていただいた項目です。
ここから、更に詳しく反射の原理などを説明させていただきますね。
反射防止膜が使われている身近な物としては、"眼鏡レンズ"や"デジタルカメラのレンズ"があります。
"眼鏡レンズ"に蛍光灯を映した時、映り込んだ蛍光灯が緑色や紫色に見えるものは、
反射防止膜が付いています。
では、保護パネル表面や内部ではどのような反射や透過が起こっているのでしょうか?
●薄膜による反射防止の原理
反射防止膜は、
反射A(反射防止膜の表面で反射する光)と反射B(反射防止膜の裏面で反射する光)が
互いの波を打ち消し合うように設計されているため、表面反射を効果的に低減することが出来ます。
●レクアガードの構造と反射と透過
●物性評価(レクアガードのパネル部)
項目 | 試験方法・条件 | 結果 |
擦傷性 | スチールウール #0000, 0.5 kg荷重 5往復 | キズ10本以下 |
鉛筆硬度 | JIS K5600-5-4(荷重750 g) | 4H |
接触角 | 水接触角 | 95° |
密着性 | クロスハッチセロテープ剥離法(3回) | 異常なし |
耐熱性 | 80℃, 500 h | 異常なし |
耐湿熱性 | 60℃, 90%RH, 500 h | 異常なし |
耐光性 | キセノン照射, 500 h | 異常なし |
耐塩水性 *1 | 塩水噴霧試験 JIS Z2371, 28日 | 異常なし |
*1:名古屋工業試験場においてスガ試験機製塩水噴霧試験機にて実施
テスト条件:チャンバー温度 35± 1℃, 約100%RH, 5 wt% 塩水比重 (50 g / 1000 ml), PH6.5-7.2
*光学特性、物性評価に関しては、測定値であり、保証値ではありません
●片面反射率(レクアガードのパネル部)