カムカムダニーズ試験方法
試験方法詳細
方法と材料
図のように、内径4cmのガラスシャーレの内部底面に、直径4cmの円形に切り抜いたサンプルを敷いた。 ひとつはダニ誘引シート、もうひとつは未加工品を敷いた、2種類の試料を用意した。
直径9cmのガラスシャーレ内部底面に供試ダニ(ヤケヒョウヒダニ)約10,000個体を含む ダニ培地を均一に広げた後、底面中央に前述の試料を入れた4cmシャーレを設置した。 これらのシャーレを、食品保存用シール容器(内容量8.5リットル)に置いた。 シール容器内底部には飽和食塩水を入れ、湿度を約75%RHに調整した。
(外からのダニの侵入と、ダニ培地からの逃走防止のため)
1試料につき、試験繰り返し回数は3回。 以上の試験装置を、それぞれ個別に作成し、25℃の遮光した恒温室に保管した。
効果判定
48時間後に、試料上に移動した供試ダニの確認を行った。
試料は、洗い出し法により供試ダニを抽出し、実体顕微鏡下で計数した。
その際、移動したの生死は区別し、生存個体を移動個体として扱った。
試験品(処理区)、および未加工品(対照区)の移動数を用い、誘引率を計算した。
※ダニ培地密度推定
密度30,000個体/g 以上のダニ培地から10,000個体分のダニを取り出すことが進入阻止法(一定の場所に入れて、生きているダニのみを計数する方法)に適していると考えられている。
試験に使用するダニ培地は、あらかじめ飽和食塩水浮遊法により、培地50mg中の生存ダニ数を4回計数して密度を確認し、試験に使用するダニ培地量を決定した。
ダニ誘引データの解説
1.ダニ誘引試験
(1)移動個体数と誘引率1
供試ダニ培地から試料へ移動した「生きているダニ」の数
検体名 | 1回目 | 2回目 | 3回目 | 合計 |
未加工品(対照区) | 1962 | 1801 | 1928 | 5691 |
ダニ誘引シート | 140 | 87 | 66 | 293 |
(2)移動個体数と誘引率2
供試ダニ培地から試料へ移動した「生きているダニ」の数
検体名 | 1回目 | 2回目 | 3回目 | 合計 |
未加工品(対照区) | 1973 | 1810 | 1932 | 5715 |
ダニ誘引シート | 817 | 672 | 651 | 2140 |
(3)進入阻止法による誘引率ではテスト品の値は低いが、死亡検体をカウントするダニ誘引シートの死亡率は高くなります。
検体名 | 生存数 | 全数 | 死亡率 |
未加工品(対照区) | 5691 | 5715 | 0.4% |
ダニ誘引シート | 293 | 2140 | 86.3% |
2.ダニ誘引法によるダニの駆除
- 未加工品の場合は、生きたダニは移動するだけで死亡率はほとんど0%となりました。
- テスト品では、集まったダニのかなりの数が死亡しています。