2016年9月
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クレナウ(1883-1946):
交響曲 第9番KLENAU, P. von: Symphony No. 9 (Ptassek, Resmark, Weinius, Bruun, Danish National Concert Choir, Danish National Symphony, Sch nwandt)
発売日:2016年09月28日
CD 2枚組価格:2,325円(税込)
コペンハーゲンに拠点を置くドイツ人の家系に生まれたクレナウ(1883-1946)は、最初はコペンハーゲン音楽院でヴァイオリンと作曲を学ぶも、20歳になる前にベルリンにわたり、マックス・ブルッフの門下に入ります。その後はルートヴィヒ・トゥイレ、マックス・シリングスに教えを受け、ドイツ音楽の伝統を身につけました。指揮者として各地を回り、1919年にはフランクフルト・バッハ協会を設立し、第2次大戦時にはナチスにも重用され、ドイツで華々しく活躍しますが、1940年にはコペンハーゲンに戻り作曲に専念します。 そんな彼の作品は、ワーグナー、ブルックナー、リヒャルト・シュトラウスの影響が強く感じられ、この晩年の主要な作品である交響曲第9番も、当時の主流である十二音音楽の手法はほとんど使われることのない極めて長大で調性的な音楽です。この大規模な編成を持つ交響曲は、彼の死後長らく行方不明になっていて、2001年まで発見されることはありませんでした。そしてさらに13年の年月を経て(その間にコペンハーゲンの王立図書館で編集作業が施された)2014年、ようやくシェンヴァントとデンマーク国立交響楽団によって世界初演されたのです。このアルバムにはその記念碑的録音が収録されています。
収録作曲家:
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ラウス(1949-):〈作品集〉
Odna Zhizn
交響曲第3番・第4番
プロスペロの部屋 [ニューヨーク・フィル/ギルバート]ROUSE, C.: Odna Zhizn / Symphonies Nos. 3 and 4 / Prospero's Rooms (New York Philharmonic, Gilbert)
発売日:2016年09月28日 NMLアルバム番号:8.226110
CD価格:2,325円(税込)
このアルバムにはクリストファー・ラウス(1949-)が作曲した4つの世界初演作品が収録されています。ラウスはアメリカ出身でニューヨーク・フィルハーモニーの「マリー=ジョゼ・クラヴィス記念コンポーザー・イン・レジデンス」を2012年から2015年まで務めており(前任者はマグヌス・リンドベルイ)このアルバムの「プロスペロの部屋」「交響曲第4番」「odna zhizn」はオーケストラとの共同作業となります。 「現代における作曲家の中で最も重要な働きをするクリス・ラウスは、偉大な作曲家だけが成し得る方法で、音と音楽の流れを形づくります」とアラン・ギルバートも絶賛するラウスの刺激的な音楽、ぜひお楽しみください。
収録作曲家:
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ヘルステズ(1857-1924):
十重奏と弦楽四重奏曲HELSTED, G.: Decet / String Quartet (Randers Chamber Orchestra)
発売日:2016年09月28日 NMLアルバム番号:8.226111
CD価格:2,325円(税込)
同じく作曲家であったカール・アドルフ・ヘルステズを父に持つデンマークのオルガニスト、作曲家ゴスタウ・ヘルステズ(1857-1924)の作品は、彼がドイツ、フランス、イタリアで遭遇した「後期ロマン派」の様式が取り入れられていたため、当時のデンマークの聴衆たちからは「奇妙で近寄りがたい」と若干敬遠されていました。しかし彼の作品はとても魅力的であり、現代の人々の耳には全く違和感を与えることがなく、ヨーロッパ大陸のインスピレーションの中にデンマーク特有の伝統と品格が感じられる独自の作品として評価され、その作風は彼の弟子でもあったランゴーらにも引き継がれて行きます。 このアルバムで紹介されている2つの作品は、半音階的な和声と充実した響き、そして横溢する民謡的要素が極めて魅力的です。
収録作曲家:
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ニールセン(1865-1931):
合唱作品集 [デンマークコクリツ合唱団/シェンヴァント/ファベル/ヴェント]NIELSEN, C.: Choral Music (Danish National Choirs, Schønwandt, P. Faber, S. Wendt)
発売日:2016年09月28日 NMLアルバム番号:8.226112
CD価格:2,325円(税込)
重厚な交響曲や室内楽曲で知られるカール・ニールセン(1865-1931)。彼は合唱音楽の大家でもありました。およそ300曲の親しみ易い歌曲や合唱曲は、デンマーク国内の学校や家庭で愛唱され続けています。ただし、このアルバムに収録された25の合唱曲はどれもデンマーク語で歌われるため、他の国ではほとんど歌われることがありません。 また、ニールセンは現在のデンマーク国歌「麗しき国」(作曲はHans Ernst Kroyer)の別ヴァージョンも作曲しており、こちらは残念ながら普及することがありませんでしたが、独立した合唱曲として愛唱されることとなり、このアルバムの最終トラックに収録されています。北欧の合唱レベルの高さも存分にお楽しみください。
収録作曲家:
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フランゼン(1956-):
歌曲集 [ダヴィドセン/フランゼン/ミットマゲリ/ノール]FRANDSEN, J.: Songs (Davidsen, Frandsen, Midtmageli, Nohr)
発売日:2016年09月28日 NMLアルバム番号:8.226582
CD価格:2,325円(税込)
デンマークの現代作曲家フランゼン。彼の歌曲のテキストのほとんどは聖書やヘルマン・ヘッセ、あるいはウィリアム・ブレイクといった古典的な作品からの採取であり、繊細な音楽をつけることでその崇高な精神を表現しています。 このアルバムには5つの歌曲集が収録されていますが、どのテキストにもフランゼンの好みがしっかり現れており、哲学的な晦渋さを持ちながらも、カウンターテナーとギターが醸し出す音色のような、ほのかな妖艶さも感じられる音楽を聴くことができます。
収録作曲家:
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ウラディーミル・ユロフスキ
ロシア国立交響楽団
~エフゲニー・スヴェトラーノフに捧ぐ~ [ロシア国立交響楽団/ユロフスキ指揮]TRIBUTE TO EVGUENY SVETLANOV [YEFIM BRONFMAN; TATIANA PAVLOVSKAYA; VLADIMIR JUROWSKI]
発売日:2016年09月28日
DVD日本語字幕なし価格:2,850円(税込)
20世紀を代表する指揮者の一人、エフゲニー・スヴェトラーノフ(1928-2002)。モスクワ出身、モスクワ音楽院で学び、1955年からボリショイ劇場で指揮、1962年には同歌劇場の首席指揮者に任命されます。1965年からはロシア国立交響楽団(旧ソ連国立交響楽団)の芸術監督、首席指揮者に就任し、35年間に渡ってこのオーケストラの発展に尽力しました。モスクワ音楽院の壮麗なチャイコフスキー・ホールで開催された、スヴェトラーノフの85回目の誕生日を記念して行われたこの演奏会は、ピアノのブロンフマンやバリトンのレイフェルクス、テノールのグリヴノフなど素晴らしいソリストを迎え、2011年から芸術監督、首席指揮者を務めているユロフスキが全てをまとめています。 選ばれた作品はどれもスヴェトラーノフが愛したもので、中でもラフマニノフの「鐘」は、スヴェトラーノフがモスクワ音楽院での最終試験で選択した作品であり、また死の2週間前にも演奏したという、キャリアの最初と最後を飾る重要なレパートリー。ユロフスキは先人への敬愛を込め、これらの曲を溌剌と演奏しています。
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グリンカ(1804-1857):
歌劇「ルスランとリュドミラ」 [ボリショイ劇場管弦楽団&合唱団/ユロフスキ指揮]GLINKA:RUSLAN & LYUDMILA [BOLSHOI THEATRE ORCHESTRA AND CHORUS ,VLADIMIR JUROWSKI]
発売日:2016年09月28日
DVD 2枚組日本語字幕なし価格:3,675円(税込、送料無料)
キエフ大公の娘リュドミラは、騎士ルスランとの婚礼の席で悪魔にさらわれてしまいます。大公は部下たちに探索を命じ「連れ戻した者には国の半分と娘を与える」と公約。もちろんルスランは名乗りを挙げますが、他にもハザールの王子やノルマン人騎士たちが追随し、3人でリュドミラを探しに出かけることになります。邪魔する魔女、彼らを助ける白魔術師らが入り乱れ、お話は混迷していきますが・・・。 近代ロシア音楽の父グリンカ(1804-1857)の代表作「ルスランとリュドミラ」の全曲映像の登場です。勇壮な序曲はしばしば耳にしますが、全曲はというとほとんど目にする機会もなく、そもそもどのような物語かすらも知られていない歌劇です。ボリショイ劇場はこの作品を非常に大切にしており、これまでに9種類の演出で700回以上も上演するという超ロングヒットを記録しています。 こちらは2011年、ボリショイ劇場改装後の新演出で、左右に置かれた2つの巨大なスクリーンを用い、登場人物たちは19世紀と21世紀を行き来しながら、ユロフスキのダイナミックな指揮とともに、このおとぎ話風の物語を絶妙に盛り上げていきます。
収録作曲家:
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ワーグナー(1813-1883):
楽劇「パルジファル」 [ベルリン国立歌劇場管弦楽団/バレンボイム指揮]WAGNER:PARSIFAL [WOLFGANG KOCH; RENE PAPE; ANDREAS SCHAGER; TOMAS TOMASSON; STATKAPELLE BERLIN; STAATSOPERNCHOR,DANIEL BARENBOIM]
発売日:2016年09月28日
DVD 2枚組日本語字幕なし価格:4,050円(税込、送料無料)
