本体に「ハイレゾ対応デジタルノイズキャンセリング機能」を搭載し、ハイレゾ音源の連続再生約45時間のバッテリーライフを実現するなど、使い勝手が大幅に向上したウォークマンの高級機【NW-ZX100】。

　それに加えて、お手頃価格の「A」シリーズにも、ハイレゾ音源の再生＆ノイズキャンセル機能が使える【A20シリーズ】が登場！ どれだけ使えるのか、２台を徹底比較してみた！

　今回用意したNW-A25HNは新色のシナバーレッド。商品型番の後ろにHNとつくのが「ハイレゾ・ノイズキャンセリング」ヘッドホン同梱モデルで、HNのつかないモデルは「非ハイレゾ」のノイズキャンセリングヘッドホンが同梱される。

　右側のひとまわり大きな【ZX-100】は先代までのアンドロイドではなく、十字ボタンと再生ボタンが液晶の下に配置される従来型のウォークマン・スタイルが採用された。なお、【ZX-100】にはヘッドホンは付属しない。

　横から見ると【ZX100】の方が厚みもあるのがわかる。外観以外で最も違うのは本体メモリ容量。【A20シリーズ】では16/32/64GBから選択可能だが、【ZX100】はさらに大容量の128GBを内蔵している。マイクロSDカードスロットを搭載しているので、内蔵メモリが不足してきた時には別売SDカードにより記憶容量を補える。

　【ZX100】も側面ボタンは他シリーズ同様、ボリューム上下とホールドのみに改良されたので、ポケットの中などでもブラインドで操作しやすい。

　ウォークマン専用ポートを挟んで左側にイヤホンジャック、右側はストラップホール。

　真鍮製のイヤホンジャック。端正な配置には気品が漂う。

　よく使う機能がアイコン化されたホーム画面。画像ビューワ、動画再生、FMラジオ、本体へのダイレクト録音など一通りのマルチメディア・ファイルがオールインワンで管理できる。

　【ZX100】のホーム画面は音楽再生に特化されていて、驚くほどシンプルだ。アルバム・ジャケットは大きく表示される。オーディオ・プレーヤーであることの潔さが心地よい。

　「ハイレゾ対応ヘッドホン」で「デジタルノイズキャンセリング」を有効にするにはソニー専用モデルを組み合わせることが条件となる。写真の専用メニューで設定するのだが、NW-A25HN（ハイレゾヘッドホン同梱モデル）はデフォルトで付属品（MDR-NW750N相当）が選択されているようだ。二段目のMDR-NWNC33は、NW-A25（HNがつかないモデル）の付属品。

　【ZX100】で「ハイレゾ対応デジタルノイズキャンセリング機能」を有効にするには別売のヘッドホン「MDR-NW750N」との組み合わせが最有力候補となる。純正品だけに最適なバランスにセッティングされているはずだ。
　既存モデルの「MDR-NWNC33」でもノイズキャンセリング機能は有効なのだが、ハイレゾには非対応となる。

　【NW-A27HN】【NW-A26HN】【NW-A25HN】には、隅々まで本体色に合わせたカラーリングがビビッとくる「MDR-NW750N」が付属。ドライバーユニットに見えるグレイのメッシュ部がノイズキャンセリング用の集音器だ。端子部も特殊な5極プラグとなっているため、ウォークマン専用と考えた方がよいだろう。

　【A20シリーズ】のハイレゾ非対応ヘッドホン同梱モデルで、別売のハイレゾ対応デジタルノイズキャンセリングヘッドホンの「MDR-NW750N」に乗り換えようと思った場合、ホワイトかブラックの選択となる。シナバーレッドなどのカラーモデルは単品販売されていないので注意しよう。

　【ZX100】の高音質を生かすヘッドホンが欲しいという方にお勧めなのが、「XBA-300」。バランスド・アーマチュア型の「XBAシリーズ」の最新モデルで「トリプル・バランスド・アーマチュアドライバーユニット」を採用。低音・フルレンジ・高音と左右それぞれ３本のドライバーが小さな筐体に詰め込まれている。

　その他のおすすめイヤホンは「XBA-A2」「XBA-A3」「XBA-Z5」。ヘッドバンドなら定番モデル「MDR-1A」やビビッドな新色の揃う「MDR-100A」なども検討したいところ。

　FLAC形式のデータを試聴してみた。ハイレゾ音源ならではの特徴である楽器や声の生々しさや艶などのディティールがきめ細かく表現されている。

　曲のテンポなどを元に気分に合わせて自動で選曲してくれる機能は健在。目新しいところではハイレゾ音源だけを連続再生する機能がアップデートで追加予定。

　イコライザーや歌詞表示機能のほか、アラーム設定などが並んでいる。中でもとりわけ気になったのが「ファイル送信」という機能。一体、何のファイルを何処に送信するのか。

　実はこれ、Bluetooth通信を利用したウォークマン同士でのファイル送受信機能。数メガバイトのMP3ファイルなどはサクッと送受信できる。百メガ近い巨大なファイルも時間さえかければ何とかなる模様である。

　改めて現行ウォークマンのラインナップを眺めてみると、今回レポートしたZX100がよりシンプルでピュアなプレーヤーに生まれ変わった一方、アンドロイドOSで10万円超えモデルNW-ZX2という選択肢も残っており、より幅広いニーズに対応できるようになった。

　Aシリーズはカラーバリエーションの追加投入もあり、かつてなく充実している。単品で購入すると約一万円前後の「ハイレゾ・ノイズキャンセリングイヤホン」を同梱したモデルが「ハイレゾ未対応のノイズキャンセリングイヤホン」同梱モデルの五千円アップで手に入る価格設定になっているのもお買い得感がある。（記載価格はいずれも2015年10月時点のもの）

　また、ハイレゾ非対応モデルがSシリーズ一本に集約されたことで、ワンランク・アップでAシリーズという位置づけがより分かりやすくなった。ノイズキャンセリング機能がより多くの標準パッケージで利用できることも新モデルの特長で、「ウォークマンは音がいい」という評価がさらに定着するのではないだろうか。

2015. 10.30.公開（T）