正しいサイズの選び方

 いくら良い靴でも、サイズが合わなければ足に良いわけがありません。それどころか、外反母趾、巻き爪、ハンマートーなどの足の病気の原因となります。

ここではサイズ規格の多様性と実際のサイズ合わせについてお話いたします。

a.靴の表示サイズ

 靴のサイズにいくつかの規格がある事をご存知ですか。現在のところ世界統一のサイズ規格は無く、主要国が独自に基準を設けています。


 上の写真はドイツのadidas社の靴の箱に付いているサイズタグです。 最下段左からドイツのDIN規格(G)、イギリスのUK規格(GBまたはUK)、フランスのEUR規格(F 又は EUR)、アメリカのUS規格(USA 又は US)、そして日本のJIS規格(J 又はcm)と五つものサイズ表示が並んでいます。
 靴には横幅(ウィズ)にたいする規格もありタグに併せて表示されている場合いがあります。細身のAAから幅広のG(EEEEEE)までの11段階もが用意されています。
 革靴やカジュアル靴の業界とスポーツ業界では異なるサイズ基準を採用しているのが普通です。 ウィズの計測ポイントも国によって異なります。従って、同一の表示サイズ及びウィズ(たとえば25.5cmEE)であっても実際の大きさが異なることがあります。

 下の2枚の写真をご覧ください。

 写真上はロックポート社製紳士靴でUSサイズ8.5(26.5cm)。下は親会社であるリーボック社製のスポーツシューズでUSサイズ11(29.0cm)です。

 外見の全長は僅かにリーボックが大きくみえますが、踵部分のパットの厚さを差し引けばほぼ同じ長さになります。


 下の写真のインソールはおよそ3年程使用されたもので、はっきりした足型(フットプリント)がついています。
 これを使って両者の採寸方法の違いを説明しましょう。


 革靴やカジュアルシューズの業界では伝統的にその靴に合う足の実寸(線分AB)を表示しているのに対し、スポーツシューズでは靴の内側の全長(線分AC)を表示しています。
 従って、つま先の空間部分の長さだけ双方の表示サイズに差が出るのです。


 下の表は私が作った革靴(足の実測長を表示)とスポーツシューズ(靴の内寸を表示)とのサイズ換算表です。 私達の店ではこの換算数値を基準にフィッティングを行っています。




  革靴とスポーツシューズのサイズ換算表(単位/cm)  
革靴のサイズ 20.0-21.5 22.0-24.0 24.5-26.5 27.0-29.0 29.0-31.0 31.0-33.0
加算する長さ +1.5 +2.0 +2.5 +3.0 +4.0 +5.0


 採寸の単位は、インチを基本単位とするものと、センチを基本単位とするものとがあり、国によってはそれらを独自に細分化して最小単位を決めています。
 国際化した市場に合わせ、各国のサイズ表示が併記された靴が増えてきていますが、他の国のサイズに変換する時に微妙な違いが出てきます。
 本来、最も重要なのは靴の踵から屈曲部(フレックスポイント)までの長さ(アーチレングス)なのですが、これを明確に表示しているメーカーはありません。
 従って、以上を総合すると靴のサイズはあくまでも目安であって絶対的なものでは無いと言うことができます。


 b.フィッティング

 では、どうやって自分に合うサイズの靴を見つければよいのでしょうか?

 パンプスやローファーのような靴を除けば、実は非常に簡単な方法で適正サイズを見つけ出す事ができます。

 最初に自分の足のサイズを測ります。

 お近くの靴屋さんにフットスケールがあれば、それで測ってもらえるはずです。



 足の長さ(サイズ)だけをを測る事ができる最も簡単な子供用フットスケール。(ASAHI corp.社製)


 幅(ウィズ)も測れる本格的な二種類のフットスケール。(左:new balance Japan社製のフットスケール、右:アメリカの計測器メーカーBrannock Device社製フットスケール。左の製品より正確にサイズを測定できる。)


 フットスケールは足の実寸を測るものなので、スポーツシューズでは先にあげた換算表を使って修正したサイズを割出します。



 好みのシューズを選び、おおよそのサイズをお店に出してもらいます。 そして、靴の中に手を入れてアーチクッションの先端位置を内側と外側から確認します。  


 椅子に座ってひざを曲げ紐を緩めたままの靴を履いてつま先を立てます。この状態にするとアキレス腱に邪魔されずに脚の重さでヒールカップいっぱいに踵が収まります。次に、靴の上から親指の付け根の関節(ボールジョイント)を探します。 そして、この位置が先程のポイントと合っているかどうかチェックします。
 関節がポイントよりつま先側に5mm以上ずれていたら、ずれていた長さだけサイズを上げてもう一度同じことを繰り返します。 逆に、アーチクッションに関節の底面が乗り上げてしまったら、ずれていた長さ分だけサイズを下げて試し、関節をこのポイントに合わせます。


 前の状態のまま紐をつま先側からしっかり絞めてゆきます。


 まず立ち上がって足の裏全体に体重をかけ、土踏まずにアーチクッションがフィットしているか確認します。このとき土踏まずの踵寄りに強い圧迫感を感じたら、サイズがやや小さい時のサインなので一サイズ上げて最初からやり直します。 適度な圧迫を均等に感じられたら、踵を持ち上げて靴を大きく曲げてゆきます。 このときヒールカップに踵が付いてくるかどうかを調べます。 踵が浮くような感じがしたら一サイズずつ小さくしてやり直します。


 最後に、先程のまま、つま先が前に着いていないか、足指が側面から圧迫されていないか確認します。側面が強く圧迫されている場合、ウィズ(横幅)の選択できる靴なら、広いウィズに換えて最初からやり直します。
 選択できない場合は、その靴はあきらめて、幅の広い別の靴を探すほうが良いでしょう。


上記記載内容は講談社『ウォーキングマガジン』(2003年10月号)の特集記事「自分に最適な靴を見つけたい。」に採用されました。





画像提供:講談社ウォーキングマガジン