ベルリン、シラー劇場で上演された新制作の「パルジファル」。演出は最近急激に注目を集めているドミトリー・チェルニャコフで、しばしば過激な読み替えを行うため、今回のパルジファルも上演前から期待と不安が交錯していたという舞台でした。簡素な舞台と現代的な衣装(パルジファルはリュックを背負って現れる)などは想定内ですが、何よりチェルニャコフが重視したのは「復讐」の感情で、様々な宗教観が渾然一体となった中世の叙事詩が、見事に現代人の不安と救済の物語に置き換えられているのはさすがと言うほかありません。 そのため、多少難解な舞台になっていますが、バレンボイムの音楽はいつものように清澄で神聖さを備えており、ワーグナー(1813-1883)が望んだ世界が完全に具現化されています。ベテラン、ルネ・パーペを中心に、日本にも来日経験のあるテノール、アンドレアス・シャーガーら若手歌手を起用。フレッシュな歌唱にも注目です。
収録作曲家:
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ワーグナー(1813-1883):
楽劇「パルジファル」 [ベルリン国立歌劇場管弦楽団/バレンボイム指揮]WAGNER:PARSIFAL [WOLFGANG KOCH; RENE PAPE; ANDREAS SCHAGER; STATKAPELLE BERLIN; STAATSOPERNCHOR,DANIEL BARENBOIM]
発売日:2016年09月28日
Blu-ray日本語字幕なし価格:4,050円(税込、送料無料)
ベルリン、シラー劇場で上演された新制作の「パルジファル」。演出は最近急激に注目を集めているドミトリー・チェルニャコフで、しばしば過激な読み替えを行うため、今回のパルジファルも上演前から期待と不安が交錯していたという舞台でした。簡素な舞台と現代的な衣装(パルジファルはリュックを背負って現れる)などは想定内ですが、何よりチェルニャコフが重視したのは「復讐」の感情で、様々な宗教観が渾然一体となった中世の叙事詩が、見事に現代人の不安と救済の物語に置き換えられているのはさすがと言うほかありません。 そのため、多少難解な舞台になっていますが、バレンボイムの音楽はいつものように清澄で神聖さを備えており、ワーグナー(1813-1883)が望んだ世界が完全に具現化されています。ベテラン、ルネ・パーペを中心に、日本にも来日経験のあるテノール、アンドレアス・シャーガーら若手歌手を起用。フレッシュな歌唱にも注目です。
収録作曲家:
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マスネ(1842-1912):
歌劇「マノン」 [リベラトーレ/ドワイアン/ヨアキム/チュラーゼ/デルクール/ワロン王立歌劇場合唱団&管弦楽団/ダヴァン]MASSENET, J.: Manon [Opera] (Liberatore, Doyen, Joakim, Tchuradze, Delcour, Chorus and Orchestra de L'Opera Royal de Wallonie, Davin)
発売日:2016年09月28日 NMLアルバム番号:CDS7751
CD価格:3,300円(税込、送料無料)
プッチーニと同じアヴェ・プレヴォーの原作を元にしたオペラですが、こちらのマスネの作品の方が9年程早く初演され、内容も一味も二味も違うものとなっています。そもそもマスネ版では、最初にマノンが登場するのは15歳の時。かなり自由な性格で描かれており、その都度男性を翻弄、主役を歌う歌手はその時々で違う表情を見せなくてはいけません。音楽はどちらも素晴らしいのですが、洒脱な雰囲気なら間違いなくマスネの作品に軍配があがるでしょう。まさにパリ・ベルエポックを象徴するかのようなこの歌劇、パリのオペラ=コミーク座では1919年に上演されてから、少なくとも1000回以上も再演され、高い人気を誇っています。 この演奏は、ナタリー・デセイの少し上の世代に属するフランスの名コロラトゥーラ・ソプラノ、アニック・マシスをタイトル・ロールに、そして若手テノール、リベラトーレをデ・グリューに(彼は初めてこの役に挑戦)迎え、たおやかで香り高い物語を作っていきます。もちろん悲劇的な最期がやってくるものの、享楽的で美しいマノンの魅力と美しい音楽には誰しも惹きつけられることでしょう。
収録作曲家:
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C.P.E.バッハ(1714-1788):
鍵盤音楽集 [ジョヴァンニ・トーニ]BACH, C.P.E.: Keyboard Music (Togni)
発売日:2016年09月28日 NMLアルバム番号:CDS7762
CD価格:2,325円(税込)
「タンジェントフリューゲル=タンジェント・ピアノ」はモーツァルトの時代に生まれた鍵盤楽器で、タンジェントと呼ばれる木片を弦で突き上げ音を出すのが特徴です。チェンバロからピアノへと時代が変化する際に生まれた様々な楽器の一種類であり、繊細な響きと表情豊かな音色を持っています。 フランツ・ヤコプ・シュペート(1714-1786)と、クリストフ・フリードリヒ・シュマール(1739-1814)は、この楽器の最も有名な製作者であり、現在その楽器はスイスの個人所蔵となっていますが、その優美な音色は現代においても変わることがありません。 C.P.E.バッハは大バッハの次男であり、父よりもテレマンの作曲様式を受け継ぎ、古典派音楽の基礎を築いたと言われる人。彼は当時最先端のクラヴィーア奏者でもあり、その作品も流麗なメロディと「ギャラント様式」と呼ばれるシンプルなテクスチュアは同世代の人々にも多大なる影響を与えました。ここで聞ける一連のソナタもそんな作風で書かれており、楽器の特徴も生かされた洗練された作品となっています。
収録作曲家:
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マスネ(1842-1912):
歌劇「マノン」Jules Massenet, MANON, Op?ra Royal de Wallonie
発売日:2016年09月28日
DVD 2枚組日本語字幕なし価格:4,200円(税込、送料無料)
プッチーニと同じアヴェ・プレヴォーの原作を元にしたオペラですが、こちらのマスネの作品の方が9年程早く初演され、内容も一味も二味も違うものとなっています。そもそもマスネ版では、最初にマノンが登場するのは15歳の時。かなり自由な性格で描かれており、その都度男性を翻弄、主役を歌う歌手はその時々で違う表情を見せなくてはいけません。音楽はどちらも素晴らしいのですが、洒脱な雰囲気なら間違いなくマスネの作品に軍配があがるでしょう。まさにパリ・ベルエポックを象徴するかのようなこの歌劇、パリのオペラ=コミーク座では1919年に上演されてから、少なくとも1000回以上も再演され、高い人気を誇っています。 この演奏は、ナタリー・デセイの少し上の世代に属するフランスの名コロラトゥーラ・ソプラノ、アニック・マシスをタイトル・ロールに、そして若手テノール、リベラトーレをデ・グリューに(彼は初めてこの役に挑戦)迎え、たおやかで香り高い物語を作っていきます。もちろん悲劇的な最期がやってくるものの、享楽的で美しいマノンの魅力と美しい音楽には誰しも惹きつけられることでしょう。
収録作曲家:
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グローブ座
シェイクスピア 「ヴェニスの商人」SHAKESPEARE, W.: Merchant of Venice (The) (Shakespeare's Globe, 2015) (NTSC)
発売日:2016年09月28日
DVD日本語字幕なし価格:3,825円(税込、送料無料)
中世イタリアのヴェネツィアの「架空の都市ベルモント」で起きる恋の喜劇。まじめな商人バサーニオとその恋人ポーシャ。バサーニオから金策を頼まれた友人アントーニオがお金を借りたのは悪名高い金貸しシャイロック。自身の船さえ戻ってくれば借りた金は返せると考えたアントーニオはシャイロックが示した荒唐無稽な「期日までに金を返すことが出来なければ、自身の肉1ポンドをシャイロックに渡す」という条件を呑んでしまいます。そしてポーシャとの結婚を許してもらうために旅立ったバサーニオにも様々な苦難が降りかかり… 日本でもお馴染みの「ヴェニスの商人」の物語。詳しい粗筋は知らなくても、裁判官に扮したポーシャが悪徳金貸しシャイロックに下した「肉は切り取っても良いけど、血を流すのはNG」の判決を知らない人はいないのではないでしょうか? この映像は、軽快な音楽に乗った極めてテンポの良いストーリー運びが特徴。出演者たちが扮する生き生きとした人物たちに思わず感情移入してしまいます。 一説によると、このタイトルである「ヴェニスの商人」はシャイロックではなく、アントーニオを指すともいわれていますが、パッケージに鎮座するのは紛れもなくシャイロック。名優ジョナサン・プライスの素晴らしい演技が見ものです。
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マスカーニ(1863-1945):
歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」
レオンカヴァッロ(1857-1919):
歌劇「道化師」MASCAGNI, P.: Cavalleria Rusticana / LEONCAVALLO, R.: Pagliacci (Royal Opera House, 2015) (NTSC)
発売日:2016年09月28日
DVD日本語字幕付き価格:3,750円(税込、送料無料)
《カヴァレリア・ルスティカーナ》婚約者サントゥッツァがいるにもかかわらず、昔の恋人(今は人妻)ローラが忘れられないトゥリッドゥ。ローラの夫が留守がちなのをいいことに、逢瀬を重ねるトゥリッドゥとローラ。それを妬み悲しむサントゥッツァは、2人の仲をローラの夫アルフィオに告げてしまい… 《道化師》旅回りの一座の座長を務めるカニオ。彼には若く美しい妻ネッダがいます。しかし彼女には、ある村に住む青年シルヴィオという恋人がいました。今回一座がやってきたのは、そのシルヴィオが住む村。当然ネッダはシルヴィオとの逢瀬に胸を弾ませ、今回はついに駆け落ちの相談を始めてしまいます。それを知ったカニオ、ついに現実と狂気の区別がつかなくなり… ヴェリズモ(現実主義)オペラ・ブームのさきがけを作った2つの作品《カヴァレリア・ルスティカーナ》と《道化師》はどちらも上演時間が短く、また人間の避けられない感情である「嫉妬、強い愛憎」をテーマにしているために一晩で続けて上演される機会の多い作品です。 この映像でも演出家ダミアーノ・ミキエレットは2つの物語の舞台を1980年、南イタリアの貧困地帯の村に設定し、登場人物たちも相互に行き来させることで、あたかも一つの物語が進行しているかのような工夫を凝らしています。若きテノールアレクサンドルス・アントネンコは、「裏切る男」と「裏切られる男」の2役を見事に演じ、人間の業の奥深さを強く訴えかけます。パッパーノの指揮は、後期ロマン派に属するこれらの作品が豊かな響きに溢れていることを実感させてくれます。
