そうです、間違いなく恋の季節です。外では震える手を握り合い、家では身体もたれ、相暖まる。ギャル男の僕も冬にはそうした経験を…、妄想をしたものです。
とにかく気象庁いわく、今年は寒い冬が来るのだから、帽子とかマフラーとか、そういうものも暖かいものを探そうと思います。ロシアの帽子とか、秋田のマタギが履いてる藁の長靴とか…、そんなテンションで集めてみました。
そして例によって、冬のおすすめ映画コーナーも開設しております。カップルもファミリーも、家で王長ミカンでも食べて素敵な映画を観てほしいです。
「いやー、冬って本当にいいもんですね~」(古いか?)。
モデル:Kentaro Yamate, Shade Marina
写真・文:Kazunori Iwata
文:Chie Murakoshi
スタイリング:Marei Masaki, Kentaro Yamate

ペッカリーレザーとカシミアと

デンツの手袋は、装着していることを忘れるほど手に馴染むから「シークレットフィット」などというらしいです。ほんとか? 横山やすしの「メガネ、メガネ」状態か? さすがにそれはないだろ…。まあ、ファッション関係者にはいいかげんなこと言う人が多いからな。(オレも含めて)
とにかくいちばん暖かそうな手袋ということで、迷わずこれを選びました。手袋の工芸品ですな。レザーはペッカリー、内側はカシミア。ジョンストンズ社に特注したカシミアだそうです。去年僕がモダンブルーで買ったレザーグローブが霞んでみえますな…。

スキー場に行きたくなるよな、恋人でもつくって…さ。

ノルディック柄のコンテンポラリー版みたいなマフラーです。ずばり、スキー場に行きたくなるマフラーですな。
スキー場といえば、ずばり恋人たちの宿泊デートコースで、やはり僕はそんな経験をしたことがないので、きっと映画やドラマだけのファンタジーなんでしょう。「私をスキーに連れてって」とか、ルルーシュの「白い恋人たち」とか。バカやろう、恋人たちがスキー場を舞台にっていう時点で、ぜんぶ駄作なんだよ…駄作に決まってるよ。
でもマフラーはこんな厚手のふわふわしたものが欲しいです。ウールにアンゴラを混ぜたモヘア仕様。全長2メートル近いボリューム感も良し。ディースクエアードです。

素敵なポンポンつき

ニットキャップもいろいろありますけど、こういう頭頂にポンポンがついたもの、今さらながら新鮮でいいですなぁ。なによりスキー場に行きたくなる。…って、また同じ話の流れか。ダメだなオレは…。
とにかくポンポンです。ミニポンポンもたくさんついていて、かなり手の込んだ帽子です。100%ウール、ローゲージで贅沢に素材を使ってます。
貧しい黒人が「オレは種馬、マイクを炎で包んでやるぜ」とラップしながら、ニューヨークの厳しい寒さを防ぐためピタピタのニット帽を被ってる…。こんな具合に、このごろはエッジなイメージが普通になってきたニット帽ですが、そういうのとは違います。ロバート・レッドフォードのようなカッコ良くて優しくて知的な白人がリゾートスキー場で被りそうなポンポン付きニット帽、いかがでしょう?
素晴らしき哉、人生!(1946米)
田舎の家督を継いだジョージ(ジェームズ・スチュアート)は、貧しい人たちのため利益を削り商売をしている。ところが悪徳銀行家に会社の資金を奪われ、クリスマスイブ、家族に贈るプレゼントもない状況に。ジョージは絶望の中自殺を図ろうとするが…。
監督は名匠フランク・キャプラ。アメリカではどの大学の映画学科でも教材として使うほか、クリスマスには必ずTV放映される定番映画で、もっともアメリカらしいアメリカ映画と言われています。
アメリカ人の正義には虐殺の歴史という翳りがありますが、そうした翳りを一切なくすと、こんなにもピュアな正義が飛び出してくる。そしてそういうピュアネスを演じれるのは、やはりジェームズ・スチュアートという名優だけなんですな。

冬が待ち遠しくなるブーツ

高級感のあるラビットファーをたっぷりと身に纏った、見るからに温かそうなエンジニアブーツ。シンプルな装いの足もとに視線を引き込むには、これぐらい大胆なデザインの方が大人には似合う。
温かいファー部分は折ったり、伸ばしたりと気分にあわせてアレンジできるのが嬉しいポイントです。「世界一美しいジョッキーブーツ」と謳われているサルトル。さすがです。エンジニアブーツも美しい!

