イタリアのワイン
イタリアという国に魅せられてから、すでに15年以上の月日がたちますが、未だにイタリア人の持つ感性とバランス能力には脅かされることがしばしばおこります。
イタリアに旅行したことのある友人連は口をそろえて、イタリアという国の美しさとともに、イタリア人のいい加減さと、システムの不備を嘆きます。
確かにその通りで、日本という、何もかもがシステマティックに動くこの国に暮らしていると、肩をすくめざるを得ないシチュエーションに出会うのはごく日常的です。もちろん、それはイタリアに限ったことではないと思うのですが..。
しかし、そのいい加減さとシステム不備の中、それでもうまくまとめあげてしまう、彼らの臨機応変さと不屈の精神と言っても過言ではない忍耐力はすぐれた一つの資産であると思います。その資質は、ワイン造りにも大いに影響しています。
もともと、フランスという国にワインとブドウ栽培をもたらす前に経過した国がイタリアです。
現代では、大きなワイン製造国であるドイツやスペイン、そして世界第一国を謳って憚らないフランスへのルーツだったのです。イタリアのかかとやつま先に上陸後、数々の戦争とともに北上し、フランスやドイツに到着しました。到達後も、その時の権力者の方針や病禍の打撃により、葡萄栽培とワイン醸造は拡大や縮小を余儀なくされ、変遷をたどってはいますが、現在の栽培/醸造分布図と大きく変わらない状態になったのは、そんなに最近の話ではありません。
イタリアワインは、土地の人たちが消費するためにだけ醸造されてきた飲み物です。生産地域や、葡萄品種、葡萄の栽培法や製造方法などについて、細分化し語られるようになったのは、長いぶどうとワインの歴史から考えると、本当にわずか前からのことです。
現代、ワインは大変高貴なものとしての地位を確立しました。まるで儀式を取り行うかのような方法で抜栓し、供されるワインも存在します。そのように高貴なワインはもちろん素晴らしく、一口いただくだけで天にも昇る気持ちを味わえる、至宝なのでしょうが、逆に、ワイン本来の姿である「日常のワイン」も素晴らしいと思います。
イタリアでは古来、葡萄ができる場所が生産地域であり、できる葡萄こそが土着品種である葡萄であり、栽培法は代々百姓や生産者が代々伝えてきた方法、製造もまた同様で、そのようにしてごくありふれた場面に、当たり前のように席を得てきました。
私は、そんなワインもまたいとおしく思い、皆様の日常の食卓に、そんなワインが現れる一助を担えたらと思い、イタリアワインをご紹介しています。
【北イタリアのワイン】Settentrionale
【ピエモンテ州】
州都:トリノ (TO)
山の足(麓)を意味するピエモンテ州は、イタリアの北西、フランスとの国境沿いに位置します。アルプスの裾にあるため、冷涼な地域ではありますが、緯度はフランスのSUD-0VESTやラングドック・ルー所んと同程度か、もう少し北に位置する程度です。イタリアでもっとも高貴とされているネッビオーロ州の栽培に適しており、優れた長期熟成ワインを生産しています。その他の品種としては、イタリアでもっとも生産量の多い黒葡萄、バルベーラの栽培が盛んです。
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【トレンティーノ・アルト・アディジェ州】
州都:トレント (TN)
特別自治州のひとつで、アディジェ川により二つの地域(トレンティーノとアルト・アディジェ)に分けることができます。アルプス沿いの冷涼な地域ですが、北からの颪(フェーン)が温度を上げる効果を担い、様々なミクロクリマを実現しています。他地域に先駆けて、国際品種の認定を早くから行っており、生産量の約6割以上がDOC認定ワインで、カベルネ・ソーヴィニョンやメルロなどの国際品種も含まれます。
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【ロンバルディーア州】
州都:ミラノ (MI)
山、川、湖、平野など様々な気候条件を有する地域です。そのため、葡萄の仕立て方、品種、ワインのタイプや合わせるお料理など、多種多様で大変興味深い地域と言われています。オルトレポ・パヴェーゼやフランチャコルタなど、日本で数多く流通するワインの生産地でもあります。
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【ヴェネト州】
州都:ヴェネツィア (VE)
180.000平方キロメートルと、イタリアでも屈指の面積を要するヴェネト州は、イタリア有数のワイン生産地域で、生産量は、イタリア総生産の約20%程度と言われています。
ヴェネツィアというと干潟や運河というイメージが強いのですが、本土側は平野が多く、米栽培も盛ん。海に面しているためカニ、イカやエビなどの魚介類も豊富で、日本人の口に合う料理が多いのも特徴です。
