MAIN PAGE ┃POMODORI (Tomato)
トマト
赤いトマト。緑のトマト。丸いトマト。長いトマト。おいしいトマト。


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イタリアのトマト


日本でも、トマトは人気のお野菜(※1)。イタリアとは切っても切り離せない『トマト』なのですが、実際に、イタリアでも食卓に上るまでには紆余曲折を経ており、日本とあまり変わらない扱いを受けてきた歴史を持っています。
イタリアにトマトが渡ったのは、16世紀ごろと言われています。南米、アンデスの高地に起源を持つ、その果実は、当時のイタリアにおいて、毒草である『ベッラ・ドンナ(※2)』に似ていたことから、食べられることはありませんでした。見た目も毒々しいほどに赤く、品種改良を重ねた現代の果実とは異なり、皮が厚く、硬く、消化に悪かったため、お腹を壊すのが常であったため、一概に、体に悪いというのは間違いではなかったようです。その為、貴族が饗する、豪華絢爛な食卓の端で、中心で、もっぱら、『饗宴を彩る飾り』として、その赤い果実が用いられただけにすぎず、食用として取り入れられるまでには、かなりの時間を要した、と言われています。
pomo d'oro(金のリンゴ)とか、pomo d'amore(愛のリンゴ)の別名を持ち、日常なくてはならないこのトマトに、まさか、こんな冷遇時代があるとは、考えも及ばないことです。
イタリアではこのころ、貴族や富豪は、自らの懐の深さを見せるために、宴を開き、大量のお客を招き、食事をしたといわれています。宴は時に、大がかりな舞台装置様の演出を交え、その飾り付けに、赤く実った、毒を持つ怪しい果実【トマト】が使われたといわれています。では、その【悪魔の果実】が、いかに食卓に上がるようになったか、と言うと、ナポリの市民ではないかと言われています。
貴族は裕福なままに、饗宴を楽しんでいますが、一般市民は、そこまで裕福な食事がないどころか、食うに困ることも多々あったそうです。そんな折、観賞用だろうがなんだろうが、なっている実を食べない手はない、と、煮込んで食べたのが始めだそうです。もちろん、前述の通り、皮が硬く、しかも酸も多かったため、あまりお腹に良くはなかったようですが、時間をかけて品種改良をし、広く、トマトのできない北イタリアにまで交易品としてまで進化させ、今では、イタリアでは南北かかわらず、なくてはならない食品として、食卓に並ぶようになりました。
このトマトが、日本に伝来したのは、そこからまた100年以上経た、17世紀、江戸時代だといわれています。ヨーロッパから大陸沿いに伝搬し、中国(唐)を経て、ポルトガル人が長崎に持ち込んだものです。もちろん、舶来であるこの植物は大変貴重で、【唐柿】、【珊瑚なす(※3)】や、【唐なす】と呼ばれ、御大名の床の間に飾られる様な代物だったようですが、食用として用いられるのは、大政奉還ののち、明治も後半に入ってからのことだそうです。とはいえ、このころはもっぱら、日本に住む外国人が食卓に使う程度で、日本人の口に一般的に入るようになったのは、昭和に入ってからのこと。トマトケチャップが爆発的に人気を博し、日本人の創作ソウルフードと言われる『ナポリタン』に使われ、おじさまたちがこよなく愛す洋食『ポークチャップ』に使われ…今では、トマトはなくてはならない野菜の一つとして、君臨しています。



(※1)トマトは野菜か、果物か。
イタリア人は【野菜!】と即答します。 日本人も野菜としていますが、植物学上はフルーツに属しているのだとか。しかしながら、『木に成るものは果物、苗を植えてから1年以内に収穫するのが野菜』と言うのが日本の定義であり、トマトは野菜という認識がされているようです。確かに、スイカも野菜に分類されるのは、いまでは周知のことです。じゃぁ、イチゴは野菜なのか?? という疑問がまた出てきます。そこで調べましたところ、農林水産省の統計でも、イチゴも野菜だそうです。 余談です。

(※2)【BELLA DONNA】 ベッラ・ドンナ(ベラドンナとも)イタリア語で、美しい女性、と言う意味の、なす科の植物で、全体に毒性を持つ。接触するとかぶれを起こす成分を葉から分泌し、食すと食中毒を起こす。(ウサギや鳥は平気らしい)。古来、散瞳させるために、点眼薬として使われていたため、この名前が付いたとか。散瞳が『美しい女性』??。検査用の点眼じゃなくて???。
と言うのは、女性は、好きな男性を見つめると、瞳孔が開くそうで、その瞳に男性はひかれるそうです。古今東西、異性に好かれるためにする努力は、並々ならないことの様です。

(※3)正岡子規『かけはしの記』の珊瑚なすは、野イチゴのことです。ちなみに、珊瑚色と言うと、コーラルピンクをイメージしますが、血の様な赤い色を、珊瑚色と指しています。
この時代のトマトが、コーラルピンクだったということではありません。
確かに、ヨーロッパの店先で見かける珊瑚のジュエリーは、綺麗な赤を用いているものが多いように思います。

(文責:株式会社 メモス/西島)

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