オーラ全開の優美なマフラー

グラマラスにボリュームを操り、美人オーラを放つのがファーアイテム。ダークになりがちな秋冬のコーディネイトに一点投入するだけで、予想以上の華やかさが手に入ります。
そんなファーアイテムの中でも珍しいマフラー型がカールドノヒューにありました。くるくるとカールした毛足の長いモンゴリアンラムをたっぷりとあしらったマフラーは歩くたびに優雅に揺れ、気分が上がります。急なパーティや食事会の時でも、慌てなくて大丈夫。ニットやジャケットの上にくるっと巻くだけで、着こなしにインパクトをもたらせてくれます。

小物だって重要です

これからの季節に欠かせない冬小物といえばグローブ。せっかくなら着こなしのポイントになり、保温性の高い1組を選びたいもの。
クオリティに定評のある老舗ブランド「デンツ」のグローブはファーのライニングを使用しているのに、シュッとしたシルエットがスリムで美しい。艶のあるレザーが相まって、まるでアクセサリーのような存在に。
寒くなったらジャケットやコートのポケットに手を入れて…いえいえ、大人の女性はそんな事はしません。温かいグローブをはめて颯爽と歩くのです。周囲の視線を惹きつける凛とした姿。このグローブを手に入れれば、きっとなれるはず…
冬物語(1992仏)
フェリシーにはシャルルという男がいる。でも今や連絡先もわからず生き別れ状態で、彼との間に生まれた娘とパリで生活している、図書館員の男や勤め先の上司と身体の関係を持ちながら。でもそんなあるとき、ばったりシャルルと再会し…。
監督はエリック・ロメール。女1人男3人の四角関係、冬のパリを舞台に決してロジカルには動かないフェリシーの、相手を翻弄するような心の動きがリアルに描かれていきます。
ロメールの映画はよく「おしゃれなフランス映画」みたいに言われますが、フランス人の素朴な日常会話をそのまま切り取った映画ばかりです。ほかにも「春のソナタ」「夏物語」「恋の秋」と名作が続きますが、この「冬物語」がシリーズ構想の起点となった作品であり、いちばん女の強烈な性を描いているように思います。
メンズ使用アイテム
マフラー(DSQUARED2)
レザーコート(SALVATORE SANTORO)
コーデュロイパンツ(INCOTEX SLACKS)
グローブ(DENTS)
ブーツ(BUTTERO)
シャイニング(1980米)
コロラド山中のホテル。冬の間だけ管理人として働くため、小説家のジャックが妻子を連れてやってくる。支配人が言うには、閉ざされた冬のせいで過去に頭がおかしくなり妻子を惨殺して自殺した管理人がいたという。自分には関係ないと笑い飛ばすジャックだったが、徐々に彼の言動はおかしくなってきて…。
失敗作が多いといわれるスティーヴン・キング原作映画の中で、原作以上に成功した上に、今やホラー映画の金字塔とまで呼ばれるに至った名作。初めてステディカムを導入した映画、1シーンで148テイクも重ねた映画…などなど、何かと逸話の多い作品です。
しかしホラー、それも心理ホラーですが、ぐらぐら人の心を揺らしていきながらあくまでシンメトリーでスタティックな幾何学的ビジュアル。キューブリックの映画魔術です。
それにしても究極の冬の映画ですなぁ。冬のせいで頭がおかしくなるところまでいくなんて…。同じキング原作で「ミザリー」という、こちらも冬、おばさんの頭がおかしくなるホラー映画がありましたな。
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