アラン・ブリュモンは、知名度の高いボルドーの影に隠れその真価が正統に評価されていなかったマディランを人生の全てを賭けて 復興させたワインメーカーです。

フランスでも古くから存在するぶどう栽培地であるにもかかわらず、ボルドー系ぶどう品種の導入と販売量重視のスタイルに変貌していた マディラン地方において、アラン・ブリュモン氏は1978年に父親から引き継いだシャトー・ブースカッセと1980年に購入したシャトー・ モンテュスの2つの畑に、マディラン伝統品種であるタナを植え、色の深い濃厚な味わいのワイン造りに取り組みました。

テロワールとぶどう品種の相性にこだわり抜いたアラン・ブリュモン氏は20年間、マディランのテロワールとぶどうの栽培について 調べられることの全てを学び、事実上、AOCマディランの最高のテロワール全てを手に入れました。また、入手し得る最高品質の 台木への積極的な植え替えや、ぶどうの能力を最大限に引き出すための高密植栽培、収穫量削減を目的とした厳しいぶどうの選定など、 ぶどう栽培においても細心の注意をはかり、注目すべきは、それまでマディランでは誰も成しえなかった100%新樽熟成を行うことで、 彼が求めるマディランのスタイルを確立させました。

彼の情熱は実を結び、フランスを始めとする世界各国で高い評価を受け、見事に復活したマディランワインは、いまでは多くの三ツ星 レストランをはじめ、遠くアメリカからはハリウッドスターまでもが自家用ジェットで買いに訪れるまでに至っています。 なお、アラン・ブリュモン氏は、1991年フィガロ誌にて最高の生産者として選出され、のち1997年にはナポレオン1世によって 制定されたフランス最高の勲章である『レジョン・ドヌール』を授与されています。

そして2001年からはさらに偉大なモンテュスのワイン造りに挑戦しています。新しい地区では、ぶどうの木の栽培密度を更に高め、 ぶどうの状態を保つため、いまだに手摘みで収穫されています。テロワールのクオリティはアラン・ブリュモン氏の才能に応えるものであり、 世界クラスのワインとしてモンテュスは高く評価され、そのテロワールと共に注目を集めています。


■シャトー・ブースカッセ
マディランの中心、モーマッサン=ラギュイアン村にあるシャトー・ブースカッセは、1836年からブリュモン家が所有する家族経営のワイナリーで、アラン・ブリュモンの生まれた場所でもあります。アラン・ブリュモンはここでワイン造りを学び、1978年に父親(アルバン・ブリュモン)の後を継ぎました。

当時、一族のぶどう畑は合計で20ヘクタールでしたが、彼はすぐに、モーマッサンとヴィエラで最高の地区を購入して所有農園として広げました。現在、ぶどう畑は80ヘクタールにまで増え、そして1988年、アラン・ブリュモンは新しい地下セラーの建設に着手しました。 現在、このシャトーは、アラン・ブリュモン氏の住居にもなっています。


ガスコーニュ
常にガスコーニュ地方に魅せられてきたアラン・ブリュモンは、長年にわたり、この地域の最高のテロワールを捜し続けてきました。そんな彼の技術と知識で、この地方のぶどうを注意深く選びながら、オリジナリティーに溢れ、世界中から賞賛されるワインへと造りあげていきます。




■ドメーヌ・アラン・ブリュモン社
・設立年:1979年
・創業者:アラン・ブリュモン(Alain Brumont)
・所有土地面積:シャトー・ブースカッセ 80ha
        シャトー・モンテュス 80ha
        コート・ド・ガスコーニュ 20ha
        AOCマディラン、 AOCパシュラン・デュ・ヴィク・ビル
・年間生産量:130,000ケース
・輸出国数:40カ国以上


【沿革】
1979 アラン・ブリュモン、父親所有のヴィンヤード「シャトー・ブースカッセ」を継承
1980 アラン・ブリュモン、“シャトー・モンテュス“を購入。
   この時、タナ種の持つ可能性を確信。
1995 シャトー・モンテュスの新ワイナリー建設 (通称:タナ大聖堂)
1991年 ゴー・ミヨー誌 80年代を代表するワインメーカー
1991年 フィガロ誌 ここ10年でもっとも優秀なワインメーカー第1位
1996年 ワイン アドヴォケード誌 96ポイント獲得
    シャトー・モンテュス・プレステージ'95
1997年 ナポレオン1世により制定されたフランス最高勲章「レジョン・ドヌール」(Legion d'honneur)受勲
2003年 ワインスペクテーター誌 TOP100ワイン 29位獲得 シャトー・ブスカッセ V.V.'00
2004年 ワインスペクテーター誌 94ポイント獲得 シャトー・モンテュス