家具の輸入を始めて35年。 ものが溢れているのに、欲しいものが見つからない時代に、当店は、なにを求めて、提供していくべきか。 そのヒントを与えてくれたのは、日本とドイツの二人の職人。超一流の職人との出会いでした。 インテリアショップ「快適空間」の会社は、1934(昭和9)年に創業の呉服問屋です。いまでも呉服部門がありますヨ。 ミュンヘンの室内装飾マイスター、ラーベンザイフナーさん一家
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椅子づくり・家具づくり |
彼らは、私の為だけに、その椅子張り作業の一部を、実際の材料を使って、見せてくれたのです。”これがドイツのHandwerk(手工業)ですよ”と。 建物が200年持つならば、中に置く家具も、何世代も引き継がれるものが相応しいのでは..。 しかし、最初にそのような家具を作ることが出来る人が、本当に少なくなっていたのでした。およそ宮内庁関係を除いては、注文が少ないからです。 その技能を持つ上柳先生(「ロココに取り付かれた男」)が、本物の椅子を作りたいと思う人たちに椅子教室という形で門戸を開いていることは、 大変に有り難いことでした。ミュンヘンで何年も滞在して、修行できないのですから。 ここでは、技能のみならず、多くを教わりました(まだ教わり足りないのですが。) そして、幸せを感じた家具作りでした(理由は後ほど)。
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「幸せを感じる家具とは..」 こうして完成したのが、この椅子です。 テーマをつけるなら、「残したい価値。歴史への敬意と感謝」 今の時代に生まれた店長とスタッフは、呉服商としての歴史と、輸入家具商としての歴史の2つの流れを、自分たちでひとつに表したいと思いました。。 それぞれを象徴するものとして、 伝統の技である京都・西陣の帯地(正絹丸帯)を、椅子張りの最上級の技能である「そく土手」で作る椅子に用いたのです。
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