ITAMONO MAIN PAGEITALIAN WINE┃ GRAPPA
グラッパの蒸留器(ボッテガ社提供) 蒸留器。イメージ的に、ちょっと斜めにカットしてしまっているのですが、左上の人の頭の大きさを見れば、全体の大きさがイメージしていただけるかと。業務用の蒸留器はすごいです。

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グラッパ
GRAPPA

グラッパは「滓とりブランデー」と呼ばれる蒸留酒で、その名の通り、ワイン製造のために醗酵して、モスト(果汁)を絞った後に出てきた搾りかすを再醗酵し、蒸留します。 このグラッパ、日本の酒税法では蒸留酒の中で【ブランデー】として扱われます。アルコール度はおよそ30度前後です。基本的には蒸留したままの透明の液体ですが、歴史的にフルーツやハーブ、香りのよい木やスパイスを漬け込んだもの、また、長い時間をかけて美しい黄金色から琥珀色を呈した樽熟成のグラッパ等も人気があります。

原料となるワイン生産後の葡萄の搾りカス-vinaccie 葡萄の搾り滓...滓というと少しイメージが悪いのですが、葡萄の搾りかすは、家畜の飼料や畑の肥料はもちろん、種からはくせがなく食べやすいグレープ・シードオイルが搾油できます。あますことなく使われる、とても有用なものなのです。
とはいえ、日本語での"カス"に抵抗を見せる方も多くいらっしゃるようなので、あえてここではイタリア語のヴィナッチェ(VINACCE)と書きます。この、ヴィナッチェ。再発酵して蒸留するんだからと気を抜くことなかれ。蒸留するにもやはり新鮮さが大切 なのだそうです。ワイナリーから、ワイン醸造のために絞り取った後すぐに運び込まれるためヴィナッチャは発酵を続け、トラックの荷台の中でもあったかいのだそう。そうして運ばれたヴィナッチャは銘柄ごとだったり、ブドウ品種ごとだったりと蒸留の前に再醗酵されます。
一応、ワインの蒸留時に一端アルコール発酵を開始しているため、グラッパ製造の際の発酵は初めてでも「再醗酵」というわけです。
再醗酵中の倉庫は温度が高く、むんとした匂いが漂います。大きなグラッパ製造業者の場合、再発酵のために使う大きな土地を屋根で覆うのも大変なので、広場に人が入れそうなビニールのチューブ(遊園地に行ったら子供が中に入って遊ぶ、あんな感じです)を蛇のようにくねくねと敷き詰め、その中で再発酵することもあります。 グラッパを作る際、このヴィナッチェには一切の添加が許されていません。もちろん、偶然に紛れ込んでもならないわけで、しかも雑菌からも守らなければならない。 水分を遮断し、再発酵の際のガスを逃がすことのできるビニールは、理想的な素材なのだそうです。

ちなみに、ヴィナッチェに水をくわえて再醗酵した飲み物をヴィネッロといいます。 今や巷では見かけませんが、古くはワインが高級品で飲めなかった時代の労働者、農民階級の重要な飲み物でした。大地主や貴族に丹精込めて育てた葡萄を納め、その搾りかすをもらいうけて作っていたそうです。
もちろん、ワインに比べると遥かに味わいが劣ります。しかも、あまり保存が利かないとすれば、今度はこのヴィネッロを件の錬金術『蒸留器』にかけて、蒸留酒を作ったのです。これを、アックアヴィーテ・ヴィニカ(Acquavite vinica)と呼びます。これは、厳密にグラッパと区別されています。

古今東西、お酒はだれもが望むもの。そして、そういう嗜好品には必ず『税金』が発生します。
酒税を徴収するための規定は事細かに定められています。とにかく税務署の立ち入りが厳しく、施設のあちこちで税務署のシールを見かけます。熟成庫の扉や、蒸留器のタップの部分に張り付けて封印するためのシールで、勝手にはがせないそうです。年間生産量も細かに計量して報告する必要があるなど、グラッパはその作り方も大変なら、税務報告もかなり厳しいようです。ワインは無税、この差がアルコールであるグラッパとアリメント(栄養)であるワインの違いなのでしょう。

まだ、グラッパに税金の取り立てがなかったころ…となるとずいぶんと歴史を遡ってしまいますが、移動式蒸留機をゴロゴロと台車で引いて訪問する蒸留業者もいたそうで、リヤカーのようなものに蒸留器が設置されたものがグラッパ記念館やグラッパの歴史の本などに見ることができます。図面でしか見たことはありませんが、イメージ的に「ぽん菓子」という米菓のおじさんみたいな感じかしら、と勝手な想像をしてしまいました。

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