不足するとこんな病気が
食物繊維自体はエネルギーとしては利用できません。
この飽食の時代にあっては、このことはまた意味のあることですが、それはさておき。
今なぜ食物繊維が注目を集めているかというと、食物繊維には体調のリズムを調整し、病気の予防や回復を促すと言う働きがあるからなのです。
その働きを具体的にあげると
・腸の働きを整え、便秘を防ぐ
・血液中のコレステロール量を正常に保ち、動脈硬化を予防する
・糖尿病を予防する
・大腸がんを予防する
・高血圧を予防する
・腸内の有益菌を増やし、有害な細菌の発生を抑える
などがおもなものです
食物繊維はどれくらい必要か?
それでは、いったいどれくらいの量の食物繊維をとったらよいのでしょうか。
残念なことに、今のところ目標とする食物繊維の必要量はわかっていません。
しかいいろいろな調査をもとに、成人病があまり見られなかった時代の摂取量を割り出して、ひとつの目安としています。
それによると、日本では昭和25年〜30年当時で一日約25gの食物繊維をとっていたといわれます。
そのことから、少なくとも一日に20g以下にはならないことが望ましいとされています。
また、アメリカの学者には、一日に20〜25gは必要という説をかかげる人もいます。
食物繊維不足は便でわかる
毎日、食物繊維をちょうどよくとっているかどうかが、簡単にわかる方法があります。
それは規則正しく便通があるかどうか、そしてその便の状態が良い便か悪い便かをチェックする方法です。
まず、便秘をしているようでは食物繊維は不足していると考えて良いでしょう。
また良い便とは太くてやわらかく、そして水に浮き、においもあまりしないものなのです。
それは食物繊維が水分を吸収する作用が強く、それで便をやわらかくし、量を増やすはたらきをするからです。
食物繊維と便の関係には、おもしろい調査報告があります。
アフリカの田舎ではたらいていたイギリスの医師グループが、アフリカ人の便の多さに着目して調査したところ、アフリカ人は何と一日に約450gもの便をし、しかもそれは太くてやわらかく、ほとんどにおいがしなかったとのことです。
それに比べ、イギリス人の便は彼らのたった四分の一、約100gの量にすぎないうえ、その便はかたくて圧縮されて細く、腐敗した異臭を放っているものでした。
さらに便の調査をすすめてみると、イギリス人は食べた物を排泄するのに平均して三日かかるのに、アフリカ人はほぼ一日で排泄するということがわかってきました。
また同じアフリカ人でも都会に住み、欧米化した食事をとっている人は、便の状態がイギリス人に近くなっていることも確認されたそうです。
医師達は便の違いは食事が原因と考え、アフリカ人の食事は低脂肪・高繊維であり、植物性の食物繊維をイギリス人の三倍取っていることをつきとめました。
★流す前に、必ず便のチェック!! |