カランカラーン (ドアの開く音・・・)


『ようこそ BAR 文房具カクテル へ』


さてさて、文房具好きの皆様が揃ったところで
今宵も文房具の話に花を咲かせ美味しいお酒の肴にして下さい。


3drink 〜トラッドな文房具U〜


前回のお話ではVANのボタンダウンと『カステル9000番パーフェクトペンシル』でしたが今回は同じドイツで産業革命の波を受け1835年にヨハン・セバスチャン・ステッドラー(J. S. Staedtler)によって会社化されたステッドラー社のルモグラフと短くなった時に使用するペンシルホルダーです。

17世紀頃の鉛筆は、棒状にした黒鉛に糊をつけて木軸に挟み込み、糸で縛って固定していた。1900年には、トレードマークの『マルス』を登録し1930年『マルス製図用鉛筆』を『マルス・ルモグラフ』へと改名しステッドラーの鉛筆として”最高級”に値する作りとなっています。軸にはカリフォルニアシーダ材を使用しやや細めの軸には、湿気を防ぐためステッドラーブルーの塗装を3層施してあるのです。私もこの鉛筆の大ファンであり鉛筆の濃さを示す高度では『H』こよなく愛用させて頂いています。

『何か新しい事を始めよう』そう思う時に必ず鉛筆を愛用しています。ノートに鉛筆で書くときの音で『カサカサ』と紙と芯が擦れる音が心地良いのです。また鉛筆を削る時の『間』が絶妙なタイミングでやってきて考えを纏める時に役に立ちます。このようなご経験を皆様お持ちではないでしょうか? 

ただ、その削る事によって絶妙の間をもたらしますが短くなってしまうと言う代償を払わないといけません。

しかし、短くなった鉛筆を元の長さに蘇らせる魔法の?補助軸『ペンシルホルダー』が2005年ステッドラー社より発売されました。これは前回のパーフェクトペンシルとは違い、短くなった鉛筆を持ちやすい長さに蘇らせ後ろには消しゴムまでついた優れものなのです。この魔法の補助軸を使うと持ちにくくなった鉛筆が最後まで使えるようになるのです。小さくなったなった鉛筆は非常にかわいくて見ているだけで今度は心を癒してくれます。

(本当にそのような気持ちになりますよ・・・)

少し、話は横道にそれますが1960年代にブームになった『SEIKO 5』や『シチズンジェットオートデーター』を皆様はご存知ですか?

前回のお話の中で出てきたVANのボタンダウンにぴったりな時計が『SEIKO 5』なのです。
自動巻き特有の『ジー』と言う音と鉛筆で書くときの音『カサカサ』は正に自動巻きの感覚と同じなのです。筆記具としては非常に廉価版ですがこの味わいは多分、幼少期の頃の感覚が忘れられずいるからだと思います。

お近くの文房具店へ行き 鉛筆を購入してカサカサ感を是非味わって下さい。(お安いお買い物ですぞ・・・)


ステッドラー 鉛筆「マルス・ルモグラフ」
ステッドラー「ペンシルホルダー」

*ナガサワ文具センター「楽天市場店」でも扱っています。

ステッドラー 鉛筆「マルス・ルモグラフ」

ステッドラー「ペンシルホルダー」

『SEIKO 5』

『シチズンジェットオートデーター』




・2007.05.21 3drink 〜トラッドな文房具U〜