シリンダー型式別・交換可能パーツ集




 住宅用BL(ベターリビング)規格対応商品として制定され、複数メーカーから同一規格で開発された錠で、室内側に四角い箱状の本体が露出して設置されている事から「面付箱錠」とも呼ばれています。画像のノブ式のものが一般的ですが、後年、バリアフリー用途としてレバーハンドルタイプも発売されました。

 このタイプは、現在ではバリアフリー要素を加味して継続生産されており、CP規格対応商品としても、若干のスペック変更を加えて発売されています。対応可能な交換用のシリンダーが少ないメーカーもありますが、錠本体の取り付け寸法は他社メーカーと同一ですので、MIWAのRAと本体ごと交換することで、ここにある多彩なシリンダーを採用することができます。

 この錠のシリンダーは室内側の箱状本体に直接連結されています。交換する場合は、本体を取りはずことになります。

MIWA型式刻印

要注意型式
GOAL型式刻印
 要注意型式の刻印のものは、製造年式によってシリンダー交換がが不可能な場合がある物を指します





※SHOWA、ALPHEAに関しては、メーカー名以外の型式刻印はありません
SHOWA型式刻印
ALPHEA型式刻印

<RA(BL)装飾錠タイプについて>
BLタイプの錠は、全社とも、BL錠ケースを利用した装飾錠があります。外部がサムラッチ(親指でつまみを押して開けるタイプ)となります。
装飾錠タイプであっても、一般のRAシリンダーと交換が可能です。ただし、色がシルバー系に限定されることがあります。


MIWA RA
「82RA」「85RA」といった刻印がある錠は「RA」という商品になります。このタイプの錠としては、もっとも普及したタイプで、交換用部品も唯一充実しています。同型であっても刻印が違う旧式の中には、シリンダー交換ができないものもありますので、ご注意ください。
RA対応シリンダー (画像をクリックすると販売ページに、タイトルをクリックするとシリンダー解説へ、それぞれ飛びます)
複製難易なスティックキー
Q-18のMK対応型
防塵シャッター搭載機
ディンプル最安価シリンダー
カバのスタンダード仕様
カバのOEM製品
美和の現行標準シリンダー
U9のリバーシブルタイプ
GOALの最上位機種
U9のディンプルキータイプ
標準的ディンプルシリンダー
ドイツの老舗メーカー製品
LAが簡単に暗証番号錠に!
LAが簡単にリモコン錠に!
RA対応、対策サムターン (画像をクリックすると、販売ページに飛びます)
金属製サムターン用
カバー脱着、後付タイプ
樹脂製サムターン用
押して回す後付けパーツ
 RAには、旧型の金属性サムターンと、現行の樹脂製サムターンがあり、形状が異なりますます。それぞれ専用のサムターン回し対策グッズがあります。
 なお、最新のサムターン回し対策機能を搭載した「官民合同会議合格錠(CP錠)」と、本体丸ごと交換することが可能な場合があります。
MIWA官民仕様錠

RA対応、補修・修理用部品 (画像をクリックすると、販売ページに飛びます)
補修交換用ケース
補修交換用ケース
サムターン回し対策/補修用



GOAL MXシリーズ
 MXにはノブタイプ(MX)とレバーハンドルタイプ(MXL)がありますが、どちらもシリンダーは同型です。
 最近生産された製品以外では、片ピン(6ピン)シリンダーからV−18へのバージョンアップ交換はできません。交換したい場合は、本体ケースごと交換しなければなりまぜん。
 この製品はMIWA RA」と、一切の加工をすることなく交換することが可能です。「RA」は交換できるシリンダーの種類が多彩で、選択肢が広がります。また、「MX」にはあまり制定されていない、本格的なサムターン回し対策グッズも導入できます。

MX対応商品 (画像をクリックすると販売ページに、タイトルをクリックするとシリンダー解説へ、それぞれ飛びます)
カバのスタンダード仕様
標準的ディンプルシリンダー



SHOWA BLシリーズ
 BLにはノブタイプ(BLK)とレバーハンドルタイプ(BLL)がありますが、どちらもシリンダーは同型です。ただし、ケース等に一切の型式刻印がありませんので、外観的に製品を判断していただくほかありません。
この製品は、片ピン(6ピン)シリンダーからXキーへのバージョンアップ交換はできません。交換したい場合は、本体ケースごと交換しなければなりまぜん。
 「MX」についてはMIWA RAと、一切の加工をすることなく交換することが可能です。「RA」は交換できるシリンダーの種類が多彩で、選択肢が広がります。また、純正品には制定されていない、本格的なサムターン回し対策グッズも導入できます。

