LSPタイプ・シリンダー、サムターンの交換方法 |
LSP(SWLSP)、LE(アパート用)は、サムターンとシリンダーをビスで呼び込んだ(つないだ)だけの簡単な構造ですので、交換も容易です。ただし、サムターンの形態におおまかに3つのパターンがあり、それをはずす方法がわからないという問い合わせが少なくありません。
※ LSPタイプは他の錠にあるように、フロントプレートを取り外す必要はありません。はずすとケースも外れるため、フロントははずさないでください。
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(1) まず、ビスを露出させる
呼び込みビスをはずせば、シリンダーも簡単に外れます。しかし、そのビスが外から見えない場合が多いので、みなさん迷われ、LAやLDと同様にフロントプレートをはずし、さらに混迷してしまうことがあるようです。
まず、そのビスを出現させる方法を確認しましょう。以下のように、おおまかに3つのパターンが確認されています。
■ カバー付きタイプ ■
サムターン本体でビスが隠蔽されているタイプ |
■ カバーなしタイプ ■
外観的にビスが露出しているタイプ |
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A、ねじ込み型 |
サムターン台座を逆時計回りに回すと外れる。
シリンダーと繋がっているのは左右のビスで、上下のビスはサムターンをドアに固定するものだから、シリンダー交換時にははずす必要はない。 |
採用が多い型式 : LSP |
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B、ワンタッチ型 |
カバーを強く押し込んだだけのもの。ねじ込み式同様にはずそうとしても空転するだけなので、問い合わせが多い。
サムターン台座の根元に勘合用のくぼみがあるので、細い-ドライバーをあて、こじてはずす。 |
採用が多い型式 : LESP |
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C、ビス露出型 |
露出しているビスを、単純に回すだけ。
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採用が多い型式 : LE |
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(2) ビスを緩める
サムターンの左右にあるビスを緩めると、シリンダーが外れます。シリンダーを押さえて作業しないと、落ちて傷がつくことがあります。
(3) シリンダーをはめる
シリンダーのリングカラーが、ネジの要領で動きます。それをおおむね最大に緩め、シリンダーの台座にある4本の爪(黄色い囲み)とセンターのカムを正しくはめます。
その後、サムターン側の呼びビスを締め込み、シリンダーを固定します。この際、あまりビスを強く締めすぎると、ドアがたわんだような状態になるので、シリンダーががたつかなくなっる程度でやめます。左右の締め込み量のバランスに気をつけ、同じぐらいの強さであることを確認します。
(4) リングを固定する
緩めておいたリングカラーを締め込み、リングとドアの隙間をなくします。心持ち強めることで、緩めに締めた呼びビスが引っ張られ、固定が強くなります。
締めこみ終わったあと、呼びビスが緩んでいないかを確認し、緩いようなら少し締めてやりましょう。
カバー型サムターンがある場合はそれをはめて、完了です。 |
LSP、LEタイプ・交換トラブルシューティング! |
● シリンダーが固くて回りにくい
シリンダーの爪やカムが、うまくケースの穴にはまっていないことが考えられます。また、下のように、ビスを強く締めすぎたり、サムターンのカムバーの位置が正しくセンターに来ていない場合などにも、そのような状態になることがあります。いったん緩めて、確かめてみましょう。
● 呼びビスは、あまり強く締めない
あまりビスを強く締めすぎると、扉の表面がたわんだみ、見た目がおかしくなったり、シリンダーの動きが悪くなることがあります。このシリンダーの最も重要な部分になりますので、くれぐれも気をつけてください。
● カム送り対策について
LSP、LEは「カム送り開錠」は当初から対策済み、と言うか、不可能な機種です。あらためて対策を施す必要はありません。また、リングは設置後も回せば動きますので、どうしても気になるようなら接着剤などを併用するぐらいしか方法はないでしょう。ただし、リングが動くからといって、防犯性能にはさほど変動はありません。
● 施錠状態でキーが抜けない カム方向について
施錠はするが、その状態ではキーが抜けず、キーを抜こうと戻すと、デッドボルトも引っ込んでしまうといクレームが、よく寄せられます。従来の「ディスクシリンダー」が設置された錠ケースの一部には、カムの方向が「縦向き」でなければ、施錠操作が出来ないものがあるのです。LSPではおおむね問題ありませんが、LEの一部でそういったケースが確認されています。なぜそのような状態になるかと言うと、シリンダーとケースの相性の問題です。
以下、そのなぞを解くための、横向きカムでのカムの動作の概要です。
- キーを抜き差しできる位置 シリンダーカム(緑色の横棒)は横を向いています
- キーを回している状態 シリンダーカムに押されて、ケースカム(赤色の円形)が回転します
- キーを回し終わり、かんぬきが完全に出た状態 シリンダーカムは45度移動しました ですが、この状態ではキーは抜けません
- キーを抜ける位置に戻す 現在の交換用シリンダーのほとんどは、3から1の位置(キーを挿した位置)まで戻さなければ、キーは抜けません。
「施錠状態でキーが抜けないケース」とは、シリンダーカム(図では緑色のバー)を3から4の位置に戻そうとした時に、遊びがないがために、ケースのカム(同、赤い丸い部分)も一緒に戻ってしまうものを言います。そのケースは、キーを最初に挿す状態で、すでにケースカムが4の状態になっているのです。その状態で、2と同様の方向に回るものであれば、回転はできてデッドボルトは出せるがその状態ではキーが抜けず、キーを抜こうと戻すと、デッドボルトも引っ込んでしまうというわけです。ディスクシリンダーの場合は、「縦向きカム」であり、かつ、4の作業が必要なかった(3の状態でそのまま抜ける)ため、問題のケースでも操作が可能だったわけです。
上記シリンダーリストで黄色の枠で囲まれた製品については「横向き」で固定されているため、そのようなケースでは使用することができません。他のシリンダーについては、どちらでも使用できるように、方向交換用のカムが付属していますので、それを取り替える(細めの+ドライバーが必要)ことで、どちらでも使用できるようになります。まずは、欲しいシリンダーに適合するケースかどうかを確認しましょう。方向性の確認に不安がある方は、後者のシリンダーからご選択いただくほうが無難です。
なお、対応不可なケースがついていて、なおかつ横向き専用シリンダーを使用されたい場合は、シリンダーカムを別途部品に取り替える、ケースを対応可のものに取り替えるといったことで対応が可能ですので、ご相談ください。(別途料金がかかります) |
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