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グローブ座
シェイクスピア 「リチャード二世」SHAKESPEARE, W.: Richard II (Shakespeare's Globe, 2015) (NTSC)
発売日:2016年09月28日
DVD日本語字幕なし価格:3,825円(税込、送料無料)
1595年頃に書かれたとされる「リチャード二世」は“henriad(歴史劇)”と呼ばれる四部作の第1作にあたり、以降「ヘンリー四世 第1部」「ヘンリー四世 第2部」「ヘンリー五世」といった重厚な作品が続きます。威厳に溢れたリチャード二世を巡る権力争いと、周辺国との攻防、そして政治的陰謀が描かれ、最後に王が破滅するという内容で、ここで示されたいくつかの解決されない事件は、後の作品で終結するため、全ての作品が有機的に結びつくということになっています。息詰まるような心理劇でもあり、権力を巡る悲しみまでもが的確に示された、重厚かつ見ごたえのある作品です。
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マスカーニ(1863-1945):
歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」
レオンカヴァッロ(1857-1919):
歌劇「道化師」MASCAGNI, P.: Cavalleria Rusticana / LEONCAVALLO, R.: Pagliacci (Royal Opera House, 2015) (Blu-ray, HD)
発売日:2016年09月28日
Blu-ray 2枚組日本語字幕付き価格:4,650円(税込、送料無料)
《カヴァレリア・ルスティカーナ》婚約者サントゥッツァがいるにもかかわらず、昔の恋人(今は人妻)ローラが忘れられないトゥリッドゥ。ローラの夫が留守がちなのをいいことに、逢瀬を重ねるトゥリッドゥとローラ。それを妬み悲しむサントゥッツァは、2人の仲をローラの夫アルフィオに告げてしまい… 《道化師》旅回りの一座の座長を務めるカニオ。彼には若く美しい妻ネッダがいます。しかし彼女には、ある村に住む青年シルヴィオという恋人がいました。今回一座がやってきたのは、そのシルヴィオが住む村。当然ネッダはシルヴィオとの逢瀬に胸を弾ませ、今回はついに駆け落ちの相談を始めてしまいます。それを知ったカニオ、ついに現実と狂気の区別がつかなくなり… ヴェリズモ(現実主義)オペラ・ブームのさきがけを作った2つの作品《カヴァレリア・ルスティカーナ》と《道化師》はどちらも上演時間が短く、また人間の避けられない感情である「嫉妬、強い愛憎」をテーマにしているために一晩で続けて上演される機会の多い作品です。 この映像でも演出家ダミアーノ・ミキエレットは2つの物語の舞台を1980年、南イタリアの貧困地帯の村に設定し、登場人物たちも相互に行き来させることで、あたかも一つの物語が進行しているかのような工夫を凝らしています。若きテノールアレクサンドルス・アントネンコは、「裏切る男」と「裏切られる男」の2役を見事に演じ、人間の業の奥深さを強く訴えかけます。パッパーノの指揮は、後期ロマン派に属するこれらの作品が豊かな響きに溢れていることを実感させてくれます。
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プロコフィエフ(1891-1953):
〈ピアノ協奏曲集〉
ピアノ協奏曲 第1番・第3番・第4番 [ムストネン/フィンランド放送響/リントゥ]PROKOFIEV, S.: Piano Concertos Nos. 1, 3 and 4 (Mustonen, Finnish Radio Symphony, Lintu)
発売日:2016年09月28日 NMLアルバム番号:ODE1244-2
CD価格:2,475円(税込)
現在、ONDINEレーベルで最も注目されている指揮者ハンヌ・リントゥと、ピアニスト、オッリ・ムストネンのコラボレーションによるプロコフィエフ(1891-1953)のピアノ協奏曲シリーズの登場! 熟練したピアニストでもあったプロコフィエフの協奏曲は、どれも高度な技術が要求されますが、中でも第3番は「20世紀を代表する作品の一つ」と賞賛されるほど幅広い人気を獲得しています。ゆったりとした序奏を経て唐突に現れるピアノの輝かしいパッセージ、第2楽章でのウィットに富んだ旋律、ピアノとオーケストラとの掛け合いが楽しい第3楽章と聞かせどころの多い曲ですが、ムストネンのピアノは常に冷静さを保ちながら、リントゥと親密な対話を繰り広げています。 第1番は短いながらも、後年のプロコフィエフの独自性が垣間見えるユニークな曲。ピアノを打楽器のように扱う様子はバルトーク作品のようでもあります。第4番は「左手のピアニスト」パウル・ヴィトゲンシュタインが委嘱した作品ですが、ヴィトゲンシュタインが理解不能という理由で(これには諸説ある)演奏しなかったため、プロコフィエフの生前には初演が叶わなかったことでも知られています。ピアノの完璧な技巧はもちろんのこと、オーケストラの比重も高い難曲です。
収録作曲家:
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DA PACEM DOMINE - 主よ、平和を与えたまえ
ペルト(1935-):
〈宗教曲集〉 [ラトビア放送合唱団/クラーヴァ]PÄRT, A.: Choral Music (Da pacem Domine) (Latvian Radio Choir, Klava)
発売日:2016年09月28日 NMLアルバム番号:ODE1286-2
CD価格:2,475円(税込)
合唱王国ラトビアは、多くの人が幼い頃から合唱団に属し、歌いながら音楽の訓練を積んでいます。大人になってからも、人々が集うとそこにはハーモニーが生まれ、5年に一度の「大合唱祭」では全国の合唱団が集結し、輝くハーモニーを聞かせることで知られています。 「ラトビア放送合唱団」はその中でも最高の実力を有するプロの合唱団です。既にリリースされている「シルヴェストロフ:合唱作品集」が2016年のグラモフォン賞にノミネートされているクリャーヴァとラトビア放送合唱団のシリーズの最新作は、日本でも人気の高いアルヴォ・ペルト(1935-)の宗教作品集。1988年から2012年まで、ほぼ25年間に渡る作品からは、ペルトが模索、追求した彼にとっての「理想の音楽像」が見えてきます。もちろん1980年代後半にはティンティナブリ(鈴声)の様式が確立しており、音楽が簡素化される傾向にありましたが、年月を重ねるに従ってその様式は更に磨き上げられ、余分なものを削ぎ落としながら調性にも回帰。本当に美しい無伴奏の合唱は聴き手の精神に直接届く「癒しの音楽」としても愛されるようになったのです。
収録作曲家:
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マーラー(1860-1911):
交響曲 第10番(クック版 1976年第3稿) [シアトル響/ダウスゴー]MAHLER, G.: Symphony No. 10 (performing version by D. Cooke) (Seattle Symphony, Dausgaard)
発売日:2016年09月28日 NMLアルバム番号:SSM1011
CD価格:1,950円(税込)
1911年にマーラー(1860-1911)がこの世を去った時、遺された「第10交響曲」のスコアは断片的なもので、ほぼ完成していた第1楽章を除くと、他はどれも大まかなスケッチの状態でした。未亡人となったアルマは、この曲を完成させるべく何人かの作曲家たちに作品の補筆を依頼し、様々な版が成立します。 その中でもとりわけ広く知られているのが、イギリスの音楽学者デリック・クック(1919-1976)による補筆版であり、1960年に初演された“第1稿”(マーラーの生誕100年を祝してBBCのラジオで放送された)は完全な形でなかったことと、事前にアルマの承諾を得ていなかったこともあり、一旦はアルマによって出版、上演が禁止されてしまいます。しかし、その3年後に、亡くなる前のアルマが態度を軟化させたため、1964年に第2稿の上演が可能となりました。そして1972年にその改定稿である「第3稿」が初演され、1976年にはスコアも出版、ウィン・モリスが指揮したレコードの評判も伴って、この「クック版」の存在が多くの人に知れ渡ることになるのです。 このクック版第3稿を用いたシアトル響の首席客演指揮者ダウスゴーによる演奏は、スタイリッシュで洗練されたものであり、ダウスゴー自身が執筆したブックレット(英語)に、マーラーの自筆譜に添えられたアルマへの言葉についての考察も詳細に記された通り、「マーラーのアルマへの思い」を汲みあげた愛情豊かな演奏としても評価されるでしょう。
収録作曲家:
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Himmels lieder ‐ 天の歌 [南西ドイツ放送ヴォーカル・アンサンブル]
Choral Concert: South West German Radio Vocal Ensemble - BRITTEN, B. / PÄRT, A. / KAMINSKI, H. / POULENC, F. (Songs of Heaven)
発売日:2016年09月28日 NMLアルバム番号:SWR19015CD
CD価格:2,400円(税込)
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ラヴェル(1875-1937):
〈管弦楽作品集 第4集〉
歌劇「スペインの時」
シェエラザード [ドゥストラック/フシェクール/南西ドイツ放送響/ドゥネーヴ]RAVEL, M.: Orchestral Works, Vol. 4 - Shéhérazade / L'heure espagnole (d'Oustrac, Fouchécourt, South West German Radio Symphony, Denève)
発売日:2016年09月28日 NMLアルバム番号:SWR19016CD
