■テンパリングを行う際のポイント
※テンパリングの際のチョコレートの量は300g〜500g程度、室温は20度ぐらいがやりやすいです。

※今回湯煎では無く、電子レンジを用いてのテンパリングを行った理由は
  湯煎で溶かす際に湯気(水分)がチョコレートに入る可能性があるからです。
  (プロのパティシエの方もレンジを使用されている事が多いです。)

※雨が降っている時は湿度が高いのでご注意下さい。

※再生中はチョコレートにつきっきりで混ぜていますが作業のあいまで固まらない程度でOKです。

※温度を下げる際冷水で冷やしながらですと速いですが水が入らない様にご注意下さい。

※最初にチョコレートをレンジに入れて50℃程度にし少しずつチョコレートを加えながら
  28度まで下げ(急ぐ必要はございません)更にレンジで32度まで温めますが
 その際36度を越えるとチョコレートの結晶が壊れ最初からやり直しとなりますのでご注意下さい。

※テンパリングはシュガーブルームでない限り何回行ってもOKです。


  (ただし回数を重ねすぎると品質は劣化します) テンパリングは簡単に言うと「温度調整」です。
温度調整によってチョコレートに含まれるココアバター(カカオバター)の結晶を安定させます。
面倒な作業ですが、光沢の美しい、なめらかな口あたりのチョコレートを作るには欠かせない作業です。
 テンパリングをしないとどうなるの?
テンパリングをしないとどうなるの?
チョコレートに含まれるココアバターの結晶が不安定なため、テンパリングをしないと以下の現象が考えられます。
@保管中にオイルブルームが生じる (上写真)
A風味が劣化する
B口どけが悪い
C光沢がなくなる

このように、テンパリングをしないと見た目はもちろん、
風味や口どけも悪いものとなってしまいます。
テンパリングは美味しいチョコレートを作るためには
欠かせない大切な作業なのです。

ココアバター(カカオバター)とは?
チョコレートは主にカカオマス、ココアバター、砂糖から作られています。このうち、ココアバターは複数の異なった結晶の形を持っていて、それぞれが16〜35℃の異なった融点で結晶の形が変化します。(下に表参照)
最終的に固体となったとき、最良の状態で結晶化すると凝固して収縮し、艶のある口どけのよいチョコレートになります。

  ココアバター
β型 34〜36℃
β'型 27〜29℃
α型 21〜24℃
γ型 16〜18℃


 テンパリングをやってみよう
テンパリングの手順
テンパリングは、チョコレートに含まれるココアバターの結晶を安定化させることを目的とした温度調整です。
手順としては、一旦チョコレートの温度を50℃前後まで上げて全ての結晶を溶かします(液状にします)。次に空気を入れないように攪拌しながら27℃まで温度を下げます。そして再度32℃に温度を上げます。結晶が最も安定する温度が32℃なので、この温度を保ったまま作業するとよいでしょう。
ただし、ミルクチョコ、ホワイトチョコは、成分中の粉乳がカカオバターの凝固を妨げるため、スイートチョコよりも融点が低くなります。これはチョコレートメーカーによって、若干差があります。
テンパリングの方法
テンパリングを行なう方法をいくつかご紹介します。
それぞれのメリットやデメリットもありますのでご自分で最もやりやすい方法をお選びください。
なお、テンパリングを行なう部屋の温度は15℃前後を目安としてください。
チョコレートの天敵は温度と湿度ですから、テンパリングの手順をきっちり行なったとしても、
室温が極端に高かったり低かったりするとテンパリング失敗してしまう可能性があります。
空気の出入りする場所や、エアコン等の風の直接あたる場所、湿気の多い場所などでの作業も避けてください。

■水冷法
溶かしたチョコレートを混ぜながら水に当てて冷やし、再び加熱する方法です。

@チョコレートを45〜50℃に加温して溶かします。
A水をはったボールにつけて底を冷やしながら、
  空気が入らないようにゆっくり混ぜます。
  27〜28℃に下がれば、水から外します。
B湯せんにかけ再び31〜33℃まで加温し、
  よくかき混ぜます。

水冷法のメリット
温度管理を正確に行なえば失敗が少ない方法です。

デメリット
チョコレートの分量が多い場合には、温度が下がるまでにかなり時間がかかります。
■タブリール法
溶かしたチョコレートの1/2〜2/3をマーブル台の上に取り出し、広げたり、集めたりしながら均一に冷やし、残りのチョコレートに戻す方法です。