 なお、「ショウワ(旧昭和ロック)」は、数年前に一度倒産しましたが、現在は別資本により「ユーシン・ショウワ」として継続されています。

カバのスタンダード仕様
標準的ディンプルシリンダー










「防犯性の高い建物部品の開発、普及に関する官民合同会議」合格錠(CP錠)   
 平成16年4月より認定取得商品の発表を行っている「CP錠」は、ピッキング、サムターン回しなどの頻発する手口はもとより、ドアのこじ開け破壊に至るような手口も含め、10分以上の耐久を示す高度な防犯性能を有する製品についてのみ添付を許されれる認定です。(ただし、ドアの強度まで含めた試験を経るので、錠のみでの耐久強度ではありません)

 RA、MXなどについては、従来の切り欠きと同等で設置できる錠がラインナップされています。全体強度も魅力ですが、特にサムターン回し対策において、従来の「防犯配慮商品」とは一線を画す、本格的な「防犯仕様」が実現できることが最大の特徴と言えるでしょう。
ただし、デッドボルト(かんぬき)の長さが20mmと、従来よりも2mm長くなっているため、交換した場合に障害にならないかどうか確認を要します。
デッドボルト(Dの寸法)が2mm長くなります。奥行きに余裕があるかどうか確認が必要です。奥にぶつかる場合はご使用になれません。
BLタイプ錠の弱点とは

 国内では、欧米諸外国とは逆で、玄関扉が外側に開く、いわゆる外開きドアが主流です。しかしその場合、かんぬき(デッドボルト)などの錠の主要部がドアと枠の隙間から丸見えとなり、バール等での攻撃のターゲットになるため、防犯的に脆弱であるとされていました。その弱点の克服と、設置加工の簡便さを追及して誕生したのが、面付け玄関錠と言われる公団錠なのです。RAなどのBLタイプもその流れを汲んでいます。
 このタイプは、かんぬきなどが室内に露出するため、室外からの攻撃を直接受けることもなく、安全だとされていました。しかし、初期の面付け錠が開発された当時に同時に開発された鋼製の扉であればそうだったのですが、その後主流になった薄い鉄板製の扉(ライトスチールドア)では、錠がつぶれるより先にドア自体が簡易に変形し、結果、バールでこじ開けられる被害が見られるようになりました。RA等が本格的に生産され始めた80年代からは、ほとんどの扉がそういったものに変遷してしまいましたので、従来の面付け錠の優位性が薄くなったと言わざるを得ませんでした。今回のCP錠でかんぬきが長くなったのは、それを少しでも緩和するための措置です。
RAタイプ対応、CP錠 (錠画像をクリックすると販売ページに、シリンダー画像をクリックするとシリンダー解説へ、それぞれ飛びます)
MIWA官民仕様錠
PR-RVAケースセット
GOAL官民仕様錠
V-MXJケースセット















MIWA RA シリンダー交換手順
(1) まずハンドルをはずしましょう

レバー(ノブ)の部屋側の根元にあるハンドル固定用のビスを、逆時計回りに回し、はずします。
室内側ハンドルは、その後、そのまま引き抜くことができます。室内側が外れたら、室外側も引っ張り抜くことができます。
(2) 本体ケースをはずしましょう

室内側に露出した面付けのケース(本体)にある3本のビスをはずすと、本体が外れます。



(3) シリンダーをはずす

シリンダーは、ケースに固定されています。
シリンダーを固定したプレートを止めている4本のビスをはずすと、シリンダーが取れます。
<ご注意ください!>
シリンダーを固定しているビスは本来の締め込みが固いため、ドライバーを空回りさせ、ねじの頭を潰される方が多いようです。必ずドライバーを強く押し付けながら回してください。軽く当てると空回りしやすくなります。また、必ずサイズが合ったドライバー(+の2番)をご使用ください。
一旦ねじ山が潰れると、DIYでは、はずすことが困難になります。もしそうなった場合はすみやかにご相談ください。
(4) シリンダー固定プレートについて

はずしたシリンダーを後ろから見たところ。
MIWAロック純正品の場合、シリンダー固定プレートは画像のように上下に分離します。固めにはまっている場合もありますから、強く引っ張るか、ドライバーの柄で軽く叩き落すなどしてください。
なお、製品によっては、違った形式の専用固定プレートが付属したものもあります。各シリンダーの取り扱い説明書をご参考に作業してください。
(5) シリンダーを取り付けましょう

(3)の逆の手順で新しいシリンダーをセットしましょう。
セットし終わったら、一度鍵を挿してみて、施錠動作が正しく行われるか、動きが重くないかを確認しましょう。
シリンダー交換のみの方は、あとはドアに取り付けなおせば終わりです。
ドア錠全交換の場合の手順
(6) 本体交換の場合

本体すべてを交換する場合は、上記(2)の状態まで行った後、さらに表にある長座プレートまではずさなければいけません。
本体ケースの下にある押さえプレートにある2本のビスをはずします。ビスをはずすと、表の長座が脱落しますので、床に傷がつかないように押さえながら作業しましょう。
(7) 取り外し作業完了

押さえプレートは、一部がドアに開けられた切り欠き穴の中に差し込まれた状態になっています。横にスライドさせるような感じで引き抜きます。

あとは、逆の手順で、BLタイプの新規錠を設置することができます。