CD価格:2,400円(税込)
全5巻で完結するステファヌ・ドゥネーヴの「ラヴェル作品集」の第4集は歌劇「スペインの時」(第5集「子供と魔法」は2017年4月リリースの予定)。ラヴェル(1875-1937)がイタリアの「オペラ・ブッファ」の形式をスペイン風にまとめたものとされるこの歌劇は、内容も“男女間のちょっとしたかけひき”がコミカルに描かれた、エスプリと皮肉の効いた大人向きの作品に仕上がっています。 主役コンセプシオンを歌うステファニー・ドゥストラックはバロックオペラを中心に活躍しているメゾ・ソプラノ。彼女を交えた全ての登場人物の確かな歌唱力に支えられたユニークな表現は必聴です。ドゥストラックの「シェヘラザード」もニュアンスに富む美しい歌唱です。
収録作曲家:
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サルヴァトーレ・アッカルド
パガニーニ(1782-1840):
ヴァイオリン協奏曲 第1番&第2番
《オリジナルSWRテープ・リマスター 1961-1970》 [アッカルド/南西ドイツ放送響/バーデン・バーデン&フライブルク南西ドイツ放送響/ブール]PAGANINI, N.: Violin Concertos Nos. 1 and 2 (Accardo, South West German Radio Symphony, Baden-Baden and Freiburg, Bour)
発売日:2016年09月28日 NMLアルバム番号:SWR19019CD
CD価格:2,100円(税込)
イタリアの名ヴァイオリニスト、サルヴァトーレ・アッカルド(1941-)の1960年代から1970年代の録音を細心のリマスタリングで復刻した1枚。もともと神童として名を馳せたアッカルドは13歳で最初の演奏会を開き、その後、数々の国際コンクールで賞を獲得。1958年の「パガニーニ国際コンクール」を17歳で制覇したことにより「パガニーニの再来」との賛辞を受けたことでも知られています。 パガニーニはアッカルドにとって大切なレパートリーであり、1970年代の半ばにはシャルル・デュトワの指揮で6曲の協奏曲を録音。こちらも名演奏として知られています。当盤は、エルネスト・ブールとの共演による1960年代から70年にかけてのスタジオ録音で、アッカルドの明確なアプローチと確かな技巧に支えられた、輝かしい音色を聞く事ができます。
収録作曲家:
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バレエ・リュス・シリーズ 第10集
ストラヴィンスキー(1882-1971):
バレエ音楽「火の鳥」
バレエ音楽「ミューズをつかさどるアポロ」 [ペスコ/コルステン]STRAVINSKY, I.: Firebird / Apollon musagète (Les Ballets Russes, Vol. 10) (Peskó, Korsten)
発売日:2016年09月28日 NMLアルバム番号:SWR19020CD
CD価格:2,400円(税込)
ディアギレフとバレエ・リュスの歴史を辿る10巻で構成されたシリーズの最終巻は、ストラヴィンスキー(1882-1971)の名作「火の鳥」と「ミューズを率いるアポロ」の2作品を収録。振付師ジョン・ノイマイヤーの発案で始められたこのシリーズは、19世紀のバレエに革新をもたらしたディアギレフの尽力と、彼をとりまく作曲家、画家、デザイナー、振付師の功績を辿るもので、ストラヴィンスキーの「春の祭典」をはじめ、ドビュッシー、ラヴェル、そのほか珍しい作品まで、バレエ・リュスに係る作品をくまなく網羅しています。 今作のペシュコ、コルステンをはじめ、ギーレン、若杉など多彩な指揮者による素晴らしい演奏はもちろんのこと、資料としても価値のあるシリーズです。
収録作曲家:
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アニー・フィッシャー
モーツァルト(1756-1791):
ピアノ協奏曲 第22番
シューマン(1810-1856):
ピアノ協奏曲
《オリジナルSWRテープ・リマスター 1958-1959》 [フィッシャー/ミュラー=クライ/ロスバウト]MOZART, W.A.: Piano Concerto No. 22 / SCHUMANN, R.: Piano Concerto, Op. 54 (Fischer, Müller-Kray, Rosbaud)
発売日:2016年09月28日 NMLアルバム番号:SWR19025CD
CD価格:2,100円(税込)
ハンガリーのピアニスト、アニー・フィッシャー(1914-1995)の1950年代終わりに収録された2曲のピアノ協奏曲。アニー・フィッシャーは1980年代以降に日本にも度々来日し、数多くのファンを獲得した人です。演奏について妥協を許さなかった彼女は、スタジオ録音に批判的でしたが、モーツァルトの協奏曲を含むEMIへの一連の録音は、現在でも「モーツァルト演奏の基準」とみなされるほどに、その演奏は高く評価されています。 彼女の商業的録音は、いずれも1968年に夫アラダール・トートが死去するまでの、1950年代から1960年代のものですが、幸いなことにいくつかのライヴ録音が保存されています。このロスバウトとの演奏もそんな中の一つで、端正なモーツァルトと美しいシューマンは、彼女の魅惑的な姿を存分に伝えています。
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フリッツ・ヴンダーリヒ
祝祭アリア集 [ウンダーリッヒ]Vocal Recital: Wunderlich, Fritz - BACH, J.S. / HANDEL, G.F. / BUXTEHUDE, D. / SCHÜTZ, H. / TELEMANN, G.P. (Festive Arias)
発売日:2016年09月28日 NMLアルバム番号:SWR19026CD
CD価格:2,100円(税込)
ドイツの伝説的テノール歌手、フリッツ・ヴンダーリヒ(1930-1966)。もともとはパン屋で働いていたという彼の美声を周囲の人たちが見い出したことで声楽の道に入った彼、1954年に「魔笛」のタミーノでデビューしてからはすぐに頭角を顕し、翌年のシュトゥットガルト歌劇場での同役で一躍世界的スターになりました。彼はオペラ歌手としても優れていましたが、何よりドイツ・リートでの細やかなニュアンスが愛され、シューベルトやベートーヴェン歌手としてその将来が期待されていた矢先、1966年、36歳の誕生日の直前に不慮の事故で敢えなくこの世を去ってしまいます。 この一連の録音は、20歳代のヴンダーリヒの瑞々しくも官能的な声が収録されています。彼のレパートリーとしては珍しい作品であり、ファンにとっても嬉しい1枚です。このアルバムは、全10巻からなる「ヴンダーリヒ・シリーズ」の第1集となります。
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フィンジ・アンソロジー[Box set 8枚組]
クラリネット協奏曲/チェロ協奏曲
合唱作品集/歌曲集FINZI, G.: Finzi Anthology (A) (8-CD Box Set)
発売日:2016年09月21日
CD 8枚組価格:4,240円(税込、送料無料)
近代イギリスの作曲家の中でも、フィンジは日本人にとって特別の存在になりつつあります。苦難に満ちた幼年時代、親友の死、そして戦争。これらを経て生み出されたフィンジの音楽の中には類い稀なる叙情性と、不屈の精神が宿っており、美しさの中に漂う深い懊悩が人々の心を強く捉えるのでしょう。 この「フィンジ・アンソロジー」BOXには人気のチェロ協奏曲、エクローグ(牧歌)、クラリネット協奏曲をはじめ、フィンジの真骨頂とも言える一連の声楽曲、宗教的合唱曲を収録。幅広くフィンジの音楽に触れることができる素晴らしい8枚組です。
収録作曲家:
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ドアティ(1954-):
ヘミングウェイの物語
アメリカン・ゴシック
いつか城で [ベイリー/ジェイコブス/マッシュヴィル響/ゲレーロ]DAUGHERTY, M.: Tales of Hemingway / American Gothic / Once Upon A Castle (Bailey, P. Jacobs, Nashville Symphony, Guerrero)
発売日:2016年09月21日 NMLアルバム番号:8.559798
CD価格:1,600円(税込)
グラミー賞を受賞した現代アメリカの作曲家ドアティ(1954-)の最新作は、どれも20世紀を象徴するアメリカ文化からインスパイアされたもの。文豪ヘミングウェイの名前をタイトルに掲げた4部作は「チェロ協奏曲」の形式を持ち、チェロと管弦楽との対話によって、そのストーリーを象徴的に描いています。 いずれも原作は1950年周辺に書かれたおなじみの作品ですが、不屈の精神と不変の愛は、永遠に語り継がれるべき内容であり、ドアティもこれを音楽で巧みに表現しています。アイオワ管弦楽団から委嘱された「アメリカン・ゴシック」は、ドアティの父ウィリス(1929-2011)と、彼自身の子供時代の思い出が反映された作品で、故郷であるシーダー・ラピッズの風景が目に浮かぶような鮮やかな音楽です。 「いつか城で」はドアティが愛するカリフォルニアのハースト・キャッスルと、そこに続く太平洋沿岸のハイウェイの風景などが描かれた、まるで映画音楽のような壮大な響きを持つ作品。初演は2003年ですが、ここで録音された改訂版は世界初録音となります。
収録作曲家:
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コープランド(1900-1990):
バレエ音楽「アパラチアの春」(完全版)
バレエ音楽「聞け!汝ら!」 [デトロイト響/スラットキン]COPLAND, A.: Appalachian Spring / Hear Ye! Hear Ye! (Detroit Symphony, Slatkin)
発売日:2016年09月21日 NMLアルバム番号:8.559806
CD価格:1,600円(税込)
