Clos Bagatelle 
クロ・バガテル
◇醸造元名

Clos Bagatelle (クロ・バガテル)

◇原産地呼称

AOC Saint-Chinian (サン・シニアン)
AOC Muscat de Saint Jean de Minrevois
(ミュスカ・ドゥ・サン・ジャン・ドゥ・ミネルヴォワ)

◇所有者

Luc SIMON (リュック・シモン)

◇総畑面積 55ha
  
・歴史

■1623年、サン・シニアンのラシャ(毛織物)の製造職人であったピエール・メルカディエが、ある伯爵婦人から“バガテル”と呼ばれる地を購入した。この地にほれ込んだピエールが土地を開墾し、耕し、囲いを作ったのが、「クロ・バガテル」の始まりである。(“クロ”は「囲いをした農地」の意味。)                                                                          数年間に及ぶ開墾作業の後、彼はやっとぶどうの植樹を始めた。革命の時、子孫達は織物業の方をやめ、ワイン造りに力を注いだ。酒倉を大きくし、新たに土地を購入した。ワインを初めて市場に出すとき、彼らはまず“アルプ・ドゥ・オート・プロヴァンス県”で販売を始めた。そこは彼らの先祖の故郷だったからである。                                                                   それから何世代も後になって、現オーナー、リュック・シモン氏の両親が1963年にぶどう園を引き継ぎ、ぶどうの樹を植え替え、栽培に力を入れるなどしてワインの品質の向上に努めた。その結果、ぶどうのエキスが濃縮された、個性あふれるワインを生産できるようになった。                        現在リュック・シモン氏と妹のクリスティーヌさんが栽培・醸造の中心となって、両親から引き継いだワイン造りに情熱を燃やしている。         

・地理

■地中海岸の都市モンペリエから西方約50kmに位置するサン・シニアンは、フランス中央山塊の南側の支脈“セヴェンヌ山”の麓にある産地。この地方は数百万年前、遥かノルウェーから氷河が連なっていた時代を経た後、火山噴火による地形変動によって現在のような入り組んだ丘陵地が形成された。

・気候

■地中海性気候。春と秋には雨が降りやすく、雷を伴う。“タラモンタンヌ”と呼ばれる山から吹く風と海からの風がほぼ年間を通して吹いている。

・土壌

■クロ・バガテルにはAOCサン・シニアンに二つの地質を持つ土壌があり、シスト土壌の畑が27ha、粘土石灰質土壌の畑が20haある。                                                        AOCサン・ジャン・ドゥ・ミネルヴォワに、8haの石灰質土壌の畑がある。                                            クロ・バガテルには岩石の構成やPHが微妙に異なる土壌が多数存在し、それぞれに固有の鉱物性の塩や痕跡性元素(oligo-élement)を含んでいる。この特徴を生かし、それぞれに適した品種を植えている。                                                                          サン・ジャン・ドゥ・ミネルヴォワの畑はラングドック地方の端、高度が250〜280mの場所にあり、土壌は非常に古く第三紀の石灰質の層からなる。これは湖水性の石灰層で非常に硬く、乾燥して痩せた土地なので1haあたり3,000本以上生産することはめったにない。 

・栽培

■周辺の森や山々は野生のタイム、ローリエやういきょうなど“ガリッグ”と呼ばれる香草が群生する、痩せて非常に乾燥したテロワール。ここではミュスカ、カリニャン、グルナッシュ、シラーやムールヴェードルなどの地元品種を栽培している。痩せた土壌と夏の強い日差しなどの自然環境のため、ゴブレ仕立てが今も多く残る。収穫も相変わらずの手摘みをするなど、栽培方法は曾祖父の時代から一切変えることなく、伝統の農業を続けている。南仏サン・シニアンの気候は乾燥していてカビなどの害の心配がないため、化学肥料や化学物質の農薬を使わずに栽培することが可能となっている。

・収穫 ■選別しながら、全て手摘みで収穫。
・品種構成

AOC サン・シニアン

Grenache(グルナッシュ)…25%
Syrah(シラー)…30%
Carignan(カリニャン) …20%
Mourvèdre(ムールヴェードル)…20%
Cinsault(サンソー)…5%

 

▼(AOC ミュスカ・サン・ジャン・ドゥ・ミネルヴォワ)

・Muscat à Petits Grains (ミュスカ・ア・プティ・グレン)

・樹齢 ■5〜80年
・植え付け密度 ■4,000〜4,500本/ha
・総合ワイン生産量 ■2,045hl
・剪定方法 ■ギュイヨ方式。
・使用苗台木
・つぎ木選別方 ■ゴブレ及びコルドンロワイヤ方式

・評価 プレス

★2001年9月発売の「Le Classement des vins 2001」にて高評。
 “キュヴェ・マチュー・エ・マリー99”、“キュヴェ・セレクション98”、“ラ・グロワール・ドゥ・モン・ ペール98”が4グラスの高得点を取得。 

★2001年5月に開催された「グラン・ヴァン・ドゥ・ラングドック・ルーション」にて1,500本の中から  “キュヴェ・マチュー・エ・マリー99”が銀メダル受賞。 

★2001年5月に開催された「チャレンジ・インターナショナル・デュ・ヴァン」にて“ラ・グロワール・  ドゥ・モン・ペール99”が金賞受賞。 

★「The Wine Advocate」2002年2月28日号で“ラ・グロワール・ドゥ・モン・ペール98”が87〜89 点の高得点を取得。
 
★2000年4月、「セレクション・モンディアル2000」にて、“優秀ワイナリー”に選ばれる。
・レストラン情報 ◇ルカ・カルトン   ◇イム・シフシェン
◇ジョルジュ・ブラン ◇ラ・コート・ドゥ・サン・ジャック
◇トロワグロ など、数々の有名レストランで取り扱っている。
ヴィンテージ情報
2001年

■ミュスカにとって素晴らしい年となった。繊細な風味のミュスカの辛口のワインを、このワイナリーとしては初めて造っている。他に、糖分と生き生きした酸味の絶妙なバランスが取れた甘口ワインを醸造中。

赤ワインは、厳しい剪定や7月の間引きにもかかわらず、充分な収穫量があった。8月から収穫まで乾燥した風が吹き、理想的な生育状況で収穫できた。最近のヴィンテージでは1998年に似ているが、それより少しボリュームがあり、強い構成になりそう。


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