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朝日新聞 昭和63年10月23日
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積極・慎重・消極・・・・・・続々と反響
今年は一段とこたえた秋の長雨。電車やバスでぬれた傘を持って、憂うつな思いをし
た人も多いだろう。本紙神奈川版「ひとこと欄」に「駅にもスーパーと同じような傘
用ビニール袋を設置して」という投書が掲載されたところ、「同感。ぜひ」という積
極派や「もったいない」「環境破壊だ」という慎重派、「上手に利用できるのか」と
いう消極派など反響が続々と寄せられた。
雨の日の通勤・通学や外出を快適に、と望むのはだれもが同じ気持ちなのだが―。
発端は、厚木市の17歳の女子高校生からの「雨にラッシュが重なると、床もびしょぬ
れ。傘がスカートについおたり、しずくが足にかかったり。そんな時、傘用ビニール
袋があれば」といいう投書。
これに対し、横浜市の会社員（43）から、「たった一回の使い捨てではもったいな
いし、ビニールの公害も心配」との反論。
「混雑に拍車をかけるのでは」と懸念してきたのは、川崎市の主婦（52）。一方、
「鉄道ごとに色を変えた袋はどうか」というユニークな案も相模原市のOL（26）から
寄せられた。
デパートやスーパーで、傘用ビニール袋を採用し始めたのは、5年ほど前からとい
う。第一に商品をぬらさないためだが、床ですべって転ばないよう安全面への配慮
や、汚れた床で美観を損なうのを防ぐためもあるという。値段の方は、一枚あたり1
円から4円とさまざま。
一日中雨が降ると、デパートでは約２万枚、スーパーなどでは、約2千枚が消費され
るそうだ。
心配なのは、ビニールによる公害だが、プラスチック処理促進協会によると、「スー
パーやデパートで用いられている買い物袋や傘袋はポリエチレンがほとんど。燃やし
た時に有毒ガスを発生する塩化ビニールは現在使われていません」という。
駅の場合、問題は利用者の数。「不特定多数のお客様が相手。管理もむずかしい。」
と鉄道各社は渋い顔だ。たとえば横浜駅の乗客は一日30万人以上。
出入り口もたくさんある。JR東日本では、「ぬれたホームにビニール袋が散乱すると
かえって危険」と答える。
しかし、きちんと使うかどうかは利用者のモラルの問題だ。
「使い捨てがもったいないなら、再利用できるものを利用したい人が買えるよう自動
販売機を取り付けるのはどうか」という提案もある。
公共の交通機関にも、さまざまなサービスが要求される時代。一度に全部の駅に設
置し管理するのは無理かもしれないが、特定の駅の特定の入り口だけにでも設置して
いてはどうだろう。有料トイレの試みがあったように、実験してみる価値はあると思
うのだが。
88年（昭和63年）10月12日朝日新聞「ひとこと欄」より
◆「駅に傘用ビニール袋」に疑問
4日付け「駅にも雨傘用ビニール袋を」との提案に反論したいと思います。
確かにスーパーなどの入り口にあるビニール袋は便利ですが、たった一回の使い捨て
と、使用済みのビニールの散らかった状態を見るにつけ疑問を感じずにはいられませ
ん。
第一にっもったいない話ですし、あふれるビニール製品公害にこころが傷むからで
す。人が散らかしたビニールをついばんで死んでゆく鳥のことを思い出しますし、償
却すれば有毒ガスを発生する厄介なものでもあります。
自然破壊が進んでいる地球のことを、一時の便利さにまどわされることなく、しっ
かりと考えてみることも大切なのではないでしょうか？
一人一人が傘と一緒にビニール袋をひとつ持ち歩けば解決することですし、傘には
専用のカバーをつけて売ることをメーカーに提案する方が当を得ていると思うのです
が。
◆イタリアでは禁止のすう勢
横浜市 新井 順子（主婦 ３０歳）
「駅にも雨傘用ビニール袋を」に一言。ビニール袋は限りある資源の、まして全面輸
入に頼る石油から作られ、膨大な量が現在、スーパーマーケットやデパートで使い捨
ての見本のように使われています。
それを、再生して使うとしても、簡単に使い捨ての感覚を育てすぎているのではない
でしょうか。
そして、ゴミの問題が重要です。イタリアでは、「自然に有機分解しない物質の追
放」商工省法令を出し、ビニール袋禁止のすう勢にあります。アドレア海に、マッコ
ウクジラが浮いたのが発端だそうですが、動物愛護は、人間愛護につながると思いま
す。
日本はいま、経済力にまかせて物を大切にしない文化の急先ぽうにあるように思え
てなりません。雨の日の傘の問題は、ビニール袋を各自持ち歩くなど、良識と努力で
何とか解決できないものでしょうか。
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昨今、電車内でのセクハラ事件が度々報じられているようですので・・・・・・
◆通勤電車の中でOLが「エッチ！」
横浜市 匿名希望 （会社員 55歳）
雨降りの日、通勤電車車内での出来事です。
いつものようにカサを折りたたんで持っていました。急行のせいか、どんどん込ん
できて、人いきれ、ぬれた衣服、カサに閉口していると、いきなり私の手首が握られ
ました。驚いてまわりを見回すと、なんと、若いOLが私をにらみつけているのです。
そして、目と目が合うやいなや「エッチ！」。
私は何のことやら分からなかったのですが、突然のことなのでとっさに「ごめん」と
言ってしまいました。あとで分かったのですが、私のカサの柄が彼女の体のある部分
を押し付ける形になっていました。チカンと勘違いされたわけです。
カサの持ち方にも気をつけないと、他人に迷惑をかけるだけでなく、自分にもとん
だ災難が降りかかってくることを体験を通して痛感しました。皆さんもご注意を。
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