キルホーマン蒸留所

キルホーマン蒸留所はスコッチの聖地と言われるアイラ島に出来た、初蒸留が2005年12月14日という新しい蒸留所です。

シングルモルトウイスキーの中で最も西側で作られるキルホーマンは、マックリー湾の近くのロッホサイドファームと併設されており、 アイラ島の蒸留所が全て海岸に建てられているのを考えると、
アイラ島の中でも一番海から遠い蒸留所でもあります。

広大な農場と併設され、将来的には自らの麦芽だけでシングルモルトをつくりあげる予定とのことですが、現在はアイラ島産の麦を自らフロアモルティングした麦芽とポートエレンの製麦工場オーダーの麦芽と2種類の麦芽が原料に使われているとか。

但し、多くのアイラの蒸留所(ディアジオ社グループ以外)が、ポートエレン製麦工場の麦芽の価格が高騰
(※1)したことで、現在スコットランド本土のモルトスターから麦芽を購入し生産しているのを考えると今後は使われる麦芽にも変更あるかもしれません。
(※1)現在スプリングバンク蒸留所以外の蒸留所は自社でコストのかかるフロアモルティングを行っておりません。麦芽のほとんどをモルトスターからの麦芽購入により原料を、まかなっています。但し生産量の一部分のみのフロアモルティングでの麦芽つくりを行っている蒸留所はあります。)

実際、去年の生産量は5万リットル。今年65000リットル。来年以降は10万リットルと、そこそこの生産量もあるので全麦芽を自社生産でまかなうのは先になりそうです。(現在の最大生産量は年間10万リットル位とか)

2007年のアイラの旅では、オーナーのアンソニーウィル氏に蒸留所を案内してもらい、出来立ての原酒を試飲させてもらいましたが、非常に将来が楽しみな、ピートの効いたアイラらしい原酒でした。


但し、3年ものが出来次第、10年物くらいまでは順次毎年限定リリース予定とか。
オーナーズカスク販売もあり、最初の5年物は既に予約開始中とか。
それ以降はヴィンテージ付モルト販売も考えているらしいです。


熟成樽の8割はバッファロートレースのフレッシュバーボンカスクをピートの味わいが良くわかるとの事で使用。
その他、オロロソシェリーのスパニッシュなども使用しているそうです。将来的にはマディラ樽とのフィニッシング等も考えているとか。

  ・住所: Rockside Farm Bruichladdich Isle of Islay
  ・Managing Director: Anthony Wills
  ・Tel: 01496 850011

  ・設立年: 2005年
  ・初蒸留: 2005年12月14日
  ・ビジターセンター: 他と比べても大きめ、グッズ多数
  ・初溜器: 3230L
  ・再溜器: 2070L
  ・生産能力: 最大年間10万L(2006年5万L・2007年65000L予定)
  ・稼働日: 2007年9月現在月〜金曜日
  ・加水: 蒸留と同じ仕込み水を使用。
  ・麦芽: 2種類使用
       アイラ産20ppm〜30ppm(ボウモアと同じくらい)12H
       ポートエレン製麦工場産55ppm(アードベッグと同じくらい)
  ・発酵槽: ステンレス製5400L 4基