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根昆布   コレステロールを減らし、血圧を下げ、便秘を解消し、肥満を防止する



  根コンブは昔から民間薬として利用されていた

◆海藻に含まれるさまざまな成分は、私たちの健康になくてはならないものです。

特にコンブやワカメに多く含まれるアルギン酸やフコイダンという水溶性の食物繊維が、血液中のコレステロールを減らして動脈硬化や心筋梗塞、脳血栓などの血液の流れに関する病気の予防に大いにその力を発揮しています。

コンブやワカメなどの海藻のヌメリは、アルギン酸とフコイダンという多糖類と、ごく微量のたんぱく質からできています。
もちろんいろいろのミネラルも含んでいます。

この多糖類は酸性で、水に溶けやすい性質を持った食物繊維です。
海藻はこのヌメリで自らの体を覆い、海水中の細菌の侵入を防いでいるのです。

このヌメリが私たちの体に入ってさまざまな活躍をするわけですが、その一つ には、消化されにくい性質をもっているために、私たちの体を通過していくと きにさまざまな物質を一緒につれて排泄してくれることがあげられます。
血液中のコレステロールを低下させて血圧を下げたり、動脈硬化を防ぐのはこの作用のためです。

また、ミネラルと結合しやすい性質のため、有益なミネラルを運び、余分のナトリウムなど、取り過ぎると害になるミネラルと結びついて、それを体外に排出する作用もあります。

さらに、豊富に含まれているビタミンやミネラルが、動物性の脂肪やたんぱくを過剰に摂取している私たちの食生活に、栄養のバランスを運んでくれているのです。

◆コンブやワカメを水に浸したり、料理をすると、ヌルッとした表面に変わります。

これがさまざまな病気から私たちを守ってくれる成分です。
この成分は、基本的にはコンブもワカメもだいたいは同じです。

生のまま、あるいは素干しにした物であれば、動脈硬化などを防ぐ作用はほとんど変わりません。
ただし、製品化したものでは少し違いが出てきます。

◆コンブはだいたいにおいて素干し製品が多いもの。

ところがワカメは、湯通しした塩蔵品がほとんどで、アルギン酸やフコイダンは、製品化する段階でかなりの量が流れ出てしまいます。

ただし、ヌメリ成分は表面のみにあるわけではなく、コンブやワカメの中から染み出して、その表面にあるのは、全成分の四分の一から五分の一ですから、 製品化される段階で流れ出てしまっても、本体にはまだ充分に残っています。

◆そこで注目されるのが「根コンブ」です。

コンブなどの海藻類は、植物と同じように葉、茎、根の部分からできています。
根コンブは、葉の下部と茎の上部の間の部分のことを指し、またの名を頭コンブ(かしらこんぶ)ともいいます。
葉や茎よりも細胞分裂がさかんで、成長が早く、コンブの中では一番老化しにくいところです。

言うならば、この部分はコンブの成長の要になっているところで、もっとも生きの良い部分といえます。 それは成分量の多さで証明されます。

ヌメリが多く、ヨウ素などは他の部分より優り、酵素の活性が高いことがそれを示しています。
つまり、動脈硬化防止などに働くアルギン酸やフコイダンの量が充実していて、新陳代謝を活発にするヨウ素にすぐれているということです。

根コンブは昔から民間薬として利用されてきたといいますから、海藻を食べることの多かった日本人は、経験的にその薬理効果の高さを知っていたのでしょ う。

また、根コンブのほとんどは素干しで製品化されているため、加工過程での有効成分の損失量は、ワカメなどに比べると格段に押さえられていますし、他の コンブ製品に比べても成分の含有量が比較的一定していることも利点の一つと言えます。

コンブの採れる地域や時期によっては、製品の質にばらつきがあるものですが、その問題も根コンブなら解消してくれるというわけです。

ただ、念のため付け加えておくなら、根コンブの効果は、上質の物であれば、葉の部分にも充分に期待できます。

◆他の海藻類を引き離し、抜群の効果で成人病をはね返す根コンブ。

私たちの日常の食生活で海藻の、ひいてはコンブの栄養分を効率よく取り入れるには、根コンブがもっとも効果的な食品といえるでしょう。
ただし、葉の部分よりは少し固いのが難点です。
毎日の食卓に繁栄するには、料理にちょっとの工夫が必要でしょう。

◆そこで、その代わりに根コンブ水を飲む方法があります。

それは、根コンブをただ水に浸して飲むだけの簡単なものです。
コンブの有効成分を、より多く、効率よく摂取する最も簡単な方法です。

ただ、コンブ、特に根コンブには多量のヨウ素が含まれていますので、できるだけそれを取り除いたほうがヨウ素の過剰摂取を防げます。 ヨウ素を取りすぎることは、不足するのと同じで、絶対良くありません。

素干し根コンブをいったん多量の水に20〜30分漬け、そのとき出てくる ヨウ素や、ごみ、かびを含んだ水を捨ててから使用します。
この操作は重要な過程ですから守ってください。

また、本番で浸して使い残った根コンブにもまだミネラルなどの栄養分や食物 繊維がたくさん残っていますから、これも十分利用しましょう。 水に浸されて柔らかくなっているので、料理にも簡単に取り入れることができ ます。

細かく刻んで卵焼きに入れたり、つくだ煮にして常備菜にしたりと工夫次第でいろいろと利用できるでしょう。