傘屋さんへ行こう!

心斎橋みや竹 kasaya.com 傘屋さんへ行こう! スズキヤ(神奈川県川崎市)




Shop Data
 Shop name :洋傘専門店「スズキヤ」
 Place : 神奈川県川崎市川崎区駅前本町26-1
川崎BE 3階
      
 Tel :TEL:044-200-6767
 Established year
 :昭和34年

ギフト用に買っていく客も多い
駅ビル内の小奇麗な専門店


JR川崎駅に直結し、買い物客で賑わう駅ビル「川崎BE」。前身は昭和34(1959)年に開業した「川崎ステーションビル」で、神奈川県内で最古の駅ビルとなる。改札を出て、そのまま人の流れに任せてビルに入ると、そこが川崎BEの3階フロア。アパレルショップなどを尻目に奥に進むと、洋傘専門店の「スズキヤ」(神奈川県川崎市川崎区駅前本町26-1川崎BE 3階 TEL.044-200-6767)がその一角に見えてきた。

洋傘のディスプレイは華やかで思わず立ち寄りたくなる。商品も丁寧に陳列され見やすい。客への配慮が行き届いた実に気持ちのいい店だ。 洋傘の数は在庫も含めると約1000本。婦人物のブランド傘やほぐし織りの傘が店頭を飾る。一方で紳士傘の点数も非常に多い。ザッと見て200本以上はある。

「客層は30〜50代くらいのミセスが中心で、5000円台のブランド傘も1万5000円前後のほぐし織りの傘もよく売れる。特にほぐし織りは雨の日以外で売れるのが特徴。傘が好きな方がゆっくり吟味して買っていきますよ。紳士傘のサイズが豊富なので、男性客の来店も多いですね」と、店で客を迎える専務取締役の鈴木貴久さん(43歳)は説明する。

スズキヤは駅ビル開業時から店を構える。もう半世紀もここで営業していることになる。そのルーツは大正のときに貴久さんの祖父に当たる幸一さんが、東京都内で開いた履き物屋。昭和に入ってから当時の時流に乗って洋傘を扱い始め、その商売は子に、孫に、綿々と受け継がれてきた。

貴久さんは元々専門商社で営業の仕事をしていたが、昭和63(1988)年に駅ビルが改装され、名称が「川崎BE」となるのを機に、継ぐことを決意。店の経営に携わるようになる。それから20年。今も父である茂夫さん(79歳)は社長を務め、稀に店番をすることもあるが、通常はほとんど貴久さんが切り盛りする。

店では、傘をギフト用に包むように頼まれることも少なくない。「誕生日や母の日、父の日のプレゼント、退職祝いなどで贈られるようです。つくづく傘は末広がりの縁起物なんだと感じますね」。 さらに商売に力を入れようと、平成19年(2007)年には日本洋傘振興協議会認定のアンブレラマスターの資格も取得した。色とりどりの傘の中に、マスターのプレートが誇らしげに飾られている。

今後は、より客のニーズに応えていくを自分自身に課す。「そのために、消費者の求めている商品を置きたい。例えば、最近女性客によく言われるのが、『もっと大判の傘がほしい』ということ。女性も携行するバッグが大きくなっているのに、傘のサイズは依然として小さい。65cmくらいのファッショナブルなものがあればと思います」。 貴重な最前線の声。貴久さんは反映されることを願い、今日も店頭に立つ。


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