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心斎橋みや竹 kasaya.com 傘屋さんへ行こう! こばり洋傘店(神奈川県 平塚市)




Shop Data
 Shop name :こばり洋傘店
 Place : 神奈川県平塚市明石町13−8
      
 Tel :TEL:0463−21−3489
 Established year
 :昭和43年

三人の看板娘が支える

紳士傘充実の洋傘専門店

こばり



平塚駅西口を出て、徒歩5分。駅前から延びる商店街に洋傘専門店の「こばり」(神 奈川県平塚市明石町13-8)はある。店を切り盛りするのは、代表取締役を務める小針 光代さんと、その娘である長女・浩江さん、次女・靖江さんの"3人の看板娘"だ。

 店頭に並ぶ洋傘は1000本以上で、婦人傘が6割、紳士傘が3割、キッズ傘が1割。婦 人傘は親子でペアを組んで展示会に出向き、自分たちの目で品定めする。「親子で行 けば、それぞれの世代に合う商品を選べるので、品揃えのバランスがよくなる」と、 光代さん。店内には吟味されたブランド傘などが瀟洒にディスプレイされている。

 また、紳士傘の豊富な品揃えも自慢。「ホームページ(HP: www.kasa-kobari.com/)で紳士傘の充実ぶりを見て、足を運んでくれるお客さん もいる。千葉から20代の女性がプレゼント用に買うため、遠路はるばる来店されたと きはビックリ。男性客も多く、最近は高価でも気に入ったものを購入される方が少な くない」と、浩江さんはいう。


◆紳士傘が店の中央を陣取る◆

 HPの制作・運営は、靖江さんの役回りだ。昨年秋に地元で開かれたHP講座を受講。 講師の手も借りつつ、今年1月にサイトオープンに漕ぎ着けた。「目的はHPを見た方 に店に来てもらうこと。だから品質やサービスの良さを前面に出し、来店を促す。一 方で値段は余計な先入観を与えてしまうので書かない」(靖江さん)そうだ。

 創業は昭和43年。光代さんと夫の勝さんが夫婦で始めた。勝さんはそれ以前に小田 原の洋傘店で修行。駅前商店街に同業者がいないという理由で平塚に自らの店を構え たのだ。「よそ者だったので馴染むのには相当時間がかかった」(光代さん)そうだ が、開店当初から「店で購入した傘の修理は永久に無料」、「手元へのネーム入れサ ービスも無料」を掲げ、徐々に常連客を増やし、店を軌道に乗せた。

 創業時、浩江さんは幼稚園に通い、靖江さんはまだ3歳。ただ、家では常にレジ後 ろの作業場に腰掛け、父の修理する姿を見ていた。学校に通い出しても帰宅後にその 習慣は続いた。


◆左から、浩江さん、光代さん、靖江さん◆

 平成2年、勝さんが他界。2人の娘は独立し各々の人生を歩んでいたが、母を想い、 店に戻ることを決意する。そして修理もネーム入れも不思議とスグにできるようにな った。幼い頃からの習慣がここで生きたのである。

「店での一番の思い出は、ある年の地元の七夕祭りで突然雨が降り、傘が飛ぶように 売れたこと。2000本は売ったかな。今でも夢に出てくる(笑)」と光代さん。昔日の 再現は今のところないが、それでも3人で店を営む姿は実に楽しそうである。さらに 姉妹は今年、日本洋傘振興協議会の認定資格「アンブレラ・マスター」を取得。益々 商売に身が入る。

 その背中を、浩江さんの息子と娘が作業場に座り、見守る。息子に「継ぐの?」と 聞くと「ビミョー」との答え。でもその顔はまんざらでもなさそうだった。





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