コープランド(1900-1990)の珍しいバレエ「聞け!汝ら!」。この作品は、才能ある女性ダンサー、ルース・ページ(1899-1991)のために書かれました。ルース・ページは1925年にアメリカ人ダンサーとして初めてディアギレフのバレエ・リュスで踊り、コープランドを含めた当時のアメリカの作曲家たちは、彼女のために競って曲を書くなど、20世紀アメリカのバレエ・ダンスの発展に寄与した人です。 「聞け!汝ら!」は地元のナイトクラブで発生した殺人事件を裁く法廷を舞台とした奇妙なお話で、目撃者はホステス、ウェイター、その時店にいた新婚夫婦。各々の食い違う証言から犯人を導き出すまでがバレエで描かれていきます。 同時収録の「アパラチアの春」はコープランドの最も有名な作品の一つ。1800年代のペンシルベニア州で、アメリカ開拓民達が新しいファームハウスを建てた後の春の祝典を描写したバレエで、タイトルはストーリーに直接の関係がないことでも知られているユニークな作品でもあります。
収録作曲家:
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ウィリアムソン(1931-2003):
〈オルガン音楽集〉
平和の小品/聖なる小キャロル
エレジー ‐ JFK/中世の聖なるミサ他 [ウィンペニー]WILLIAMSON, M.: Organ Music - Peace Pieces / Little Carols of the Saints / Elegy / Mass of a Medieval Saint (Winpenny)
発売日:2016年09月21日 NMLアルバム番号:8.571375-76
CD 2枚組価格:2,500円(税込)
オーストラリアの最も著名な音楽家の一人、マルコム・ウィリアムソン(1931-2003)。と言っても彼は20歳代でイギリスに移住、その後イギリスでオルガニスト、聖歌隊指揮者として活躍したこともあり(副業でナイトクラブでピアノを弾いていたこともある)、英国教会音楽の伝統もきっちり受け継いでいます。大指揮者エイドリアン・ボールトも彼の作品を擁護し、強力な支援者となるなど、多くの音楽家たちからも支持され、1960年代には「英国で最も委嘱作品の多い作曲家」と賞賛を受けています。1975年にはアーサー・ブリスの後任として王室音楽監督(女王の音楽師範)に任命、これは英国人以外の音楽家としての初の栄誉でもありました。 彼の作品はあらゆるジャンルに渡っていますが、なかでも、このアルバムに収録された一連の「オルガンのための宗教曲」が良く知られており、これらはどれもメシアンの影響も感じられるドラマティックで華麗な雰囲気を有しています。
収録作曲家:
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グラナドス(1867-1916):
〈管弦楽作品集 第3集〉
リリアーナ
オリエンタル組曲/エリセンダ [バルセロナ響/ゴンサレス]GRANADOS, E.: Orchestral Works, Vol. 3 - Liliana / Suite Oriental / Elisenda (Barcelona Symphony, González)
発売日:2016年09月21日 NMLアルバム番号:8.573265
CD価格:1,600円(税込)
グラナドス(1867-1916)の管弦楽作品集の完結編。ここに収録された3つの作品からは、彼の作風がある時期に「オリエンタリズム」から「モダニズム」へと変化したことがはっきり感じられます。 「リリアーナ」は1911年に初演されたカタロニア語の台本を伴う音楽劇で、魅惑の森に住む魔法の存在を扱ったロマンティックな作品です。まるでリヒャルト・シュトラウス風の華麗な響きがふんだんに用いられていますが、残念なことに初演後、すぐに人々の記憶から消え去ってしまいました。わずかに残った断片をグラナドスの友人でもあったパブロ・カザルスが編曲し、4つの曲からなる組曲に仕上げています。 「オリエンタル組曲」はグラナドスの初期の作品で、こちらは中東/北アフリカ由来のメロディが印象的な異国情緒たっぷりの音楽です。「エリセンダ」は「リリアーナ」と同じく、アペレス・メストレの詩に基づく劇音楽で、本来は4曲からなる組曲でしたが、最後の1曲「リフレイン」は紛失。残されたスコアも様々な編成に移し変えられるなど、定着の難しい作品です。 今回の録音はピアノと室内オーケストラで演奏できる版を用い、ピアノが全体の背景を説明しながら、各々の楽器が語っていくという方法を取っています。牧歌的で美しい夢みるような世界が現れます。
収録作曲家:
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ラヴェル&ドビュッシー:
2台ギターのための音楽集 [クロマデュオ]Guitar Duo Recital: ChromaDuo - DEBUSSY, C. / RAVEL, M. (Music for 2 Guitars)
発売日:2016年09月21日 NMLアルバム番号:8.573286
CD価格:1,600円(税込)
このアルバムでは、ドビュッシーとラヴェルの名作を(一部を除いて)演奏者たち自身がギター・デュオのために編曲したものが演奏されています。これまでにも多くのギタリストがドビュッシーの音楽に惹かれてきました。セゴビアは自伝の中で「若い頃、アラベスクの第2番がお気に入りだった」と述べ、ジュリアン・ブリームも「ギターの音色はドビュッシーにふさわしい」と語り、またギタリスト、ジョン・ウィリアムズも「夢想」をはじめいくつかの作品をレパートリーにしています。 それに比べ、ラヴェルの音楽はあまりギター向きでないように思えるかもしれませんが、例えばこのアルバムの冒頭の「道化師の朝の歌」などは、道化師のよろめく足取りが見えてくるかのようで、編曲によっては素晴らしい効果をあげるものもあることが分かります。いずれの作曲家の作品にも、複雑なハーモニーと豊かなソノリティで曲に新しい命が吹き込まれています。
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ゲッツ(1840-1876):
ピアノ協奏曲 第1番&第2番
春の序曲 [カバッシ/マグデブルク・フィル/キンボー・イシイ]GOETZ, H.: Piano Concertos Nos. 1 and 2 / Spring Overture (Cabassi, Magdeburg Philharmonic, Kimbo Ishii)
発売日:2016年09月21日 NMLアルバム番号:8.573327
CD価格:1,600円(税込)
ドイツで生まれ、ベルリンで学んだ作曲家ヘルマン・ゲッツ(1840-1876)。本格的な音楽教育を受け始めたのは17歳の時と、かなり遅かったものの、ピアノをハンス・フォン・ビューローに学び、またカール・ライネッケの後押しを受けることでヴィンタートゥール市のオルガニストに採用されるなど、その音楽的才能は多くの人から認められていました。23歳の時にスイスに移り、この地で活発な演奏活動と創作活動を行いますが、病のため36歳で惜しまれながらこの世を去ってしまいました。 彼の作品は、マーラーが幾つかの作品を初演するなど一部の愛好家には大切にされていましたが、一般に広く行き渡ることはなく、一旦は忘れられてしまいました。しかし最近の「知られざる作品の復興」ブームに乗って少しずつ注目を集め始めています。このアルバムでは彼の2曲のピアノ協奏曲を収録。学生時代に書いた第1番は若干リストやワーグナー風であるものの、その6年後の第2番では、様々な試みがなされた独創的な作風を呈しています。
収録作曲家:
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チャイコフスキー(1840-1893):
ピアノ協奏曲 第2番
協奏的幻想曲 [ネボルシン/ニュージーランド響/スターン]TCHAIKOVSKY, P.I.: Piano Concerto No. 2 / Concert Fantasia (Nebolsin, New Zealand Symphony, M. Stern)
発売日:2016年09月21日 NMLアルバム番号:8.573462
CD価格:1,600円(税込)
チャイコフスキー(1840-1893)のピアノ協奏曲というと「第1番」ばかりが有名。その理由はわかりませんが、ともかく第2番や第3番を耳にする機会はほとんどありません。この第2番は、チャイコフスキーの妹の嫁ぎ先であるカーメンカに滞在中の1879年から1880年にかけて書かれた作品で、その少し前に失敗した結婚生活のショックは微塵も感じさせないほどパワフルな雰囲気を持っています。 第1番をニコライ・ルビンシテインに献呈するも、激しく酷評されてしまったチャイコフスキー。今作も同じくルビンシテインに献呈したところ、今度は受け入れてもらい、初演も引き受けてもらったのですが、残念なことにルビンシテインは初演直前に死去、セルゲイ・タネーエフがピアノを担当したというエピソードもあります。 劇的な作品で、とりわけ第2楽章の冒頭、ヴァイオリンとチェロのたっぷりとした二重奏が感動的なのですが、弟子のジロティが「ここは不要」とカットしてしまい、戦前から大戦直後まで多くの演奏がこの版を用いていましたが、最近では原典版を用いた演奏が主流。このネボルシンの録音も改訂なしの版が使われています。協奏的幻想曲は1884年の作品で、やはりタネーエフが初演しています。
収録作曲家:
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フローベルガー(1616-1667):
ハープシコードのための23の組曲 [ウィルソン]FROBERGER, J.J.: 23 Suites / Tombeau / Lamentation (G. Wilson)
発売日:2016年09月21日 NMLアルバム番号:8.573493-94
CD 2枚組価格:2,500円(税込)
バッハに先行する重要な鍵盤作品の作曲家として知られる初期バロック時代に活躍したフローベルガー(1616-1667)。若い頃イタリアに留学し、フレスコバルディの指導を受けた後、ハプスブルク皇帝フェルディナント3世のオルガニストに任命されます。そして外交官として各地を旅行し、フェルディナント3世の死後はアルザスに移住するなど、幅広い見識を身につけたことで知られています。 優れた鍵盤奏者であったフローベルガーは、その作品もほとんどは鍵盤楽器のためのもので、フレスコバルディから学んだ厳格なポリフォニーと、フランスのリュート音楽の形式を融合させた「組曲」を数多く創り上げました。アルマンド、クーラント、サラバンド、ジーグの4つが組み込まれるという組曲の形式は後の作曲家たちにも多大な影響を与えています。 とは言え、フローベルガーの作品にはまだ研究の余地が残されており、これまでの総譜も決して完全なものではありません。グレン・ウィルソンは様々な研究を重ね、今回23の組曲を選び出し演奏。研究者にとっても極めて貴重なアルバムとなっています。
収録作曲家:
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スタンフォード(1852-1924):
