ヒトスジシマカやネッタイシマカなどの蚊がデングウイルスを媒介する感染症。 デング熱は人から人への感染は無く、デング熱に感染した人の血液を蚊が吸血し、蚊が感染し、その蚊がまた人を刺すことで感染者を増やしていきます。 2014年 8月、69年ぶりに国内で感染した患者が東京の代々木公園を中心に確認されました。
■ デング熱の症状
潜伏期間は、2〜 14日(通常: 3〜 7日程度)。 症状は、高熱 ・ 目の痛み ・ 筋肉痛 ・ 関節痛 ・ 発疹等風邪やインフルエンザの症状とよく似ており、 1週間から 2週間ほど続きます。 まれに重篤化すると 「デング出血熱」 と病名が変わり、致死率も高くなります。デング熱は熱帯 ・ 亜熱帯地域で流行しており、現在のところ、ワクチンはまだ無く、 治療方法は輸液や解熱鎮痛薬などの対処療法しかありません。
■ デング熱対策
デング熱の感染を防ぐには、まず蚊に刺されないようにする事が重要です。 デング熱の媒介蚊であるヒトスジシマカの防除は、感染症であるデング熱の発生及び流行を阻止するのに、最も有効な対策です。
媒介蚊の対策は、
- 発生源対策(幼虫対策)
- 成虫対策
- 個人的防御
の三つに分けられます。 個人的防御は平常時とデング熱流行時とほぼ同じ対策が取られますが、発生源対策は基本的に重要とされ、これに対し成虫対策は主としてデング熱流行時に実施されます。
|
物理的防除法 |
化学的防除法 |
1.発生源対策 (幼虫対策) |
古タイヤ・空き缶・植木鉢の受け皿などに水を溜めない。 雨水桝にネットを設置する。 庭の手入れをする。 |
① 雨水桝に昆虫成長制御剤(IGR剤)を投入。 ② 側溝・汚水槽に昆虫成長制御剤(IGR剤)粒剤を投入。 |
2.成虫対策 |
網戸やエアーカーテンの設置。 蚊帳などにより侵入防止をする。 |
蚊取り線香・蚊取りマット・蚊用エアゾール・液体殺虫剤 |
▽ おすすめ商品
△ページ上部に戻る
ヒトスジシマカ(やぶ蚊) |
|
アカイエカ |
|
チカイエカ |
特徴
体長は、約4.5mm。 小型で黒く、体色は黒白の縞模様で背中に白い縦線がある。
動物の吐く息に反応し、昼から夕方に吸血する。 吸血されると強いかゆみがでる。 活動範囲は50〜100m程度です。
主な発生場所
雨水桝・古タイヤ・空き缶・植木鉢の水受け皿・墓地の花立・竹の切り株などの水の溜まり場。 藪・墓地・公園など。
発生時期
夏期(5月〜10月頃)
疾患
ウエストナイル熱・デング熱・チクングニア熱・黄熱
|
|
特徴
体長は、約5.5mm。
茶褐色で腹部背面に橙色の横帯が見られる。
日本全土に生息し、夕方から夜間に吸血する。
主な発生場所
側溝(どぶ)・汚水槽・防火用水などの汚水から発生。
発生時期
6〜9月頃
疾患
ウエストナイル熱・フィラリア症
|
|
特徴
体長は、約5.5mm。
見た目はアカイエカに似ている。
主な発生場所
地下鉄の溝内・ビルの排水槽・浄化槽など地下の水域。
発生時期
一年中発生
疾患
ウエストナイル熱
|
▽ 蚊の生活史(アカイエカの場合)
■ 蚊が媒介する様々な感染症 (海外の一部地域で流行した感染症が日本でも感染する可能性があります)
ウエストナイル熱
感染症法 | : | 第4類感染症に指定 |
病原 | : | ウエストナイルウイルス |
媒介蚊 | : | アカイエカ、チカイエカ、ヒトスジシマカなど43種 |
潜伏期間 | : | 3〜15日 |
症状 | : | 発熱、頭痛、筋肉痛など |
|
チクングニア熱
感染症法 | : | 第4類感染症に指定 |
病原 | : | チクングニアウイルス |
媒介蚊 | : | ヒトスジシマカなど |
潜伏期間 | : | 3〜12日 |
症状 | : | 発熱、関節痛、発疹など |
|
その他の感染症
疾病 |
病原体 |
媒介する蚊 |
日本脳炎 |
日本脳炎ウイルス |
ヒトスジシマカ ネッタイシマカ |
黄熱 |
黄熱ウイルス |
ネッタイシマカ |
マラリア |
マラリア原虫 |
ハマダラカ |
フィラリア |
フィラリア線虫 |
ネッタイイエカ |
|
△ページ上部に戻る
定期的な清掃で水を溜めない!!