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【フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州】
州都:トリエステ (TS)
いくつかの、きっぱりと別れた地質を持つこの地方では、歴史的にしっかりとしたワインが製造されてきたようですが、残念ながら、特にこれと言って文献に残っていません。常に、領土争いに巻き込まれるこの土地の住民は、イタリア語とともにドイツ語を話す人も多く、性格はどちらかと言うと、ゲルマン民族に近いそうです。
小石混じりの土地、鉄分を多く含む赤土、何千年もの間、川(氷河)によって形成された沖積層などから、酸味の豊かな個性的なワインの製造がされています。
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【リグーリア州】
州都:ジェノヴァ (GE)
リグーリアのワイン、もしくは葡萄品種というとあまり有名ではありませんが、栽培されている品種は約100種に上るといわれています。
栽培面積が絶対的に小さいのと、丘陵地が多いのも手伝って、常により栽培しやすい品種を求めて植樹されてきたため、交配種が多く生まれたからと言われています。海に向かって下りていく斜面にもびっしりと葡萄を栽培したり、小さな農園ごとに交配を生んだりと、多種多様にわたる面白さが特徴です。
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【ヴァッレ・ダオスタ州】
州都:アオスタ(AO)
面積のほとんどを山岳地が占めており、かろうじてぶどう作りに適した標高の、わずかな場所で葡萄栽培されている。
生産量は少なく、冷涼なため葡萄栽培は難しいのですが、一部で、大変コクがあり、濃厚なワインを作るなど、生産技術を磨いて、近年目を見張るワインを生産している。
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北イタリアのワイン
【中部イタリアのワイン】Centrale
【トスカーナ州】
州都:フィレンツェ (FI)
サンジョヴェーゼ種が最も高貴に育つとされる地域で、デイリーワインから高級ワインまで、さまざまな性格のワインへと生まれ変わっています。郷土料理としては、パスタ料理は少なく、パンと、豆や穀物を使ったスープが多いのが特徴で、それらに合わせるのに適した白ワインとしてヴェルメンティーノやヴェルナッチャ主体の白ワインや、サンジョヴェーゼ主体の素晴らしいDOCGからデイリーワインまで、様々なワインを大量に生産しています。
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【エミリア・ロマーニャ州】
州都:ボローニャ (BO)
平野が多く、食の宝庫といわれる地域で、チーズやサラミ、バルサミコ酢など、さまざまな食材が生産されています。
ワインとしては、この州で特筆すべきはランブルスコです。
甘口から辛口まで味わいは様々ですが、強いタンニンと発泡が、豚の脂や濃い味わいを一気に洗い流す力があります。豚の耳のフリットや豚足の煮込みザンポーネなどと一緒にいただくと、力を発揮するワインです。
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【マルケ州】
州都:アンコーナ (AN)
ヴェルディッキョという言葉がマルケを表すかのように、同意語のように扱われてきたのは、ヴェルディッキョ種の栽培と、同名のワインの品質の高さを表していると言えるのですが、近年、赤ワイン製造でもその名をはせるようになっています。
特に、ROSSO CONERO(ロッソ・コーネロ)は国内外を問わず、コストパフォーマンスの優れたうまいワインとして人気を博しており、白ワインだけのイメージを払しょくしています。
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【ウンブリア州】
州都:ペルージャ (PG)
内陸に位置し、海がない数少ない州のひとつ。面積のほぼ3割が山地、残りはすべて丘陵地という、イタリア一、丘の多い州です。この州のオリーブオイルの品質の高さは、イタリア随一と言われており、葡萄の栽培にももちろん適しています。
ハーブやオリーブオイルをふんだんに使用した料理が多く、豆、木の実、茸など山の幸が豊富なのも特徴です。
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【ラツィオ州】
州都:ローマ(ROMA)
なだらかな丘陵と平地が多い環境で、白ブドウの生産に向いた地域です。ラツィオと言えば白というくらい白ワイン生産が多く、フレッシュでフルーティなものが多いのですが、中には、木樽を使用し、温度の管理を自然に任せる自然発酵製法も残っているとか。特徴的な味わいのワインになります。