〈合唱音楽集〉
スターバト・マーテル
魂の歌/復活 [バッハ合唱団/ボーンマス響/ヒル]Stanford, C.V.: Choral Music - Stabat Mater / Song to the Soul / The Resurrection (The Bach Choir, Bournemouth Symphony, D. Hill)
発売日:2016年09月21日 NMLアルバム番号:8.573512
CD価格:1,600円(税込)
アイルランド、ダブリンに生まれ、幼い頃から優れた音楽教育を受けたスタンフォード(1852-1924)。父の「法律の専門家になってほしい」という希望に沿うことはなく、音楽の道を志し、トリニティ・カレッジのオルガニストに任命されます。その後、ライプツィヒに移りカール・ライネッケから作曲の指導を受け、彼が心魅かれていた合唱音楽を数多く書き始めます。その一つが、クロプシュトックによる「Die Auferstehung=復活」の短いカンタータで、ライネッケもその仕上がりに大層満足し「イギリスでの初演」を勧め、1875年に英語版での初演が行われました。マーラーが同じ詩に出会うのは1894年、ハンス・フォン・ビューローの葬儀の時であり、この作品は「復活交響曲」を完全に先取りしたものとして評価されることでしょう。 1906年に完成された「スターバト・マーテル」は大規模な管弦楽と合唱、ソリストを要する作品で、劇的な描写はまるでオペラを思わせるほど。世紀末の退廃的な雰囲気を漂わせながらも、荘厳で颯爽とした佇まいが印象的な作品です。
収録作曲家:
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ダンディ(1851-1931):
交響曲 第2番
思い出/イシュタル/フェルヴァール [ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管/タンゴー]INDY, V. d': Symphony No. 2 / Souvenirs / Istar (Royal Scottish National Orchestra, Tingaud)
発売日:2016年09月21日 NMLアルバム番号:8.573522
CD価格:1,600円(税込)
フランス音楽の伝統の中で、無視できない存在であるのがヴァンサン・ダンディ(1851-1931)です。彼の作品自体は「フランスの山人の歌による交響曲=セヴェンヌ交響曲」をはじめとした何曲かのみが、現代のレパートリーに残っていますが、パリ音楽院や彼と仲間たちが創設した「スコラ・カントルム」からはたくさんの弟子たちが巣立ち、フランス音楽文化を盛り立てた功績は非常に大きなものと言えるでしょう。 そんなダンディの交響曲第2番は、ブルックナーやワーグナー作品のような緊密な構造を持つ大作。陰鬱な序奏に導かれた第1楽章は、まるで中世のゴシック様式の大聖堂を思わせる重厚で荘厳な雰囲気を持ち、ゆったりとした第2楽章は穏やかな牧歌的風景を感じさせます。第3楽章は民謡風のメロディが様々な楽器で歌い継がれていき、鮮やかな情景が目の前を通り過ぎ終わります。そしてそのまま終楽章に移行、見事なフーガを経て最後は勝利のコラールで終わるという曲。密接な動機の関連性やオーケストレーションなどが興味深い作品です。 他には、亡くした妻に捧げた「思い出」、古代アッシリアの叙事詩に基づく「イシュタル」、ダンディの初のオペラ「フェルヴァール」の第1幕への前奏曲の3曲が収録されています。
収録作曲家:
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ストラヴィンスキー(1882-1971):
兵士の物語 - 組曲
八重奏曲/結婚 [楊天堝/ヴァージニア・アーツ・フェスティバル・チェンバー・プレイヤーズ/ファレッタ]STRAVINSKY, I.: Soldier's Tale Suite / Octet / Les Noces (Tianwa Yang, Virginia Symphony Chorus, Virginia Arts Festival Chamber Players, Falletta)
発売日:2016年09月21日 NMLアルバム番号:8.573538
CD価格:1,600円(税込)
ストラヴィンスキー(1882-1971)の生涯の中で重要な役目を果たした3つの作品を収録した1枚。1918年に完成した「兵士の物語」は全曲盤(8.57337)からの抜粋で、純粋に音楽のみを楽しめる“組曲”です。 1923年に初演された「八重奏曲」は当時管楽器を重用していたストラヴィンスキーが、夢の中で聴いた“管楽器のみの八重奏曲”に感銘を受け、翌朝作曲に取り掛かったという曲。ムダのない引き締まった伝統的な形式が用いられています。作品は当時の恋人で後に妻となるヴェラに捧げられています。 「結婚」はバレエ・リュスのために作曲されたバレエ・カンタータ。ロシア民謡詩を元に台本を構成、最初は大編成の管弦楽伴奏を構想するも、様々な理由で断念。4台のピアノと打楽器アンサンブル、合唱、独唱という形に落ち着き、1923年にエルネスト・アンセルメの指揮で初演された名作です。
収録作曲家:
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オンスロウ(1784-1853):
弦楽五重奏曲集 第1集 [エラン五重奏団]ONSLOW, G.: String Quintets, Vol. 1 - Nos. 20 and 26 (Elan Quintet)
発売日:2016年09月21日 NMLアルバム番号:8.573600
CD価格:1,600円(税込)
同性愛のスキャンダルから逃れるために、フランスに亡命していたイングランドの貴族を父に持つ古典派の作曲家オンスロウ(1784-1853)。貴族のたしなみとして狩猟を好み、その際の事故で聴力を失うというアクシデントのためか「フランスのベートーヴェン」と呼ばれることもある彼ですが、生活に困窮していたわけではなく、作曲活動はあくまでも趣味としてのもの。とは言え、その格調高いメンデルスゾーンを思わせる作風は、同時代の人たちにも大変愛されていました。この弦楽五重奏曲は、少し前の時代に活躍したボッケリーニの作品のようなチェロに重点を置いたものではなく、通常の弦楽四重奏にコントラバスを加えた「低音が際立つ」編成となっています。そもそも彼自身は初期の作品ではヴィオラ、もしくはチェロが2台という編成を取っていたのでが、コントラバスの名手ドラゴネッティと出合ったことで、アンサンブルにコントラバスを加えることを決意し、充実した低音を持つ五重奏が完成したのです。
収録作曲家:
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ライタ (1892-1963):
〈管弦楽作品集 第1集〉
交響曲 第1番
オーケストラのための組曲他
[ペーチ響/パスケ]LAJTHA, L.: Orchestral Works, Vol. 1 (Pécs Symphony, Pasquet)
発売日:2016年09月21日 NMLアルバム番号:8.573643
CD価格:1,600円(税込)
以前MARCOPOLOレーベルで発売され、好評を得ていたハンガリーの近代作曲家、ライタ(1892-1963)の作品集がNAXOSレーベルに再登場。ブダペストに生まれ、ライプツィヒ、ジュネーヴ、パリで学び独自の作風を身につけながらも、第一次世界大戦後にはハンガリーの民族音楽の研究に力を尽くしたライタの作品は、どれも興味深い面を持っています。 このアルバムに収録されている3つの作品のうち、Op.19の組曲は、タイトルには表示されていないものの、元々は古代ギリシャの作家アリストパネスの戯曲「女の平和」をバレエにした作品から取られた組曲で、風刺的な内容が上手く音にされた楽しい作品です。 「イン・メモリアム」は第二次世界大戦の犠牲者に捧げられた作品であり、全編に渡って無力感と悲しみに包まれています。交響曲第1番は、彼の本質がよく現れているとされる民族的な要素を持った作品ですが、当時の共産主義体制の抑圧の結果、残念ながら無視され続け、なかなか正当な評価が与えられることはありませんでした。このアルバムが世に出たことがきっかけとなり、ライタの再評価が始まったとも言える記念碑的な演奏です。
収録作曲家:
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ナイマン(1944-):
歌劇「妻を帽子とまちがえた男」 [トレビーニョ/シューヴァル/マクファーソン/ナッシュヴィル歌劇場管のメンバー/ウィリアムソン]NYMAN, M.: Man Who Mistook His Wife for a Hat (The) [Chamber Opera] (Treviño, Sjöwall, MacPherson, Nashville Opera Orchestra, D. Williamson)
発売日:2016年09月21日 NMLアルバム番号:8.660398
CD価格:1,600円(税込)
脳神経科医オリヴァー・サックス博士が自身の体験を元に著した「妻を帽子とまちがえた男」(日本語訳も出版されています)。なんとも奇妙なタイトルですが、この主人公P教授も実在していたのです。かつては大歌手であったP教授、現在は知覚障害を発症し様々な認知障害を抱えています。 このオペラが初演された1980年代は、まだまだこの症状について人々の認識は深いものではなく、日本では1970年代にブームになった「恍惚の人」という表現が知られていたように、アメリカにおいても、このようなオペラ形式で「認知症」を人々に知ってもらうという方法が取られたのです。サックス氏の文章は、P教授の奇妙な症状を客観的に紹介しながらも、その根底には共感と優しさが感じられることでも知られ、これを観た人はP教授に賞賛を送ることになるのです。 ナイマン(1944-)がこの物語につけた音楽はお馴染みのミニマルですが、決していらだつような雰囲気ではなく、どんな状況でも温かく包み込むような美しさを備えています。人間の尊厳とはなにか・・・そんな主題を孕む問題作です。
収録作曲家:
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Modernists [アラーム・ウィル・サウンド/ピアソン]
Chamber Music - LENNON, J. / MCCARTNEY, P. / WUORINEN, C. / RIHM, W. / THOMAS, A.R. / ORFE, J. / VARÈSE, E. (Modernists) (Alarm Will Sound, Pierson)