蚊は卵から成虫になるまで水中で生活します。ちょっとした水まわりがあれば、場所を問わず卵を産み増える特徴を持っています。つまり、水がなければ蚊は増えません。発生源となる「水まわり」をなくすことが、最も効果的な対策となります。
空き缶やタイヤの周り
☞ 撤去する ☞ 雨のあたらない場所に置く
| |
植木鉢の受け皿
☞ 逆さまにする ☞ 撤去する ☞ 1週間に1回水を入れ替える
|
雨よけシートのくぼみ
☞ たるみを無くす
| |
庭周り
☞ 庭の手入れをする
|
雨水枡
☞ 殺虫剤を投入する ☞ 防虫網を設置する
|
|
△ページ上部に戻る
- 問1 デング熱とは、どのような病気ですか?
-
デングウイルスが感染しておこる急性の熱性感染症で、発熱、頭痛、筋肉痛や皮膚の発疹などが主な症状です。
- 問2 デング熱の病原体は何ですか?
-
フラビウイルス科フラビウイルス属に属するデングウイルスです。
ウイルスには1〜4までの4つの型がありますが、どの型によっても同様の病気がおこり、症状からは感染したウイルスの型はわかりません。
- 問3 潜伏期間はどのくらいですか?
-
2〜14 日(多くは3〜7日)です。
- 問4 どのようにして感染するのですか?
-
ウイルスに感染した患者を蚊が吸血すると、蚊の体内でウイルスが増殖し、その蚊が他者を吸血することでウイルスが感染します(蚊媒介性)。ヒトからヒトに直接感染するような病気ではありません。また、感染しても発症しないことも多くみられます。
- 問5 世界のどの地域が流行地ですか?
-
熱帯や亜熱帯の全域で流行しており、東南アジア、南アジア、中南米で患者の報告が多く、その他、アフリカ、オーストラリア、南太平洋の島でも発生があります。最も日本に近い流行地は台湾です。
- 問6 日本国内での発生はありますか?
-
海外の流行地で感染し帰国した症例が近年では毎年200名前後報告されています。日本国内で感染した症例は、過去60年以上報告されていませんでしたが、2013年には、ドイツ人渡航者が日本で感染したと疑われる症例が報告されました。 また、2014年8月以降、東京都立代々木公園に関連する患者の発生が報告されています。
- 問7 感染を媒介する蚊は日本にもいますか?
-
主たる媒介蚊はネッタイシマカ(日本には常在していません)です。ただし、日本のほとんどの地域(秋田県および岩手県以南)でみられるヒトスジシマカも媒介できます。
- 問8 治療薬はありますか?
-
デングウイルスに対する特有の薬はありませんので、対症療法となります。
- 問9 罹ると重い病気ですか?
-
デング熱は、体内からウイルスが消失すると症状が消失する、予後は比較的良好な感染症です。しかし、希に患者の一部に出血症状を発症することがあり、その場合は適切な治療がなされないと、致死性の病気になります。
- 問10 どのように予防すればよいですか?
-
蚊に刺されないように注意しましょう。長袖、長ズボンの着用が推奨されます。また蚊の忌避剤なども現地では利用されています。
- 問11 予防接種はありますか?
-
デング熱に有効なワクチンはありません。
- 問12 ヒトスジシマカについて教えてください。
-
ヒトスジシマカは、日本のほとんどの地域(秋田県および岩手県以南)に分布しています。その活動時期は5月中旬〜10月下旬です。ヒトスジシマカの幼虫は、例えば、ベランダにある植木鉢の受け皿や空き缶・ペットボトルに溜まった水、放置されたブルーシートや古タイヤに溜まった水などによく発生します。人がよく刺されるのは、墓地、竹林の周辺、茂みのある公園や庭の木陰などとされています。
- 問13 ヒトスジシマカの体内でデングウイルスは増えますか?
-
ヒトスジシマカの体内でウイルスは増え、デング熱流行を起こす能力がありますが、ネッタイシマカに比べるとその増殖は低いとされています。
- 問14 ヒトスジシマカは越冬しますか?
-
ヒトスジシマカの成虫は、秋になって気温が下がると死んでしまい、卵の状態で冬を越します(卵越冬)。
なお、デングウイルスが卵を通じて次の世代の蚊に伝播したという報告はありますが、冬を越した卵からデングウイルスが検出されたという事例は国内外で確認されていません。
- 問15 ネッタイシマカの特徴等について教えてください。
-
現在、ネッタイシマカは国内には生息していません。かつては国内でも沖縄や小笠原諸島に生息し、熊本県牛深町には1944〜1947 年に一時的に生息していたことが記録されていますが、1955 年以降は国内から消滅したとされています。ただ今日では、航空機によって国内に運ばれる例も確認されており、定着の可能性は皆無ではありません。
- 問16 蚊に刺されないようにするにはどうしたらよいでしょうか?