どちらにしても、早飲みタイプの白が多い地域です。
黒葡萄の生産量は州内総生産量のせいぜい10%程度。ここはおいしいデイリーの白を見つけたいところです。
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【アブルッツォ州】
州都:ラクイラ(L'Aquila)
アブルッツォと言えばモンテプルチャーノ、モンテプルチャーノと言えばアブルッツォと言われるほど、州を代表するぶどう品種はモンテプルチャーノと、生産量の多さから、白ではパガデビット(借金を返済する)という別名を持つトレッビアーノ・ダブルッツォです。モンテプルチャーノ・ダブルッツォもトレッビアーノ・ダブルッツォも、現代では徹底的に樹上。
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中部イタリアのワイン
【南イタリアのワイン】 Merdionale
【モリーゼ州】
州都:カンポバッソ(CB)
州面積、葡萄栽培面積ともに小さめで、DOCワインが3種存在するのみにとどまっています。栽培されている葡萄は、アブルッツォやプーリアと同じ品種です。
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【プーリア州】
州都:バーリ (BI)
大きな平野と、丘陵地帯からなるプーリアは、イタリア半島で最も早い時期にぶどうやオリーブ栽培がもたらされた土地で、長い歴史を誇っています。エノトリアテルスとも呼ばれた豊穣の大地は、今も同じように伝統を守って農業、ワイン醸造がされています。
土着品種のウーヴァ・ディ・トロイアは、ジンファンデルと同じDNAを持つといわれるぶどう品種で、色素が豊かで濃く、果実味あふれるワインを生みだします。
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【カンパーニア州】
州都:ナポリ (NA)
ナポリが州都のこの州は、海に面しているため、魚介でも有名です。ヴェスヴィオ火山周辺の国立公園で栽培されるぶどうで醸造されたヴェスーヴィオDOCが有名。フレッシュでフルーティな飲み口は、この州発症ともいわれるピッツァや魚介のパスタに良く合います。
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【バジリカータ州】
州都:ポテンツァ (PZ)
この地も、有史以前よりぶどう栽培が盛んな土地で、面積の9割以上は丘陵地と山地が占めています。他州から様々なぶどう品種を取り寄せ栽培しているため、たくさんの品種の栽培がされていますが、特筆すべきはやはりアリアーニコです。アリアーニコ・デル・ウルトゥーレは、山岳地帯で、火山から噴き出した溶岩から成る堆積層で構成されており、ぶどう作りに大変貢献している。
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【カラブリア州】
州都:カタンザーロ(CZ)
10%に満たない海岸沿いにある平野から内陸に入ると、急激に山がそびえたつカラブリア州は、細長い州で、幅が60キロメートルを越すことがない程度。アフリカからの熱く乾いた空気が吹く土地柄で、しっかりとした黒葡萄が育ちやすく、それら葡萄から作られる赤ワインと同時に、ロゼワインも作られる。
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南イタリアのワイン
【イタリア諸島部のワイン】Le isole
【シチリア州】
州都:パレルモ(PA)
地中海で最も大きな島であるシチリア島は、領土の1/4が山、6割が丘陵地帯で、残りが平野です。川や湖に乏しく、乾季には水が枯れる河川が多い。地中海性気候で、海岸線は乾燥して暑く、アフリカからくるシロッコ(風)の影響はぶどうには大変厳しい風土です。エトナ山など標高の高い地域でのみたっぷり降水するが、その他の地域は降水量はかなり少なくなる傾向にあります。
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【サルデーニャ州】
州都:カリアリ (CA)
風光明美で、ガルビーノや、シロッコと言われる気候に影響を与える風が海から吹き寄せるため、年間平均温度が比較的高い、温暖な気候で、コスタ・ズメラルダ(エメラルド・コースト)など、高級リゾート地として有名です。サルデーニャ島のワインは、海に囲まれた土地柄、ワインが大変ミネラリーで強い愛好者を持ちます。雨量は平均的に秋冬に多く、春は少なく、夏は激減しますので、ぶどうの成熟期に雨の少ない理想的な環境です。
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イタリア諸島部のワイン