発売日:2016年09月21日 NMLアルバム番号:CA-21117
CD価格:2,240円(税込)
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ムーア(1979-):
〈作品集〉
海の貝殻の物語他 [バスゲート]MOORE, K.: Stories for Ocean Shells (Bathgate)
発売日:2016年09月21日 NMLアルバム番号:CA-21118
CD価格:2,240円(税込)
オーストラリアの作曲家ケイト・ムーアのチェロ作品集。演奏しているバスゲートとムーアは2009年に出会って以来、何度もコラボレーションを行っており、このアルバムでも「自然界の驚異と内なる声」を描いた6つの作品を生み出しています。切ないチェロの音色が美しい冒頭の「Whoever you are come forth 」、奇妙に歪められた音で奏される悲しみの音楽「ドロローザ」、チェロの短いモチーフの上で不思議な歌が奏される「壊れた十字架」など、鮮烈で衝撃的な響きに満たされています。
収録作曲家:
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ラング(1957-):
ナショナル・アンセム [ロサンゼルス・マスター・コラール/カルダー四重奏団/ガーション]LANG, David: National Anthems (The) / The Little Match Girl Passion (Los Angeles Master Chorale, Calder Quartet, Gershon)
発売日:2016年09月21日 NMLアルバム番号:CA-21119
CD価格:2,240円(税込)
cantaloupeレーベルの創立者の一人、デイヴィッド・ラング(1957-)。このアルバムはロサンゼルス・マスター・コラールの演奏による2つの作品を収録したもので、アメリカで人気を誇るコルダー四重奏団との共演による「ナショナル・アンセム」と、2008年、ピューリッツァー賞を受賞した「マッチ売りの少女の受難曲」(全曲としては世界初演)の2曲で構成されています。 一見、別のテーマを扱っているように見える2つの作品ですが、ラング自身は「国家という大きな世界と、少女の小さな世界は、どちらもお互いを理解することについての共通点を持っていて、周囲の人の苦しみに気づくことが重要だと考える」と述べています。
収録作曲家:
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Barley Moon [AYREHEART]
AYREHEART: Barley Moon
発売日:2016年09月21日
CD価格:2,560円(税込)
1960年代は音楽的にも数多くの新しい物が生み出されました。イギリスにおける「フォークロック」の動きもそんなひとつです。、フェアポート・コンヴェンション、スティーライ・スパン、ペンタングル、インクレディブル・ストリング・バンドなど多くのバンドがイギリスの伝承音楽にエレクトリックギターの音響を取り入れ、独特の世界を作り上げていきます。ただし、彼らは「古楽」と言われる音楽には手を出すことはなく、あくまでもオリジナルの音楽に目を向けていました。とは言え、最近ではもっと音楽のジャンルは流動的であり、例えばスティングが演奏したダウランドのアルバムは世界的なヒットになるなど、ミュージシャンたちも「古楽」というジャンルの自由さに気がつき始めてきたのではないでしょうか。 この「AYREHEART」もそんなバンドの一つ。ヴォーカルを担当するブライアン・ケイは現代の吟遊詩人であり、歌、リュート、コムズ(キルギス発祥の三弦楽器)を巧みに操り、ジャンルレスの音楽を奏でています。他のメンバーもそれぞれユニークで、なんとも楽しい音楽を聴くことができます。
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Re:Imagined
シューマン&ベートーヴェン
チェロ四重奏のための編曲集 [ベイリー/イン四重奏団]Chamber Music – SCHUMANN, R. / BEETHOVEN, L. van (Re: Imagined) (Bailey, Ying Quartet)
発売日:2016年09月21日 NMLアルバム番号:DSL-92204
CD価格:2,100円(税込)
チェロ奏者と弦楽四重奏団の共演というと、大抵の人はボッケリーニの五重奏か、シューベルトのハ長調の弦楽五重奏曲を思い起こすことでしょう。しかしチェリスト、ズィル・ベイリーは既存の曲を編曲することで、新しいレパートリーを生み出すことに成功しました。 このアルバムでもシューマンとベートーヴェンという意表をつく作品を取り上げ、納得の行く演奏を行っています。シューマンのチェロ協奏曲は作曲家であるフィリップ・ラッサーに助言を求めつつ、自身らで編曲を行うことで、シューマンの複雑な響きを余すことなくサイズダウン、緊密なアンサンブルを繰り広げています。かたやベートーヴェンの「クロイツェル」は1832年にアレンジされた(編曲者は不明)、いわばベートーヴェンと同時代の作品。こちらは原曲を拡大したもので、緊張が張り巡らされた原曲が幾分緩やかな曲調になっているところが面白いものです。
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ブルックナー(1824-1896):
交響曲全集[12枚組BOX] [シモーネ・ヤング指揮/ハンブルク・フィルハーモニー管弦楽団]Bruckner: Sämtliche Sinfonien(Simone Young & Philharmoniker Hamburg )
発売日:2016年09月21日
CD 12枚組価格:5,625円(税込、送料無料)
日本では「ブルックナーは女性に人気がない=女性にはブルックナーを理解するのが難しい」というのが定説であり、演奏会場でも公演曲目がブルックナーの場合は、聴衆のほとんどが男性という状況の中、このシドニー出身の女性指揮者、シモーネ・ヤングのブルックナーは新譜が出る毎に、素晴らしい評価を得てきました。 もともと歌劇場で鍛錬を積んできたヤングが得意とする作曲家はワーグナーやマーラー、そしてブルックナーなど後期ロマン派を代表する人たちであり、このブルックナー全集における、新鮮な音響と溢れる歌心、スケールの大きな解釈は他に類を見ません。初期の作品では異稿版も積極に取り上げ、後期の作品では緻密な構成と壮大な響きを生かした演奏は、BOX化が待たれていたものです。
収録作曲家:
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アブラハム(1892-1960):
喜歌劇「ヴィクトリアと軽騎兵」 [メルビッシュ祝祭管弦楽団&合唱団/レヴィ指揮]ABRAHAM, P.: Viktoria und ihr Husar [Operetta] (Schellenberger, M. Heim, Steppan, Sauerzapf, K. Fuchs, Mörbisch Festival Choir and Orchestra, D. Levi)
発売日:2016年09月21日 NMLアルバム番号:OC454
CD価格:2,025円(税込)
オーストリアのノイジードル湖上で開催されるメルビッシュ湖上音楽祭は、1957年に第1回が開催されて以来、毎年欠かさず上演され、多くのオペレッタ愛好家たちを大層喜ばせています。初期の頃は「こうもり」や「メリー・ウィドウ」などの有名演目が上演されていましたが、最近は知られざるオペレッタにも焦点を当て、次々と珍しい作品が上演されるようになりました。 2016年の演目もこれまたレアな作品である「ヴィクトリアと軽騎兵」というもの。ハンガリー出身のオペラ作曲家アブラハム(1892-1960)が1930年に発表した作品で、戦時中ロシアに捕らわれ、死刑を宣告されてしまった軽騎兵コルタイが、日本に逃亡。アメリカ大使館でかつての恋人だったヴィクトリア(現在は伯爵夫人)と出会うことで運命に翻弄されていく物語です。
収録作曲家:
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レーガー(1873-1916):
チェロとピアノのための作品全集 [シーフェン/ロイシュナー]REGER, M.: Cello and Piano Music (Complete) (Schiefen, Leuschner)
発売日:2016年09月21日 NMLアルバム番号:OC456
CD 2枚組価格:3,300円(税込、送料無料)
2016年、レーガー(1873-1916)の「没後100年」を記念して数多くの作品がリリースされていますが、このチェロとピアノのための作品集もそんな1枚です。ワーグナーにも匹敵するほど重厚な作品を書き、ドイツロマン派を代表すべき作曲家であるレーガー。オルガン作品ばかりが有名ですが、彼のチェロ・ソナタはブラームス風の雰囲気を持つ美しいもの。ドイツの伝統を受け継ぎながらも、晩年の第4番に出現する前衛的な部分は後のヒンデミットやショスタコーヴィチ作品の先駆ともなっています。 チェリストのグィド・シーフェンはこれまでにもバッハから現代まで数多くのアルバムをリリースし、とりわけ近現代の作品の演奏について評価の高い人です。
収録作曲家:
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R.シュトラウス(1864-1949):
アルプス交響曲 Op.64 [フランクフルト歌劇場管弦楽団/ヴァイグレ指揮]STRAUSS, R.: Alpensinfonie (Eine) (Frankfurt Opera and Museum Orchestra, Weigle)
発売日:2016年09月21日 NMLアルバム番号:OC891
CD価格:2,475円(税込)
2016年にも来日、レパートリーの広さで定評のあるドイツの指揮者セバスチャン・ヴァイグレ。OEHMSレーベルで進行中のこのリヒャルト・シュトラウスのシリーズは、ヴァイグレが「最も得意である」と語る作曲家であるだけに、どれも力の入った見事な出来映えを誇っています。 今回の「アルプス交響曲」はとりわけ多彩な響きを駆使した映画音楽のような作品であり、ヴァイグレはオペラで培った巧みな統率力と表現力で、雄大なアルプスの風景だけでなく、シュトラウス(1864-1949)が作品に秘めたニーチェの影響(アンチクリスト)までをも丁寧に描き出そうとするかのようです。
収録作曲家:
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Premiere!
