神戸牛とは?

1.神戸牛の定義 2.神戸牛の歴史 3.和牛と国産牛 4.美味しい理由

1.神戸牛の定義

神戸牛って、
神戸で生まれ育った牛だと思っていませんか?

もちろんそういう牛もいますが、
兵庫県産(但馬牛)の中から
厳しい規定を通った牛が神戸ビーフになるのです。

「神戸牛」 / 「神戸肉」 / 「神戸ビーフ」

 まず最初に、呼び名について説明します。

 「神戸牛」は、正式には「神戸肉」または「神戸ビーフ」といいます。一般的には「神戸牛」で浸透しているようです。当店でも一般的な「神戸牛」を屋号に使用しています。

 それぞれの違いを当店なりに分析してみました。紛らわしいかもしれませんが呼び名で本物・偽物ってないんです。ちなみに『神戸ビーフ』って「お肉」のことで「牛さん」のことではないですよ。

神戸肉
神戸ビーフを認定する『神戸肉流通推進協議会』では 「神戸肉」または「神戸ビーフ」として定義付けされています。 昔からの神戸のお肉屋さんで使われることが多いようです。 看板も「純神戸肉」とあるのをよく見かけます。
神戸牛
一般的には「神戸牛」という呼び名で親しまれていますね。 他の銘柄牛が「〇〇牛」「△△牛」と呼ばれるものが多いからでしょう。ただ厳密に言うと「神戸牛」という牛はいません・・・これは後ほど。
神戸ビーフ ・KOBEBEEF
「神戸ビーフ」を見出したのは港街神戸にやって来た外人さんだったので 「KOBEBEEF」がそのまま日本語になったのですね。 当店でも「神戸ビーフ」と呼ぶことが多いです。
当店店主の代の神戸のお肉屋さんの間でもたいていこう呼んでいます。

 「神戸ビーフ」は必ずしも神戸で生まれ育つ訳ではありません。兵庫県北部の但馬地方から淡路島まで兵庫県内で生まれ育った「兵庫県産(但馬牛(たじまうし))」の中から選ばれます。 兵庫県産(但馬牛)とは品種で言うと「黒毛和牛」。 兵庫県で生まれ育った黒毛和牛以外の牛もまた、神戸ビーフになる事はないんです。

 神戸ビーフの名前の由来は、慶応元年の神戸港開港にあります。まだ日本では牛肉を食べる習慣は一般にはなく、開港とともに神戸にやってきた外人さんが見出しました。もちろん定義などはなく、輸入肉もなく、兵庫県にもともといた和牛を神戸で食べたから神戸ビーフと呼ばれるようになりました。

神戸ビーフの定義

 神戸ビーフの定義は昭和58年9月に神戸肉流通推進協議会が発足し制定されました。

 神戸ビーフの定義を簡単に説明すると

  1. 兵庫県産(但馬牛)で
  2. 県内の食肉処理場に出荷され、
  3. ランクが「A・B各5」と「A・B各4の一部」と認定された処女牛または去勢牛

          です。

 そして神戸ビーフとして『菊の判』が押され『神戸之肉証』が交付されます。

のじぎく判 神戸肉之証 ブロンズ像
のじぎく判 神戸肉之証 指定店にある
ブロンズ像

神戸肉流通推進協議会の定義の頁には次のように記されています。

 

「神戸肉・神戸ビーフ」とは、「兵庫県産(但馬牛)」のうち、本県産和牛の但馬牛を素牛とし、子牛から肉牛として出荷するまでに当協議会の登録会員(生産者)が肥育し、本県内の食肉センターに出荷した、未経産牛・去勢牛であり、枝肉格付等が次の事項に該当するものとする。 

 

肉質等級:脂肪交雑のBMS値No.6以上
歩留等級:A・B等級
・枝肉重量:450kg以下

BMS値 No. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
脂肪交雑基準 0 0+ 1- 1 1+ 2- 2 2+ 3- 3 4 5
肉質等級 1 2 3 4 5
「神戸肉」の
定義
神戸肉


※枝肉格付(えだにくかくづけ)・・・
食肉の評価をするための指標。日本全国共通の基準に沿って行うランク付けです。食肉の価格を安定するためにできました。肉質等級と歩留等級を別々に審査したものを複合して評価が決められます。

※肉質等級・・・
霜降りの度合いや、色、肉生地のきめ細かさ、脂の質などを総合評価したもの。

※歩留(ぶどまり)等級・・・
赤身の割合が多いか少ないかのこと。赤身が多いほど歩留が良い。

2.神戸牛の歴史

1.神戸牛の定義 2.神戸牛の歴史 3.和牛と国産牛 4.美味しい理由


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