パールトーン加工

パールトーン加工ってきものに何するの?

パールトーン加工は繊維の一本一本に撥水(はっすい)性のある液を浸透させて、きものを水
   やしみ、汚れから守ろうというものです。加工自体は仕立て前のきものでも、仕立て上が
   ったきものでも同様に施すことができます。(仕立て上がったきものの場合、裏地の分が加
   工代に加算されますが)

きものの風合いが変わったりしないの?

これは、よくある質問ですので直接パールトーンの方に聞いてみました。それによると、
   加工液は、生地を覆ってしまうような類いのものではなく、繊維の一本一本に浸透させ
   るため生地の通気性を損なうことはほとんどない、とのことでした。その例として、今
   では多くの文化財にもパールトーン加工が利用されている事を挙げておりました。
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加工後の汚れはどうすればいいの?

これは加工時に付属するパンフレット状のものにも記載されていますが、まず水性の汚れの場合、
   以下のようにして下さい。

   ・水滴状になった汚れをこすらないようにして、吸水性の強いタオルで吸いとる。
   ・汚れの残った部分にたっぷり水を掛け、汚れを浮かび上がらせるようにする。(その際、タオル
    等を下に敷く)
   ・もう一度最初の要領で汚れを吸いとる。(くれぐれもこすらないように)

   油性の汚れの場合は(Q:"しみぬき"について教えて)のベンジンによるしみ抜き方法を参考にして
   下さい。 

   以上のような処理をして汚れや輪じみが残った場合には、アフターサービスとして残った汚れを
   無料(一部有料:汚れの変色、色落ち、スレ直し等)でとってくれるそうです。

丸洗いやしみぬきをして、パールトーン加工は落ちませんか?

これもよくある質問です。再びパールトーンの方の答えです。
  「パールトーン加工してあるきものを"丸洗い"するとその効力は落ちてしまいます。ただし、パール
   トーン社で丸洗いをすれば、その効力は落ちません。」とのことでした。

   ※市販されているような類いのベンジンを使ってしみ抜きをした場合、パールトーン加工が影響を
   受けることはないようです。

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パールトーン加工済みのキモノを後々染め替えられますか?

もちろん染め替えもできます。染め替えの際には元の地色を落とす作業がありますが(抜染)、その
   際にパールトーンの効果もなくなってしまうため、色を掛け直すのには問題がないようです。
パールトーン加工は必ずするべきでしょうか?

パールトーン加工も万能薬ではありません。加工時に付いてくる小冊子に以下のような注意事項が
   明記されています。

   ■特に注意していただきたいこと
   パールトーン済みのきものでも化学薬品を含んだ色素(インク・マジックインク・墨汁・一部
   化粧品・口紅など)や熱いものは、特に生地に深く浸透し、"しみ"になったりしますのでご注意
   下さい。

   「一部化粧品」というのは、「落ちにくい」ことを宣伝文句にしているような類のものだという
   ことです。また、「熱いもの」というのは、例えば「水」を熱することによって水の粒子が細か
   くなり、水の状態であれば通過を防げた加工済の繊維すら通過してしまうのだそうです。

   それ以外にも、生地のスレやヤケ、虫喰いなどを防ぐ効果はないようです。

   以上のようなことをふまえた上でもやはりメリットは少なくありません。
   要は絹という美しくも繊細な繊維をよりベターな状態にして置けるということではないでしょうか。

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