第21回:讃岐弁講座

「むつごい」

 「むつごい」はムツゴロウさんの親戚ではありません!(寒っ)
 鯉の一種でもありません。(もーええって!)

 亀城庵ボケ担当の後輩K(もちろん讃岐人)に

 私:「むつごいって言葉知っとる?」
 K:「ムツゴロウさんすごいっ!って意味でしょ?」
 私:「あほっ!」

 ・・・スミマセン。こんな人ばっかりじゃないんです。(^_^;ゞ


 さてさて、本題に入りますと・・・むつごいの使い方はこうです。

   「天ぷらだらけで、むつごいな!」

 訳しますと、

   「天ぷらばかりで、油っこいね!」

 です。
 他にもあるんです。

   「Aさんて男前やけど、チョットむつごい顔やね」

 は訳しますと、

   「Aさんって男前だけど、チョット濃すぎる顔だよね」

 とも使うことあります。



    訳:しつこい、あっさりしていない、味が濃い、油っこい



 語源は、古語の不快を表す言葉「むつ」と「濃い」と合わせたものらしいです。
 お隣愛媛や徳島では「むつこい」といい、
 どうやら四国全域で使われるらしいです。(知らなかった・・・)

 調べてみると、むつかし(難し)という言葉と合わせた説が、濃厚らしいです。
 古語では難しは解決できないという意味ではなく「不快。わずらわしい。気味が悪い。」
 という意味で広く使われていたらしいです。
 これは違うと思うのですが、古語にはむつかる(憤る)と言う言葉もあります。
 現代のムカツクに意味が近く、⇒胃がむかつくといった感じに遡ると、
 こちらの「むつ」も讃岐弁「むつごい」の意味にも割と近い気がします。

 いずれにしても、それらが語源とすると、元の意味よりはかなり柔らかい意味で
 使われている言葉です。方言って良いですね。
 使い方は実に微妙で、上記に列記したもの全て合わせたくらいの
 非常に油っこいものを指していると思って戴いて大丈夫だと思います。

 県外で友達に説明すると「便利な言葉だね」的な反応をされます。
 っていうか、絶対スッゴク便利なんで、コレ標準語にしてほしいっす。



 ・・・すみません。m(_ _)m



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