@チョコレートを45〜50℃に加温して溶かします。
A全体の2/3くらいをマーブル台に流しパレットナイフ
  等を使って広げたり集めたりしながら、全体を均一に
  冷やします。
  27〜28℃に下がれば、残りのチョコレートの中に
  戻し全体をよくかき混ぜます。
B温度を計り、31〜33℃より高ければ再びマーブル
  台に少量のチョコレートを流し、冷却したチョコレー
  トを戻します。  
  これを繰り返し、最終温度が31〜33℃になるように
  調整します。

タブリール法のメリット
容器の中で冷却するよりも、短い時間で温度を下げることができます。

デメリット
取り出したチョコレートの温度を、粘り具合などで判断しなければならないので熟練を必要とします。

■フレーク法
溶かしたチョコレートに細かく刻んだ結晶核となるチョコレート(テンパリングされたもの)を加えて溶かし、
全体の温度を下げる方法です。

@チョコレートを45〜50℃に加温して溶かします。
Aテンパリグされた安定したチョコレートを細かく刻み
  少しずつ加えて混ぜます。
  31〜33℃になればテンパリング完了です。

フレーク法のメリット
ごく短時間でチョコレートの温度を下げることができます。

デメリット
テンパリングを行なう部屋の室温や、溶かしたチョコレートによってチョコレートの分量を調節する必要があります。
■テンパリング時の注意点
 水分の混入は厳禁
 作業中に、水や水蒸気が絶対に入らないように注意してください。
 チョコレートにとって水分は大敵です。水分が加わるとテンパリングは失敗、ブルームの原因になります。
 湯煎による加温や水で冷却する際は、チョコレートのボールよりも小さいものをおすすめします。

電子レンジの活用
チョコレートの加温を湯煎で行なうと、水分が入ってしまう可能性があります。
そこで便利なのが電子レンジ。ボールの7〜8割までチョコレートを入れ、ラップをせずにそのままレンジに入れます。温度設定が可能であれば、最初は45℃くらいの低めの温度で始めてください。
焦げやすいので、こまめに様子をみながら加温してください。
レンジによる加温はとても便利ですが、焦がてしまったら使えませんので、くれぐれもご注意ください!!
 
 室温の管理
 テンパリングを行なう部屋の温度は15℃前後を目安としてください。
 チョコレートの天敵は温度と湿度ですから、テンパリングの手順をきっちり行なったとしても、
 室温が極端に高かったり低かったりするとテンパリング失敗してしまう可能性があります。
 空気の出入りする場所や、エアコン等の風の直接あたる場所、湿気の多い場所なども避けてください。



 ブルームについて
チョコレートは、保管状態が悪かったりテンパリングを怠ったりすると、チョコレートの表面に白い筋や斑点のようなものが浮き出てくることがあります。ブルームができてしまったチョコは、ざらざらの口溶けの悪いチョコレートになってしまいます。
ブルームには、二つのパターンがあります。一つは「オイルブルーム」、もう一つは「シュガーブルーム」です。
■オイルブルーム
原因は、ココアバターです。
チョコレートに含まれるココアバターの結晶“γ型”の融点は(16〜18℃)のため、室温が16℃以上になると一部の油脂が溶け出し、チョコレートの組織の中を移動し始めます。普通は表面に浮いてきます。毛細現象です。もう一度チョコレートが冷やされると、その場所で固まって白い結晶になり、ブルームとなるのです。
◆オイルブルームを予防するには
○チョコレートは、カカオバターの最も低い融点16℃以下で保存する。

○チョコレートを作る部屋は、室温を15℃前後にしておく。
■シュガーブルーム
シュガーブルームの原因は水分です。
チョコレートにはほとんど水分が含まれていません。チョコレートに水分が入ったり、表面に結露したりすると、その水分にチョコレートに含まれている砂糖が溶け出していきます。その水分が蒸発した後、、溶けていた砂糖が白い結晶となって残ってしまうのです。
◆シュガーブルームを予防するには
○チョコレートを冷蔵庫等に保管する場合は、ラップで幾重にも包むなどして密封してください。
使用するときは、密封したまま室温に戻し、温度差による結露を防ぎます。
○湿度の高い場所での保存を避けてください。
○テンパリング時に水分が入らないようにしてください。


 チョコレートの保管について
チョコレートを保管するにあたって最も注意しなければならないのは温度と湿度です。
気温(室温)15℃前後湿度55%程度の場所で保管および作業を行ってください。
直射日光や蛍光灯(熱の当たる)などの近くも避けてください。
冷蔵庫などから取り出す際(冷蔵→常温)には、温度変化にご注意ください。