Red Wing "Classic Dress" and Oxford

ベックマンブーツをはじめとするレッド・ウィングの「クラシックドレス」ラインは、
1905年のレッド・ウィング社の創業から1930年代終盤、
靴やワークウェアが多分にフォーマルであった時代を背景として、
当時のレッド・ウィングの靴のテイストを生かして作られたものです。

装いにおいて、ワークとドレスの境界が明確でなかった時代です。
靴は、おしなべて革か硬質ラバーの薄い底を持ちヒールを釘で打ったものでした。
靴の丈も全体的に高く、屋外での作業用の靴の多くは膝下丈のものでした。
オフィスワーカーでも、当時、開拓期の終盤にあった中西部(ミネソタ州レッド・ウィング市)の
環境のせいか、6インチ丈程度のブーツなどを履いていたようです。

そうしたことから、創業当時から、1920年代中ごろまでのレッド・ウィング社のカタログでは、
主に6インチ丈から膝下丈のブーツを揃えており、
短靴はスポーツ用などがわずかな点数入っているのみです。

1920年代後半。アメリカ好景気に沸き、都市環境は整備され、
自動車が普及しました。
それにつれ、靴の丈も次第に短くなり、
レッド・ウィング社の品揃えにも短靴が増えてきました。

1930年代には、大恐慌を経て、ワークブーツの丈はさらに短く、
よりシンプルでコストパフォーマンスの高いものへと移行する中で、
軽作業からフォーマルな用途に幅広く使える短靴も増え、
その後のサービスシューの原型となるタイプの靴が増えてきました。




Mil-1 Oxfordはそうした時代に端を発する
レッド・ウィングのオックスフォードをベースに、
後の時代にアメリカのミリタリー・オフィサーシューズ・ラストに
広く使われたラスト「Mil-1」ラストを用いて作った
アメリカの正統的オックスフォードです。

 

 

 

Mil-1 Blucher Oxford
9086 9087
オーソドックスな、プレーン・トゥ、外羽根(blucher)タイプ。レザーはキャバリーチャッカ用に新たに開発した、「エスカイヤ」レザーを使用しています。
キメの細かい肌質のヘファーハイド(若い未経験の牝牛の皮)のみをなめし、染色後に銀面(革の表面)をレジンで固めた、かつてはペニーローファーによく使われたタイプのレザーです。
靴の仕上げ段階でバフで磨くことで強めの艶を出しています。
タンナリー発祥の地の名を与えられたこのレザーは、厳選された最上級のハイドのみからなめされるプレミアムレザー。
独特の深みと輝きばかりでなく、ワークブーツに求められる耐久性をも兼ね備えています。
Mil-1 Saddle Oxford
9088 9089
もうひとつのMil-1 Oxford、サドルにはベックマンブーツと同じ「フェザーストーン」を使用しています。
染色時に加えるワックスとアニリン系の専用で仕上げた透明感ある色合いが特徴です。