湯のし・湯通し

"湯のし"と"湯通し"の違いは?

湯のし= 反物に蒸気をあてて仮仕立て跡のスジを消したり、仕立ての際不都合のないよう
   に反物の巾を一律になるように揃えたりする。

   湯通し= きものを水に通すことで製造の過程で使われる、不要な糊の成分(カビの原因と
   なりやすい)を落とし、その後乾かす過程で湯のしの様に整反する。

   水に通したり、乾かしたりする分だけ"湯通し"の方が費用の面で割高になりますが、先染
   めのきものなどは(紬系)特に不要な糊の成分を多く含んでいるので"湯通し"をすることが
   多いようです。後染めのきものに関しても同様の効果を期待する場合は湯通しをした方が
   よいようです。

"湯のし"や"湯通し"はしなくてもいいの?

最近では店頭に並んだ状態ですでに湯のし等が施されているものがあります。それらの商品
   にはラベル等で「湯のし済み」などと明記してありますので確認できます。

   それ以外のものは基本的に湯のし、湯通しされることをおすすめします。

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染め替え

"染め替え"について教えて

昔流行した色で染められていたり、年を経るにつれハデになってしまい着られなくなってし
   まったきものなどは、別の色に"染め替え"をして着るという方法もあります。

   染め替えは、とき・ハヌイ→(場合によってはしみぬき)→染め抜き(元の地色を落とします)
   →地染め→(仕立て直し)という手順で行われます。

   染め代というのはそれほど値段の高いものではありませんが、その過程でとき・ハヌイや仕
   立て代、場合によっては洗い代、紋代等が加算されますのでそのお店で事前に見積もりを出
   してもらった方がよいでしょう。品物によっては「新品を買った方がよかった」などという
   笑えない話にもなりかねません。

   染め色はきもの屋さんに置いてある色見本帳などから選ぶことがほとんどですが、別にきも
   のと関係のない生地の端切れなどどんな色でも好きな色を染めることができます。ただ、厳
   密には見本と全く同じ色に染めるというのは難しいことです。生地の織り方等によって発色
   の仕方が変わってきますし、元々の染め加工や生地の圧迫具合の影響もあります。また、小
   さな見本でいい色だと思って、その色で全体を染めてみたら思っていたものと違う雰囲気に
   なってしまったなどという話はよく聞くものですので、その辺を納得された上で染め替えに出
   されたらいいでしょう。

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"染め替え"はどんなキモノにでも出来ますか?

染め替えは基本的に色無地にすることが多いですが、附下、訪問着など柄のあるものでも、
   その柄を活かして(糊伏せ等をして)染め替えるということもできます。ただこれはコスト
   がかなりかかりますのできもの屋さんに見積もりを出させてからの方がいいかも知れません。

  ※柄もの(附下、訪問着、他)は無地染めをしても、柄の輪郭が残ってしまうので、「無地着
   尺」にはなりません。
  ※しみや黄ばみ等を目立たなくさせる目的で染め替えする場合、染め色に制限がでてきます。

帯の加工(お手入れ)

帯の加工(お手入れ)について教えて

帯地は表地のきものと違って様々なタイプの糸によって織られています。例えば和紙に金箔や
   銀箔をのせて糸状にしたものは多くのものに使われています。これらの性質を考慮しながらし
   みぬき、シワのばしなどを施していくことになります。

   ・丸洗い、しみぬき --- きもの地と同様、着用にてうす汚れてきた場合には丸洗いをおすす
    めします。しみぬきや、特に黄変(おうへん:しみや汚れが長い間に茶色く変色してしまっ
    たもの)を落とすことはかなり困難になってきます。というのもこれらに使われる薬品が帯
    に使われている金や銀の色を変色させてしまうことがあるからです。もちろん帯を構成する
    素材によって事情が変わってきますので、きもの屋さんに相談してみるとよいでしょう。

   ・シワのばし ---  帯をシワのばしするときは、帯地に直接アイロンを当てないように気を
    つけましょう。帯地(特に箔加工)が影響を受けることがあります。専門業者は、特殊な器具
    に固定し、スチームアイロンのスチームにてシワをのばしていきます。(直接アイロンを当て
    ない)前述の通り絹は湿気にて収縮してしまうこともありますから細心の注意が必要です。上
    記の作業でなおらないシワは霧をかけ、当て布をして、アイロンをかけます。(このとき温度
    に注意)帯のフチにアイロンを当ててしまうとふっくらとした感じがなくなってしまいますの
    で気をつけて下さい。

   ・裏地張り替え --- 袋帯の表地と裏地の糸が長い間に縮みをおこし、素材の違いによってそ
    の収縮率が違うためズレが生じて、帯の表地に大きなシワが寄ってしまうということがよくあ
    ります。こんなときには帯の裏地を張り替えてやるとよいでしょう。帯によっては新品同様に
    蘇生してしまうものがあります。

帯の収納について教えて

帯の収納もきものの収納と同様、直接陽が当たらず、また湿気のないところがよいでしょう。帯地
   はきものより影響を受けにくいので、タンスの上段にきものや長襦袢を、下の方に帯類をしまうと
   良いでしょう。
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