〈フルート協奏曲集〉 [ジャコー/オーデンセ響/ビョルクマン]REINECKE, C.: Flute Concerto, Op. 283 / IBERT, J.: Flute Concerto / NIELSEN, C.: Flute Concerto (Premiere!) (Jacot, Odense Symphony, Björkman)
発売日:2016年09月21日 NMLアルバム番号:ORC100054
CD価格:1,950円(税込)
1987年ジュネーヴ生まれのフルーティスト、セバスチャン・ジャコー。彼は8歳でフルートを始め、イザベル・ジローに師事、15歳の時にはジュネーヴ高等音楽院に入学を受け入れられ、名手ジャック・ズーンの下で研究を続け、2010年に教育学とソリストのディプロマを得ています。その間に2002年と2004年にはスイスの青少年コンクールで第1位を獲得、2005年には「Jmanuel und Evamaria Schenk財団」から年間ソリスト賞を獲得しています。 なんと言っても彼の知名度を上げたのは2013年の神戸国際フルート・コンクールで最優秀賞と観客賞を得たことであり、日本の聴衆にもソノ名前が広く知れ渡ったのです。その後は第5回カール・ニールセン国際フルート・コンクールでも第1位を獲得、そのカリスマ性と音楽性、技術力が高く評価されました。すでにアバドが指揮するマーラー室内管で演奏したり、ストックホルム放送交響楽団、フィンランド放送交響楽団などと共演、2008年のサイトウキネンでは首席を務め、また世界各国でリサイタル、マスタークラスを開催するなど、その将来が期待されている奏者です。
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ロメオとジュリエット [ヘルテンシュタイン/シュ・ペイジン/ワン・ペイヤオ]
Romeo And Juliet
発売日:2016年09月21日 NMLアルバム番号:ORC100057
CD価格:2,080円(税込)
ドイツの若きヴィオラ奏者ヘルテンシュタインが、こよなく愛するというプロコフィエフの「ロメオとジュリエット」。彼は7歳の時にバレエを見てこの曲に魅了されたと言います。自らもダンサーである彼、最初は華麗なる踊りにひきつけられるも、20代になってからは、精緻なオーケストレーションに一層関心が向き、この多彩な音色をヴィオラで可能な限り引き出すことに挑戦を始め、舞踏と音楽の密接な関係を見事に表現することに成功したのです。ただこの作品だけではアルバムにするにはヴォリュームが足りなかったのです。 そこで彼が目をつけたのはショスタコーヴィチのピアノのための前奏曲でした。もともとツィガーノフによるヴァイオリンとピアノ版があったところを、更にヴィオラとピアノ用に編曲することで、原曲の持つ暗い色調が際立つ音楽として成立させたという彼の自負も含め、このエキサイティングな演奏をお楽しみください。
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ベートーヴェン(1770-1827):
〈交響曲全集 第2集〉
交響曲 第5番-第8番 [ラン・シュイ指揮/コペンハーゲン・フィルハーモニー管弦楽団]Beethoven: Complete Symphonies Vol. 2
発売日:2016年09月21日 NMLアルバム番号:ORC100059
CD 2枚組価格:3,000円(税込、送料無料)
中国生まれの指揮者ラン・シュイによるベートーヴェン(1770-1827)交響曲全集の第2集。デヴィッド・ジンマンに認められボルティモア交響楽団の副指揮者を務めた経験のある彼だけに、その解釈も「スコアを丹念に読み解き、行間に隠された音までをも探し出す」というジンマン譲りのユニークなものです。ニューヨーク・フィルではクルト・マズアのアシスタントを務めるなどベートーヴェンに関して素晴らしい実力を有しており、第1集でもその演奏が高く評価されています。 モダン楽器による演奏ですが、トロンボーンにはピリオド楽器を使用し、刺激的な響きを創り上げることにも成功しています。
収録作曲家:
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デュティユー(1916-2013):
〈作品集〉
夜想曲「同じ和音の上に」
音色、空間、運動 [ハーデリッヒ/シアトル響/モルロー]DUTILLEUX, H.: Sur le même accord / Les citations / Mystere de l'instant / Timbres, espace, mouvement (Hadelich, Seattle Symphony, Morlot)
発売日:2016年09月21日 NMLアルバム番号:SSM1012
CD価格:1,950円(税込)
前作のヴァイオリン協奏曲「夢の樹」(SSM-1007)で第58回グラミー賞「ベストクラシカル・インストゥルメンタル・ソロ」部門を受賞したモルローとシアトル交響楽団(ヴァイオリンはハーデリッヒ)によるデュティユーの第3集は、同じくハーデリッヒのソロによる「同じ和音の上に」を含む4つの作品集。アンネ=ゾフィー・ムターのために作曲された「同じ和音の上に」は小さな音列が少しずつ変化しながら、最初はピチカートでひそやかに、少しずつ盛り上がっていくという手法の音楽。一応“夜想曲”と銘打たれていますが、癒しの効果は全くなく、どちらかというとエキサイティングな作品です。 もちろんヴァイオリンの妙技も存分に楽しめます。様々な響きが美しい「2つの引用」、ツィンバロンの幽玄な音色が印象的な「瞬間の神秘」、初期作品の「音色、空間、運動」とどれも興味深い音響に満ちています。
収録作曲家:
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クープラン(1668-1733):
〈2台のハープシコードのための作品集 第2集〉
諸国の人々 他 [バックリー/シュワルツ]COUPERIN, F.: Music for Two Harpsichords, Vol. 2 (Buckley, J. Schwarz)
発売日:2016年09月21日 NMLアルバム番号:TOCC0258
CD価格:2,080円(税込)
フランスの名門音楽一家「クープラン家」の中で最も才能に恵まれていたフランソワ・クープラン(1668-1733)。数多くのクラヴサン曲を書き、そのどれもが個性的であり、また独自の光を放っています。彼は自作に楽しいタイトルをつけたことでも知られ、それは様々な女性の姿であったり、ちょっとしたものであったりと、面白いものばかりです。 この2台のハープシコードのための作品集は、第1集と同じく、通常1台のハープシコードで演奏するクープラン作品のうちの何曲かについて、クープラン自身が「2台で演奏するのが望ましい」と書き記していたという言葉を忠実に守ったもので、本来はヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音で演奏される「諸国の人々」も、チェンバロのみで演奏することで新たなニュアンスが生み出されています。
収録作曲家:
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ローズ(1916-1996):
〈合唱とオルガンのための作品集〉 [エストニア・フィルハーモニー室内合唱団/サルメ/ローズ]ROSE, B.: Choral Music (Estonian Philharmonic Chamber Choir, Salumäe, G. Rose)
発売日:2016年09月21日 NMLアルバム番号:TOCC0307
CD価格:2,080円(税込)
CHANDOSレーベルなどに幾つか録音がある指揮者グレゴリー・ローズ。彼の父バーナードは20世紀後半のイギリスにおける優れた合唱作品の作曲家として知られています。このアルバムはバーナード(1916-1996)の生誕100年を記念してリリースされたもので、どの作品も英国大聖堂の伝統を継承した、控え目ながらも時に爆発的なパワーを有した素晴らしい響きを持っています。 合唱を担っているのは世界的にも水準が高いことで知られるエストニア・フィルハーモニー室内合唱団。複雑なスコアをいとも容易く、また優しく歌い上げています。指揮はもちろんグレゴリー・ローズによるもので、世界初録音も数多く含まれた貴重な1枚です。
収録作曲家:
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フラー(1954-):
〈合唱とアンサンブルのための作品集〉
… cold and calm and moving
エニグマ I-VI
voices ‐ still [ヘルシンキ室内合唱団/ウーシンタ室内アンサンブル/シュヴェッケンディーク]FURRER, B.: enigma / voices – still / …cold and calm and moving (Helsinki Chamber Choir, Uusinta Ensemble, Schweckendiek)
発売日:2016年09月21日 NMLアルバム番号:TOCC0360
CD価格:2,080円(税込)
スイスに生まれ、現在はウィーンに拠点を置く現代作曲家ベアト・フラー(1954-)の作品集。彼は人間の声の可能性を追求し、いくつかの面白い作品を書いています。レオナルド・ダ・ヴィンチのテキストを用いた「6つのエニグマ」は力強いアカペラで歌われますが、時としてロマンティックな響きを纏いながら、柔らかい感触を聴き手の耳に残していきます。 古代ローマの詩人ウェルギリウスのラテン語の詩をフラー自身がドイツ語に翻訳したテキストによる「voices ‐ still」では自在なアンサンブルと声の共演が楽しめます。器楽のみの「… cold and calm and moving」はタイトルの通り冷たく静かな作品で、断続的に聞こえるハープの響きを縫って、各楽器が思い思いの歌を奏でていきます。
収録作曲家:
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タバコフ(1947-):
〈交響曲全集 第1集〉
5つのブルガリア舞曲
交響曲 第8番 [ブルガリア国立放送響/タバコフ]TABAKOV, E.: Symphonies (Complete), Vol. 1 (Bulgarian National Radio Symphony, Tabakov)
発売日:2016年09月21日 NMLアルバム番号:TOCC0365
CD価格:2,080円(税込)
マーラーの交響曲全集やヴェルディのレクイエムの録音などで知られる、ブルガリアを代表する指揮者エミール・タバコフ(1947-)の自作自演による交響曲全集のシリーズが始動します。リヒャルト・シュトラウスやマーラーを理想とするという彼の作品は、やはり壮大であり、また人間の暗部を探っていくような執拗さを持っています。 今のところ、彼の交響曲は9曲ありますが、ここで最初に取り上げられたのは2007年から2009年に書かれた「第8番」で、これは2つのゆったりとした楽章と激しい1つの楽章で構成された面白いもの。第1楽章の冒頭は確かにマーラーやショスタコーヴィチの暗さを継承していますが、全体はわかりやすく親しみ易い曲調です。2011年のブルガリア舞曲も懐かしいメロディに溢れた作品であり、優れた指揮者であるタバコフのサービス精神の表れといった、聞かせどころを心得た作品です。
収録作曲家: