avisports A-101 26インチ折りたたみマウンテンバイク ご使用についての重要なお知らせとお願い


平素は当店ならびにavisportsをご愛顧賜り、まことにありがとうございます。

このたび、2007年1月から2010年2月上旬までに約2万台販売いたしました avisports A-101 26インチ折りたたみマウンテンバイク において、使用中にハンドルステムが抜け転倒、負傷されるという事象が1件発生いたしました。

これを受け、弊社として、独立行政法人 国民生活センター 商品テスト部、およびNITE(独立行政法人 製品評価技術基盤機構)にご協力いただき調査いたしましたところ、事象発生に至ると考えられる要因2点が判明、また、それを改善する安全な使用方法を確認いたしました。
要因その1:ボルトレバー締付トルク不足
要因その2:フォークコラム内の形状
要因その1に対する安全な使用方法:シートポスト(延長パイプ)を利用して増し締めする
要因その2に対する安全な使用方法:ハンドルステムを挿し込みすぎない(ハンドルステムを最も下げた位置から、約20mm上に引き上げる)

該当自転車をお買い求めいただきましたお客様には、下記の要因内容、および改善策(安全な使用方法)をご確認・ご理解いただいたうえで、自転車に乗る前の乗車前点検を毎回必ず行っていただけますよう、何卒、よろしくお願い申し上げます。


該当する自転車 avisports A-101 26インチ折りたたみマウンテンバイク
上記自転車で、ハンドルポストボルトレバー(左図矢印)を装備したもの。


ハンドルステムの構造と、フォークコラムへの固定の仕組み
ハンドルステムの模式図です。
ハンドルステムをフォークコラム(ステムを挿し込むところ)に挿し込み、ボルトレバーを締めると、それにつれて引上げウスが上方にせり上がってきます。
ステムとウスは斜めに合わさりますので、ウスが上方にせり上がると共に、ステムとウスがフォークコラム内壁に接触、外側に強く押し付けられる格好になります。

この外側に押し付けられる力により、ステムがフォークコラムに固定されます。


要因その1:ボルトレバー締付トルク不足

該当自転車は、ハンドルステム内の引上げ棒とボルトレバーが一体になっています。

別の方法として、左図のように引上げ棒とボルトレバーが分かれたもの(ボルトレバーの代わりにアーレンキー(六角レンチ)を使用)もありますが、使用者がハンドルステムの固定・解除を行うためには、常にアーレンキーを携行する必要性があります。

該当自転車では、アーレンキーを携行することなく作業が行えるよう、引上げ棒とボルトレバーが一体になったものを採用いたしました。

ただ、ボルトレバーは構造上、柄の部分の長さが約9cmしかとれず、結果として、引上げ棒を引き上げるトルクが小さくなるという要因が確認されました。


要因その2:フォークコラム内の形状
該当自転車のフォークコラム内部ですが、コラム上端から見て約90mm下がった位置を基点に、さらに下方に向かうにつれ、内径が狭くなっています。
つまり、フォークコラムの厚みが増していきます。

この「コラムの厚みが増す」というのは、コラムの強度を維持するために必要な構造なのですが、この部分にステムの先端が届くと、ステムとウスがフォークコラム内壁と接触する部分が小さくなります(左図○内)。

もともとの固定力が弱かったり(シートポスト(延長パイプ)を利用せずに、ハンドルポストボルトレバーのみで締めていたり)、普段からの乗車前点検を怠っているうちに固定力が少し弱まったりした場合、急に固定力が大きく弱まるという要因が確認されました。


要因その1の改善策:シートポスト(延長パイプ)を利用して増し締めする
ボルトレバーが短くてトルクが不足するのであれば、なにかパイプのようなものを利用してレバーの長さを延長し、より大きなトルクをかけられるようにすれば問題ありません。

もちろん、そのようなパイプを用意し携行するというのは、先のアーレンキーよりかさ張るだけですので、ここでは自転車に必ず付いているシートポスト(サドルの下の棒)を利用して増し締めします。

まずはボルトレバーを手で締めてください。
左図の時点で、ボルトレバーのみで締め切れるところまで締めています。
次にシートポストを抜きます。
シートポストはパイプ状になっていますので、これを利用してボルトレバーを延長します。

左図のほうに、ボルトレバーにシートポストを被せ、シートポストのサドルに近いほうを握ってレバーを締めます。

先ほど力いっぱい締め切っていたはずですが、こうすると更にボルトレバーが締まっていきます。


ボルトレバーの締め付け具合の目安について
JIS D 9311(自転車組立作業方法)では、ハンドル組付けの工程で、“引上げ棒の締付トルクは18N・m(180kgf・cm)を目安とする。”とあります。
シートポストを利用し、引き上げ棒から20cmぐらいの所を握って力を加えていますので、9kg(=180/20)前後の力で締め付けてください。
なお、左図では「ショートサイズ」のシートポストを利用しています。
「ロングサイズ」のシートポストの場合、長さが約25cmありますので、7.2kg(=180/25)前後の力で締め付けてください。
結果、ボルトレバーのみで締めた時より、さらに180度近く締めることができました。

★注意★
増し締めできる角度は、最初にボルトレバーのみで締めた時のトルクの大小によって変わります。
必ず180度増し締めできる、または増し締めしなければならない、というものではありません。


ここまで締めてしまうと 、シートポスト(延長パイプ)を使わずにボルトレバーのみで緩めることは、ほぼ不可能だと思われます。
JIS D 9301(一般用自転車)では、7.5.4ハンドルステムのフォークコラムへの固定強度で、ハンドルバーに25N・mのトルクを加えたとき、ハンドルステムがフォークコラムに対して動かないこと。と規定されております。

25N・mは従来の単位系では250kgf・cmですので、ハンドルバーの中心から25cmの位置を握り、左右に均等な力を加えるものとして、片側に5kgの力を加えれば確認できます。
また、自転車技士を対象として編集された車両検査協会発行の自転車組立整備ハンドブックでは、“自転車の前方から前車輪を両足ではさみ、ポスト(ハンドルバーの中心)から約10cmの位置でハンドルバーを両手でつかみ、腕の力で左右に回してみて、回らないかどうかをチェック”と書かれております。

該当自転車のハンドルバーは長さ約54cmですので、ちょうどグリップの位置を握り、前輪を両脚で挟んで固定し、ハンドルをグイグイと左右に切ってください。
ハンドルステムが確実に固定され、動かないことを確認願います。
確認後、シートポストを元通りにセットしなおしてください。
シートポストでの増し締めが上手くできない、上記の内容がよく分からない等ございましたら、
ページ下端部に記載の問い合わせ先までお問い合わせください。


要因その2の改善策:ハンドルステムを挿し込みすぎない
要因その1の改善策:シートポスト(延長パイプ)を利用する、を実施いただければ、ハンドルステムは十分なトルクで固定できます。
ここでは、念のためもうひとつの改善策についてご説明いたします。

ハンドルステムの、フォークコラム内に挿し込める長さは、左図のように約105mmです。

ステムの先端が、フォークコラムの上端から約90mm下がった位置以下にならなければ問題ありませんので、ハンドルステムを一番下まで挿し込んだ状態から、少なくとも15mm上方に引き上げればいいということになります。
ここでは、念のため20mmを目安に引き上げます。
まずはハンドルステムを一番下まで挿し込みます。

この位置から、ステムを約20mm引き上げてください。
大体、10円玉の直径分ぐらい引上げください。
これで約20mmです。
この位置よりも、ハンドルステムを上方に引き上げた状態で固定してください。

★注意★
ハンドルステムを引き上げていくと、はめ合わせ限界標識(左図矢印の、│││││で示された標識)が見えてきます。

この標識が見えた状態で使用するのは危険です。
必ず、この標識が見えなくなる位置までハンドルステムを下げてください。
上記の内容がよく分からない等ございましたら、
ページ下端部に記載の問い合わせ先までお問い合わせください。


★お願い★
以上2点の改善策を、付属マニュアルへの追記事項としてご確認ください。
なお、ハンドルステムがしっかり固定されているかどうかの確認は、乗車前点検の一環として、自転車に乗る前に毎回必ず行ってください。


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