-
ヒトスジシマカやネッタイシマカは日中に活動し、ヤブや木陰などでよく刺されます。その時間帯に屋外で活動する場合は、長袖・長ズボンの着用に留意し、忌避剤の使用も推奨します。
(参考)厚生労働省
△ページ上部に戻る
▽ シリーズラインナップ
第2類医薬品
製品名 |
有効成分 |
包装 |
使用方法 |
ウジ |
ボウフラ |
スミラブ発砲錠剤「SES」 |
ピリプロキシフェン0.5% |
0.5g:100錠×60 1g :50錠×60 2g :25錠×60
|
希釈散布 ※2 50倍液 1L/㎡ |
水量 1㎥ に対し2〜4g |
スミラブ粒剤「SES」 |
ピリプロキシフェン0.5% |
1kg×10 2.5g×1000(水溶性フィルム) ※1
|
20g/㎡ |
水量 1㎥ に対し10g |
スミラブ S粒剤「SES」 |
ピリプロキシフェン0.5% |
1kg×10 10kg×1
|
希釈散布 ※2 50倍液 1L/㎡
直接散布 20g/㎡ |
水量 1㎥ に対し2〜4g |
スミラブ発砲粒剤「SES」 |
ピリプロキシフェン0.5% |
2g×40 |
希釈散布 ※2 50倍液 1L/㎡ |
水量 1㎥ に対し2〜4g |
普通物
製品名 |
有効成分 |
包装 |
使用方法 |
ユスリカ |
チョウバエ |
不快害虫用 スミラブ発砲錠剤「SES」 |
ピリプロキシフェン0.5% |
0.5g:100錠×60 ※1 |
10〜20g/1時間流水量1t |
生側面1㎡に対し6〜20g |
不快害虫用 スミラブ粒剤「SES」 |
ピリプロキシフェン0.5% |
1kg×10 ※1 |
10〜20g/1時間流水量1t |
生側面1㎡に対し10〜20g |
不快害虫用 スミラブ S粒剤「SES」 |
ピリプロキシフェン0.5% |
1kg×10 ※1 |
- |
生側面1㎡に対し10〜20g |
不快害虫用 スミラブ 発泡粒剤「SES」 |
ピリプロキシフェン0.5% |
2kg×40 ※1 |
生側面1㎡に対し6〜20g |
生側面1㎡に対し10〜20g |
スミラブR 固形剤WM「SES」 |
ピリプロキシフェン |
100g×6 |
1時間流水量 0.03〜0.1ppm(1個/200t) |
- |
チャブ VES |
ピリプロキシフェン ピレスロイド系化合物 |
100g×20 |
- |
水表面1㎡当り10〜20g |
チャブ BT錠 |
ピリプロキシフェン Bacillus thuringiensis、 israelensis |
1g:100錠×40 |
10〜30g/1時間流水量1t |
水表面1㎡当り10〜30g |
※1 : 受注生産
※2 : ゴミや堆肥の場合は、希釈倍率および散布量を2倍とする
※ スミラブは住友化学鰍フ登録商標、チャブは住化エンバイロメンタルサイエンス鰍フ登録商標
■ 処理例 は推奨する使用方法
第2類医薬品
場所 |
花生け |
池・ピット |
雨水枡 |
側溝 |
河川 |
浄化槽 |
小 |
大 |
小 |
大 |
小 |
大 |
4〜5人槽 |
50人槽 |
水量 |
<100L |
1t |
30L |
0.5t |
0.1t |
2t |
200t |
5000t |
製品名 |
|
スミラブ発砲錠剤「SES」 |
<0.4g |
2〜4g |
- |
1〜2g |
0.2〜0.4g |
4〜8g |
400〜800g |
- |
(20g) |
(300g) |
スミラブ粒剤「SES」 |
- |
10g |
- |
5g |
- |
20g |
2kg |
50kg |
(15g) |
(150g) |
スミラブ S粒剤「SES」 |
- |
2〜4g |
- |
1〜2g |
- |
- |
- |
- |
(15g) |
(150g) |
スミラブ発砲粒剤「SES」 |
<0.4g |
2〜4g |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
(20g) |
(300g) |
普通物
場所 |
花生け |
池・ピット |
雨水枡 |
側溝 |
河川 |
浄化槽 |
小 |
大 |
小 |
大 |
小 |
大 |
4〜5人槽 |
50人槽 |
水量 |
<100L |
1t |
30L |
0.5t |
0.1t |
2t |
200t |
5000t |
製品名 |
|
不快害虫用 スミラブ発砲錠剤「SES」 |
0.5g |
2〜4g |
- |
1〜2g |
1〜2g |
30g |
3kg |
- |
20g |
300g |
不快害虫用 スミラブ粒剤「SES」 |
- |
10g |
- |
5g |
- |
30g |
3kg |
75kg |
15g |
150g |
不快害虫用 スミラブ S粒剤「SES」 |
- |
2〜4g |
- |
1〜2g |
- |
- |
- |
- |
15g |
150g |
不快害虫用 スミラブ スミラブ発砲粒剤「SES」 |
- |
2g |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
20g |
300g |
スミラブ固形剤WM「SES」 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
100g |
2.5kg |
100g |
100g |
チャブ VES |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
10g |
150g |
チャブ BT錠 |
1〜3g |
10〜30g |
1g |
5〜15g |
1〜3g |
20〜60g |
2〜6kg |
- |
10〜30g |
150g |
△ページ上部に戻る