「真珠本来の美しさを大切にしていきたい」これが糸川真珠の信念です。
昨今の真珠業界では、心が痛むようなことが、残念なことに日常に行われているのが現状です。
てりや輝きを増すため、過度の人工的な加工をすれば、見た目よく、安価な真珠をつくることができます。
そのような加工がされた真珠は、年数が経つと、加工がはがれ、身に着けることができなくなります。
糸川は、それは真珠ではないと考えています。
真珠は、本来一生身に着けることができる、そして世界にひとつだけの宝飾なのです。そして日本の誇る宝であります。
その大切な真珠の価値に傷をつけるような現実があり、本当に価値のある、本物の真珠を手に入れることが難しくなってきています。
糸川では、本物の真珠を大切にし、皆様へ真珠の素晴らしさを伝えていくことも、私たちの使命だと自負しています。

日本の宝である真珠を、大切に想い、本物の真珠を自らの目で選別しています。インターネットという便利なものができ、よりたくさんの方に真珠を提供できる機会が増えました。
ただ、実際に手に取っていただき、商品確認できないことは大きなデメリットだと思っています。
しかし、私はすべての真珠を、この目でチェックし、皆様へ本当に美しい真珠を届けたいと思っています。今までも、これからも「うちは真珠屋である」と言い続けたいと思っています。ですので、安心して、糸川の真珠を身に着けてほしい、物理的には、「品質保証書」をお付けし、品質の保証をうたっていますが、糸川真珠という誇りをかけて、皆様へ真珠を提供していきます。

あこや真珠を取り巻く状況につきまして

2022年4月、日本の南岸を流れる黒潮が大きく蛇行する黒潮大蛇行と呼ばれる現象が長期間続いていると海洋研究開発機構の公表がありました。 観測開始以降これまでに6回発生、今回は2017年8月から2022年4月までで4年9か月続いているそうです。 専門家によりますと、黒潮大蛇行が起きると、魚などの生息範囲が変わって不漁の原因になったりするそうです。

2019年の夏、あこや真珠を育てるアコヤガイの大量死が三重県・愛媛県・長崎県で発生しました。 その後、関係者が原因究明の活動をされていますが、はっきりとした原因はわかっておりません。 おそらく環境汚染や異常気象などの要因が複合的に関わっているのだろうと思われます。 ですから、この状況は一過性のものなのではなく今後も続く、または頻発すると考えなければなりません。

そうなりますと、これからは元気なアコヤガイがだんだんと少なくなり、産出されるあこや真珠の数は減少、品質も低下という流れが想像できます。

当店は伊勢の真珠専門店として、これまで品質の良い真珠を適正価格で販売することを基本理念として営業してまいりました。 これからもその理念を変えるつもりはございません。 でももし、品質の良い真珠が適正な価格で仕入できなくなったとしたら、理念通りの営業はできなくなってしまいます。

この問題は当店だけのことではなく、真珠に関係するすべての人たちに関わる大きな問題です。 日本が世界に誇る真珠という宝石を絶やしてはいけない。この大志に微力ながら関わっていきたい。 その想いで日々精進してまいります。

真珠本来の美しさを守っていきたい。そして真珠の故郷である伊勢志摩の海を美しく保ちたい。皆様に本当の真珠の美しさ・価値を知ってもらいたい。その思いで８０年以上、皆様へ安心できる本当の真珠を届けてきました。

そしてこれからも、昔ながらの真珠への想いは変えるつもりはありません。 ８０年の歴史と信用を大切に、これからも真珠専門店である誇りを持ち、真珠の伝統を次の世代へと受け継いでいきたいと思います。