海藻は、畑のたんぱく質といわれる大豆などと並んでアルカリ性食品の代表ですと前にお話しましたが、その大豆以上に、海藻には良質なたんぱく質が含まれていることは、意外と知らされていない事実です。
100g中の含有量で見ると、素干し昆布で8.2%、素干しわかめで15%、塩蔵
わかめで4.1%、乾しノリでおよそ39%です。
いずれの場合もたんぱく質の栄養価そのものはすべて良質です。
特にノリのたんぱく質は、量も質も大豆に優っています。
乾し大豆はおよそ35%ですから、ノリのほうが約4%多いことになります。
ノリや昆布、わかめなどの海藻のうち、特にノリには大豆などのたんぱく質には不足しがちなメチオニンというアミノ酸が比較的多く含まれています。
たんぱく質は人間の体に入るとアミノ酸という物質に分解されますが、人間の体に必要なたんぱくを作るためには、8種類のアミノ酸がなくてはならないといわれています。
そのなかでのひとつでも欠けると、たんぱく質の質はけっして良質なものとは言い難いものになってしまいます。
いろいろな他の食品と一緒に食べ合わせることによって、その食品のたんぱく質の質を上げる効果が期待できるのです。
大豆も海藻と一緒に食べ合わせることによって、大豆に不足しているメチオニン
を補い、アミノ酸のバランスを整え、たんぱく質の質を高めます。
ノリと大豆、ノリと魚、普段何気なく取り合わせて食べている料理にも、実はこんな効果が隠されているのです。
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